呪縛 The Spell | ゆうきよしなり 絵と詩のブログ

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わたしを しばっていたものは 

わたしだったのじゃないかしら 

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自分自身を縛り付けているのは、実は自分自身であったりします。

与えられた価値観や規範意識に囚われて、本来の姿や自由を見失い。


また、現実にそぐわない社会の制度や規範やレッテルが人を縛ることがあります。

苦しむ若者が部屋の中にひきこもったり、息苦しさに耐え切れず幻想の国を夢見たりします。


自分が自分らしくいることは、堂々と胸を張ってよいことです。

誰もがそんなふうにいられる居場所はきっと見つかるし、きっと作れるはずです。


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歌舞伎「祇園祭礼信仰記」において雪姫は、捕らえられて桜の木に縛られながら地面に積もった花びらで鼠を描きます。するとその鼠が生を得て縄をかじって雪姫を自由にします。このお話は、雪舟が幼い頃に涙で鼠を描いたという故事に由来します。お寺でお経も読まずに絵ばかり描いている小坊主の雪舟を、お寺のお坊さんは柱に縛り付けました。泣いた雪舟は床に落ちた涙を使って足の親指で鼠を描きました。その絵が見事だったので、お坊さんは雪舟が絵を描くことを許したと伝えられています。

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