とある友人から連絡がきた。


友人が経営するバーに、以前僕が一緒にお仕事させて頂いていたミュージシャン仲間が遊びに来たのだという。


その人は、東北にある実家に帰るのだという。
友人の店で、そう伝えていったらしい。



どんな世界でも、倍率が高い立場ってのは沢山存在する。
もちろん、僕が目指しているポジションだってそうだ。
普通に考えればまあ気が遠くなるような倍率だと思う。
クラっとするよね。


でも、それを目指すのはその目標がやっぱり輝いて見えるから。

それってきっと「夢」ってやつなのかな。




その人とは、僕は何度も同じステージに立った。
よく喋る人ではなかったものの、音楽への情熱が人一倍あったのは見ているだけですぐに感じとれた。

そして、ステージに立つと、とても華がある人だった。




「音楽」には夢があるし、みんなその夢に想いを馳せて、夢を追いかける。

でも、長い年月をかけて、その夢が「現実」と対峙する瞬間が出てくる。
夢が自分を苦しめる時だってある。

それは悲しい瞬間なのか、はたまた人生の分岐点なのか。


この世界に足を踏み入れた人は、いつだってその問題と隣り合わせだ。
どんな人だってそう。
そんな世界なんです。
もちろん僕だって。



いつか、僕の先輩が言っていた。

「音楽やっているなら、みんな友達だよ」


僕はまだまだ若輩者ですが、なんだか今は少しだけその意味がわかる気がします。


一緒にステージ立って、泣いたり笑ったりした人となら、よりそうだよね。
もう、仲間だよ。





音楽が縁を繋いでくれた仲間の未来に、
素敵な光があることを願って。




裕地