慢性頭痛の周辺 その33 慢性化 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 慢性頭痛の慢性化の要因は、細かなことはいろいろな面から検討されますが、基本的には以下の5つの観点から、まず大雑把に考えることが大切であろうと思っています。


1.体の歪み(ストレートネック)の関与


 脳のなかに原因のない”慢性頭痛”の方々には、頸椎レントゲン検査を行いますと共通してストレートネックが認められます。それでは、どうしてストレートネックが頭痛を引き起こしてくるのでしょうか?
 この点に関して、説明することにしましょう。

 人間の背骨(脊柱)はS状の湾曲を呈しています。人間は直立位を保っていますから、背骨が一直線ですと、全体重が下の背骨にかかることにより、すぐに下の背骨がダメになってしまいます。こうしたことにならないようにS状の湾曲を呈しています。ということは頸椎は前に湾曲を示していることになります。ところが、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜しておれば、後頸部の筋肉に張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、このこりが上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。


「ストレートネック」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓                 ↓
↓       脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓                 ↓
↓        中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
                ↓
        脳の過敏性、頭痛の慢性化

自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頚性神経筋症候群
                              (慢性頭痛)                               


尾側亜核で三叉神経と頚神経が収束する


 ストレートネックのために、頭半棘筋に凝りが出ると、それが大後頭神経を刺激し、その刺激が三叉神経に伝わります。大後頭神経と三叉神経は脳のなかで、三叉・頚神経複合体を形成していて、つながっていますので、大後頭神経の刺激は三叉神経にも伝わります。
 首の筋肉のこりの刺激が、大後頭神経から三叉神経に絶えず刺激が送られ続けます。このため、常時、脳の過敏性が高まった状態が継続していき、「痛みの感じやすさ」が増強されることになります。


 マグネシウム不足は、頸部筋肉群の緊張を増加させ、肩こりを悪化させます。


 さらに、ストレートネックは、肩こりを持続させ、乳酸が蓄積されることにより、脳内セロトニンの低下を引き起こすことになります。
 以上にように、ストレートネックの持続は頭痛を慢性化させることになります。


2.「セロトニン神経系」の関与


 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 「セロトニン神経系」は、セロトニンを含有し、神経伝達物質として”セロトニン”を用いる神経細胞群とその標的細胞の受容体からなります。
 神経伝達物質とは、神経細胞のニューロン間で、信号をやり取りするための物質の事です。この細胞のシナプスからは、特定の神経伝達物質が放出され、受容体で受け取られるという仕組みがあり、この情報伝達が神経へとつながっているのです。
 セロトニン神経の活動レベルは一日の中で絶えず変化していますが、その活動が活発であればセロトニンの分泌が多くなり、弱くなれば分泌が少なくなります。
 分泌が多ければ、それだけ情報も伝わりやすくなるというわけです。
 セロトニン神経が働くのは、おもに覚醒時です。
 朝起きてから夜寝るまで、セロトニン神経は休むことなくインパルスを出し続けています。つまり、起きている間中、セロトニンの分泌は行われています。
 そして、睡眠中には、そのインパルス活動が弱くなり、セロトニンはほとんど分泌されなくなります。そのため脳内のセロトニンの濃度が下がり、脳全体を覚醒する作用もなくなります。
 セロトニン神経には、歩行、呼吸、咀嚼などの基本的なリズム運動によって活性化されるという特性があります。毎日の生活の中で、こうしたリズム運動を自然に繰り返していれば、セロトニン神経は正常レベルに保たれます。したがって、こうした運動を極端に抑えた生活を継続することは、セロトニン神経の減弱を招きます。例えば以下のような生活習慣には要注意です。
  
  日光を浴びることが少ない
  朝は出かける直前まで寝ている
  昼夜逆転生活になっている
  固いものをあまり食べない
  階段を使わずエレベーターやエスカレーターを使う
  30分以上続けて歩くことができない
  運動不足である
  デスクワークが多い
  朝食をとらない
  ごはんやパンなどの炭水化物をあまり食べない
  魚より肉をよく食べる
  ダイエットのため食事制限をしている


 また、加齢による身体機能の衰えも運動不足に繋がります。セロトニン神経の活性には太陽の光も影響しますから、インドア指向の最近の子供たちの生活、とくに連日、息をつめてゲームをやり続けるという習慣などは、セロトニン神経が減弱しやすくなるのです。
“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば益々「脳内セロトニンが低下」することになります。さらに生活習慣の不規則・ストレス・生理周期により「脳内セロトニンの低下」がさらに増強してくることになります。
疲れなどで、体に乳酸が蓄積して起きる”肩こり”なども脳内セロトニン不足の原因になるということです。
 セロトニン神経は、痛みの感覚を抑制する役割を担っています。
 セロトニン神経が活性化されていると、鎮痛効果が現れます。
 痛み自体がなくなるのではなく、セロトニン神経の活性化により痛みの感覚をコントロールすることで、痛みを感じにくくなります。
 反対にセロトニン神経が弱まると、ささいなことで体の痛みを感じるようになります。
 脳内セロトニンが低下すれば、頭痛が出現しやすくなってきます。またアロデイニアとも関連しています。
 このため、脳内セロトニン低下をもたらす原因が次々に追加されることによって、頭痛が慢性化してくることになります。


 「痛みの中枢回路、情動の神経回路」


  http://www.zutukomakusa.html.tv/app.html#append-9


片頭痛とセロトニン


   http://taku1902.jp/sub002.pdf

   http://taku1902.jp/sub017.pdf

3.ミトコンドリアの関与


 私達の体を構成する細胞の中には、多数のミトコンドリアという小器官があります。
 ミトコンドリアは、ほとんどすべての生物(ヒト、動物、植物、菌類など)の細胞に在り、酸素を取り込み、生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、車のエンジンや発電所の発電機のような働きをしています。
 エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多くなります。
 ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 ミトコンドリアには、細胞内のカルシウムイオン濃度を適正に調整する作用があります。マグネシウムイオンは細胞内小器官(ミトコンドリア)の膜構造ならびに細胞膜構造において膜の安定性を保つ役割をしています。
 細胞膜にはミネラルイオンが通過できる小さな「穴」があり、透過できるイオンの種類によって、「ナトリウムチャネル」とか「カルシウムチャネル」といった名がつけられています。これを使って必要なミネラルを自在に出入りさせることで細胞内のミネラルイオン濃度の調整をするのです。
 マグネシウムイオンが不足すると細胞内小器官(ミトコンドリア)の”膜構造ならびに細胞膜構造”のイオンポンプの力が弱くなり、細胞内小器官であるミトコンドリア膜の透過性も亢進し、ミトコンドリア内に入り込んだカルシウムイオンは、ミトコンドリア外へ出ていけません。カルシウムはミトコンドリア内に少しずつ蓄積してきます。ミトコンドリア内カルシウムイオンの増加が起こります。それを薄めるために細胞浮腫、つまり水ぶとりの状態になります。
 細胞内のカルシウムイオン濃度が異常に高くなり過ぎると、ミトコンドリアの調整機能は破壊されてしまいます。調整機能が壊れたミトコンドリアは死滅してしまいます。 ミトコンドリアのエネルギー産生やミトコンドリア自体の生死には、ミトコンドリア内のカルシウムイオン濃度が強く係わっており、カルシウムイオン濃度は片頭痛の発症にも非常に大きな原因となります。
 このようになった細胞に、適量のマグネシウムが供給されると、溜まっていたカルシウムイオンなどが排出され、それにつづき、水分も排出されますが、この水ぶとり状態も限度がありカルシウムイオンがある量を超えると、その細胞は不必要となり見捨てられます。そして、後にはカルシウムイオンなどで一杯になった固まりだけが残されます。 これが石灰化した細胞のことです。動脈硬化の原因の一つです。結果的に、この細胞は死滅してしまいます。
 細胞内のマグネシウムが著しく不足すると、カルシウムイオンを細胞外に排出するカルシウムポンプの調整機能が働かなくなり、筋肉は収縮状態(緊張した状態)が続くことになります。片頭痛の前兆や、発症の引き金となる脳血管の収縮は、脳血管細胞内のカルシウム濃度の高まりによっても生じます。それはつまり、マグネシウム不足がもたらす結果でもあるのです。
 このようにして、マグネシウムイオンの低下はミトコンドリア内カルシウムイオンとナトリウムイオンの増加およびカリウムの喪失による細胞内でのカリウムイオンの低下を招きます。同じくマグネシウムイオン感受性のATP依存性カルシウムポンプの活性低下を招くことになり、細胞は興奮しやすくなります。これが「脳過敏」を引き起こしてきます。
 このようにしてマグネシウムイオンの減少はミトコンドリアの好気的代謝異常をきたして、神経細胞を興奮しやすくすることになります。
 片頭痛では、ミトコンドリア代謝異常が生まれつき存在するために、ミトコンドリアはマグネシウムイオンの減少による影響をさらに受けやすくなることになります。マグネシウムイオンの低下は片頭痛発作の結果でなく発作の始まる前から存在しているのです。神経細胞の”興奮性の亢進”はマグネシウムイオンの減少の結果あるいはミトコンドリアの代謝異常の結果として生じているものです。このようにして、「脳過敏」が形成されることになります。
 片頭痛とてんかんは密接な関係にあって,「片頭痛は本質的にてんかんの一種である」ことが強調されていますが、”脳の興奮性の亢進”は、上記のことを示すものです。
 そして、マグネシウム不足が持続すれば、ミトコンドリアの働きをさらに悪くさせることに繋がることになり、片頭痛を悪化させる”元凶”にもなってきます。これが「脳過敏症候群」の本態です。市販の鎮痛薬の服用が原因ではありません。間違えないようにして下さい。この点は極めて重要なことで、忘れてはなりません。
 マグネシウムは、日常生活を送る際にいろいろな原因で容易に不足してきます。


 慢性頭痛の周辺 その32 マグネシウム  昨日述べました


 ミトコンドリアがエネルギーを作り出す際に活性酸素が生み出されます。
 活性酸素の発生が除去しきれないほど発生してしまと、これらが原因で細胞(ミトコンドリア)が傷つけられ、さまざまな病気(炎症)を引き起こしてしまいます。
 ミトコンドリアを増やし、活性化させると、エネルギー合成時に発生する活性酸素の消去する機能も高まります。しかし、弱ったミトコンドリアの活性酸素を消去する機能は低く過剰の活性酸素が発生し、その活性酸素によってミトコンドリアがさらに弱っていくという悪循環が始まります。
 活性酸素は、「呼吸をする」、「食事をとる」、「運動をする」など、ごく普通の生活をしているときに発生します。酸素を取り込み、エネルギーを作る過程で必ず発生するからです。そのほか、白血球が細菌を殺傷するとき、生理活性物質が作られるとき、有害物質(過酸化脂質、残留農薬、食品添加物、抗がん剤、アルコール、タバコ、大気汚染物質など)を解毒するとき、止まっていた血液が再び流れ出すとき(再濯流)、紫外線や電磁波(レントゲンなど)を受けたとき、強い精神的ストレスを受けたときなど、さまざまな要因により発生します。
 現在では、更に活性酸素を発生させる原因が増えています。
 それが病気を治すために飲む薬や、空気中に存在する有害物質、食品添加物や洗剤、化粧品などに含まれる化学物質であり、放射線などです。これらの原因は、昔にはなかったものです。
 活性酸素をつくり出す原因がこれだけ増え、体の中には対抗する手段が充分にはないとすると、私たちの体の中には、過剰な活性酸素が存在しているということになります。
また、高脂肪・高タンパク質食品に偏った食生活を続けると、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が抗酸化作用より常に優位な状態、いわゆる「酸化ストレス」になります。
 偏食や過食は活性酸素の発生を加速し、がんや認知症などの疾患にも悪影響を及ぼします。カロリーのとり過ぎは活性酸素の発生量を増加させ、逆にカロリーを制限することは活性酸素の発生を減少させ、老化の進行を抑制します。
 このような過剰に発生した活性酸素が、頭痛を慢性化させる根源となってきます。


4.ホメオスターシスの関与


 人体の恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。3つの相関関係は「ホメオスタシスの三角形」と呼ばれます。
 イライラや不安、恐れ、憎しみ、怒り、追い詰められる気持ちなど、このような気持ちを常に持っていれば些細なことでも「カリカリ」していたり、常に「ビクビク」していたりします。人間と動物が違う点は脳が発達しすぎた為に、本来過剰に反応しなくてもよいものまでストレッサー(ストレスのもと)として受け取ってしまうことではないでしょうか?
 ストレスを放置していればアドレナリンやノルアドレナリンが常に身体や脳で駆け巡ってしまいます。またあまり追い詰められれば脳の神経伝達物質の流れが悪くなり、自律神経がうまく働かなくなります。
 またこれらのホルモンだけではなく、副腎からコルチゾ-ルなどが常に放出されるようになります。更に免疫システムであるリンパ球(獲得免疫)を減少させます(獲得免疫とはガンやウィルスを処理してくれる免疫です)。
 リンパ球が減少すれば顆粒球と呼ばれる自然免疫が多くなります。これらは活性酸素を放出します。よってこのような状況(ストレス状態が大きい)ことを放置しておくことで様々な精神的、身体的な症状を引き起こしてしまう危険性があります。

 このようにして人の体はコントロールされているのですが、それがストレスにさらされることでバランスを崩し、頭痛に繋がっていくことになります。

 この点も以前に記事にしたばかりです。


  慢性頭痛の周辺 その6 ストレス


5.生理活性物質の関与・・・脂肪酸の観点から・・


 必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6は、全身のさまざまな生理機能を調節する局所ホルモンの原料になります。この脂肪酸からつくられる局所ホルモンはエイコサノイドと言われ、「プロスタグランジン」「ロイコトリエン」「トロンボキサン」などの種類があります。そうした調節物質を、ここではまとめて「プロスタグランジン」と呼ぶことにします。
プロスタグランジンは大きく3つのグループに分かれ、グループごとに異なる働きをしているということです。なかでも「オメガ3系のEPA」からつくられるプロスタグランジンと、「オメガ6系のアラキドン酸」からつくられるプロスタグランジンは、相反する働きをして細胞機能のバランスをとっています。
 もう少し詳しく見てみると、オメガ6系からは2つのグループのプロスタグランジンがつくられ、互いに相反する働きをしています。現在、その材料となる「オメガ6」は大量に摂取されています。そのうえ大半の人々は、肉・乳製品・卵などの動物性食品を多く摂っていますが、そうした食品には直接「アラキドン酸」が含まれています。そのためアラキドン酸由来のプロスタグランジンが大量につくられることになります。つまり1グループ目に比べ、2グループ目のプロスタグランジンだけが過剰に生成され、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 2グループ目のプロスタグランジンと、オメガ3系からつくられる3グループ目のプロスタグランジンも、相反する働きをしています。しかもこの2つは、オメガ6系のグループ同士より強力な競合関係にあり、一方が大量につくられると、他方はその分だけつくられなくなります。ということは、現在のような「オメガ3欠乏」の状態では、圧倒的に「アラキドン酸」由来のプロスタグランジンが生成されることになるのです。「オメガ6」と「動物性食品」の過剰摂取から2グループ目のプロスタグランジンだけが異常に多く生成され、「オメガ3」の欠乏から3グループ目のプロスタグランジンが極端に不足してしまっているということです。そのために細胞機能のバランスが大きく崩れ、さまざまな障害・病気が引き起こされているのです。
 例えば“炎症”という作用の場合、それを抑制するプロスタグランジンが「オメガ3」からつくられるのに対して、アラキドン酸由来の「オメガ6」からは炎症を激化させるプロスタグランジンがつくられます。このように―「血栓を減らしたり、増やしたり」「発ガンを抑制したり、促進したり」「子宮を弛緩させたり、収縮させたり」「血管を拡げたり、狭めたり」して、互いに相反する働きかけをしています。車にたとえれば、アクセルとブレーキのようなものです。1つの生理作用に対して、それぞれ反対の働きかけをしながらコントロールしているのです。多種類のプロスタグランジンが互いに関係をもちながら、身体全体の機能を維持しているのです。
 「オメガ3」と「オメガ6」の脂肪酸は、単なるカロリー源や組織の構成成分となるだけでなく、細胞機能を調節するプロスタグランジンの材料となっています。プロスタグランジンは、神経系・ホルモン系に続く「第3の調節系」と言われています。
 このため、生体にとってよくない”プロスタグランジン”がたくさん出来ないように工夫することは痛みの治療にとって重要です。
必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6の摂取比率が重要になってきます。
 こうしたことから、オメガ6の過剰摂取は、頭痛を慢性化させる一因にもなってきます。


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982198003.html


 以上のように、「脳内セロトニンの低下」は、心療内科・精神科の扱うような純然たる緊張型頭痛の慢性化に関与し、「体の歪み(ストレートネック)」は緊張型頭痛の慢性化に関与してくることになります。
 そして、片頭痛の場合は、基本的に「ミトコンドリアの働きの悪さ」があります。このため、セロトニン神経系の働きも悪くなり、脳内セロトニンの低下をきたします。
 そして、この両者が存在すれば当然、「体の歪み(ストレートネック)」が起きてきます。
 ここ50年間の間のうちに、活性酸素を異常に発生させる生活環境にあります。このため50年間の間のうちに正常人においてさえ、「ミトコンドリア自体の働き」が悪化していることから、「脳内セロトニン低下」と相まって、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしやすい状況にあります。
 すなわち、脊椎起立筋群に対して、ミトコンドリアの働きの悪さは、”筋肉そのもの”への関与し、さらに脳内セロトニンは、”神経系の要因”として、関与しています。
 このように「ミトコンドリアの機能」「脳内セロトニンの作用」「体の歪み(ストレートネック)」の3者は、お互い密接な関与をしています。
 そして、慢性頭痛発症には、「ミトコンドリアの機能」「脳内セロトニンの作用」「体の歪み(ストレートネック)」の3者が程度の差が異なれ、すべてが関与しています。
 これに、ホメオスターシスの乱れ、生理活性物質が追加されることになり、慢性化の機序を複雑化させているものと考えるべきです。


 問題は、頭痛専門医は、慢性頭痛の発症要因として「薬剤乱用頭痛」を主に挙げられますが、この「薬剤乱用頭痛」は本質的には、市販の鎮痛薬・病院で処方される鎮痛薬、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤にしても、人体にとっては過剰な服用は、薬剤の種別は問わず「化学的ストレス」です。このストレス反応により「脳内セロトニン」の低下がもたらされ、痛みを調節することが困難になり、薬剤乱用頭痛に至ったと考えるべきです。

 また、別の見方をすれば、市販の鎮痛薬・病院で処方される鎮痛薬、エルゴタミン製剤、トリプタン製剤にしても、人体にとっては異物です。異物を解毒しようと、ある酵素を出します。この酵素が働く過程でも、活性酸素が発生してしまいます。このため過剰に発生した活性酸素によってミトコンドリアの働きを悪くさせることが、薬剤乱用頭痛に至ったと考えるべきです。


 こうしたことから、片頭痛の慢性化を考える場合、片頭痛では基本的にミトコンドリアの働きの悪さがあります。こうしたことから、まず、エネルギー産生を円滑に行わせるためには、必要最小限な栄養素、ビタミン、ミネラルの摂取が大切となります。
 さらに、マグネシウムに対する配慮は極めて重要となります。
 「脳内セロトニン」を増やすためには、さらにトリプトファンの摂取の仕方が重要となってきます。この細かな注意点は以前にも述べました。


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11946235807.html


 さらに、脂肪酸の摂取の仕方として、必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6の摂取比率が重要になってきます。
 そして、生活習慣として、睡眠の問題がミトコンドリア、脳内セロトニンの問題でも共通して挙げられ、早寝・早起きが原則です。そして、ストレス対策を行うことです。
 このためには「セロトニン生活」の励行しかありません。  


  http://taku1902.jp/sub008.pdf


 このような単純な生活習慣、食事・睡眠・ストレス対策が基本となっているはずです。
 こうした点は、頭痛専門医でなく、頭痛に関しての”素人”が言っていることであり、こうしたことを実践され、片頭痛を改善されておられる事実は忘れてはなりません。

 ところが、頭痛専門医は、慢性頭痛の発症要因として「薬剤乱用頭痛」しか挙げられません。そして、これに加えて、片頭痛発作時に”トリプタン製剤”を服用せずに、市販の鎮痛薬・病院で処方される鎮痛薬を服用するためとされます。このような単純な生活習慣、食事・睡眠・ストレス対策が基本となっているはずですが、このような単純な生活指導を基本的な事項でありながら、まったく行うことなく、ただ単に「片頭痛発作時に”トリプタン製剤”を服用しましょう」ということが何を意味しているのか敢えて言うまでもないことです。トリプタン製剤そのものが、薬剤乱用頭痛を最も起こしやすいという事実を覆い隠した上でです。


  http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11974722056.html


 さらに付け加えるなら、「体の歪み(ストレートネック)」は最初から全く念頭にないことです。


 こうしたことから、片頭痛の慢性化は起こるべくして起きているとしか言えないようです。