憧憬遍歴

 

        (一)


 冬。

 粛条と、冷厳ににそこに在った。土地の人が鷹城山と呼ぶ標高八百米ほどのその山は、彼が物ごころついて以来十八年、いつも北西に険しくそびえていた。

 --昭和二十三年一月、その年はつねになく寒さが厳しく、南飛騨のこの小さな田舎町に尺余の雪を敷き詰め、北西の強い風ーー鷹城颪ーーがことの他強烈だった。

 船場俊吉、十八歳、今春は最後の中学生生活に別れを告げ、定められた運命の医学部の難関に挑まなければならぬ孤独で辛い日々を背負って、いまこの小駅に立った。

 五年間、朝六時に家を出て夕七時に帰宅、汽車で一時間あまりの飛騨高山まで通学を続け、多感の思春期を送って来た。そして、やがて来る遅い春を精一杯待っている最後の冬であった。

 いつもの様に鷹城颪を右頬にいたいほど受けながら、寂莫と宵明かりの雪道に歩を進めたーー。

 「お兄ちゃん 一寸待って」

 俊吉は思わず声をかけられ、寒風を避けるため被っていたマントをそっと外してふり返った。

 香耶ー俊吉と同姓であったから狭い北国の田舎町のこと、恐らく遠い血縁にはなるのだろうが、それよりも幼馴染としての意識の方が強い十四才の、真っ赤な頬をふくらませ、たまだ乙女にすらなっていない香耶の大きな眸が笑っているのをそこに見た。

 赤い手袋の中に白い封筒を握り締め俊吉をじらすように、二、三歩あとずさりしながら言った。

 「はあい これ。あの人ね、これでもうお仕舞にしましょうって・・・。」

 つられて俊吉はポケットから出した手でその封筒をひったくった。性急すぎる動きに香耶はあわてて手を引っ込めた。そして、封筒の一部と桃色の便箋を香耶に残したまま俊吉は空(から)の封筒の半分をちぎり取った形になった。

「おい こら、よこせよ 子供の見るものじゃない」

 俊吉はなぜか慌てた。香耶が伝言したように、それは"恋人”からの絶縁状であることを彼は知っていたしそれを香耶に見られることの格好悪さを感じていたからであった。素直に手紙を返してくれた香耶であったが、笑っている筈の顔の中で大きな眸だけが冷たく、俊吉を射すくめた。思わず赤くなったーー。

ーーそう言えば香耶に"郵便屋”ばかりやらせて面白くなかったのかなーー

 が、たかだか十四の小娘になにがわかる、と俊吉も精一杯大人ぶった自分には気がつかずそう思った。

くるっと踵(きびす)を返すと、香耶は雪道を引き返し俊吉も家路は向かって歩を進めた。

 鷹城颪は一際強く痛く"恋人”の去ってしまった苛立たしさを噛みしめながら・・・。

 春。

 G医科大学予科へ入学した俊吉は、試験にパスしたこととりも、やっとこれで、厳しい父と、出来るかぎり模範的な母たらんと努めてくれている継母、勝気で俊吉とはまるで肌合いの違う腹違いの妹達との煩わしい生活から逃れ、気ままに自由な生活が出来ることの喜びに心をときめかしていた。たとえそれが大学生活の束の間の"時”であるにせよ、今の俊吉にはこよない宝物に思えたし、すべては四月からの新しい出発(たびだち)への希望に胸一杯であった。

 俊吉のそんな姿をじっと見ている香耶のことは、当然頭の中になかった俊吉であった。

 つくし、ふきのとう、桜草・・・。

 遅い南飛騨の春も今たけなわであった。まるで俊吉の門出を祝うかのように・・・。

 夏。

 遅咲きの紫陽花に露が結ばなくなってくるとこの山国にも夏らしい風が吹きはじめる。

 この頃、香耶は折々俊吉の噂を両親から聞く機会があった。

 「お医者さんの俊ちゃん、一学期に一度も帰らなかったそうね」

 「あの子もいろいろ辛いんだろう。継母と厳しいおやじさんに何だかんだ言われて・・・。もともと医者には成りたくないんじゃないか」

 「中学の時も和歌だとか小説だとか、勉強よりそっちの方ばっかり熱心だったらしいですよ」

 「Gにいい人でも出来たのかなナ」

 「まさか」

他愛ない両親の茶呑み話だったが、香耶はきっとそうに違いない、おにいちゃんのことだから、又、例の”恋愛ごっこ”しているのだろうと思うと、つい声を出して笑ってしまった。

ーーそしてーー香耶の頭の中にいつもあるひとつの情景が又浮かび上がって来た。

 それは香耶が六才か七才、俊吉が十才か十一才の幼い頃、船場病院と道を隔てて古いお寺があり、その広い境内がいつも子供達の恰好な遊び場であったのだが、その日はいつもと違って珍しく男の子女の子が一緒になってかくれんぼをしていた。ジャンケンで負けた俊吉がオニになり、皆ちりじりに、あちこちにかくれた。

 「・・・九十九、百、いくよ」

俊吉はあたりをぐっると見回した。鐘楼の影に絣の着物に赤い帯の端がチラリとみえた 香耶だな と思ったが、そのままにしておいて別の方向へ探しに行こうとした時、松の枯れ葉がパラパラ落ちてきた。上をみるとガキ大将の三郎が、必死に松の幹にしがみついていた。

 「サブちゃんみつけた、降りといで・・・。」

 その声で、みんなぞろぞろ出てきた。サブちゃんもズルズル降りて来たが、その顔は怒りで真っ赤にふくれ上がっていた。

「俊坊。ずるいぞ、お前 俺より先にカヤちゃんみつけたやないか。ちゃんと俺、上から見とったんやから・・・」

三郎はそう言いながら、やがて集まった皆を眺め回し手拍子を取りだした。

 「シュンボウとカヤはヤアイヤイ」

 皆も手を打ちながら囃し出した。

「シュンボウとカヤはヤアイヤアイ ネンネが出来たらどうしましょ。どうしましょ。・・」

 俊吉は囃したてられて、これまた真っ赤になって三郎を睨みつけていたが、突然 香耶の前へ来るとピシャリと平手打ちをくわせ、

「カヤなんか大嫌いだ。おまえなんかどっかへ行け。」

 と大きな声で怒鳴りつけると、そのまま裏山のほうへ走り去ってしまった。あっけにとられた香耶であったが、驚きと、悲しさと、ちょっぴり痛さが悔しさになり、ワアワア泣き出した。境内は一瞬しんととし、子供達は香耶ひとり置いて迯ように散っていった。

 「おにいちゃんが香耶をぶった」

 何故ぶたれたかわからなかったけど、あの時の痛さは、今も右の頬が覚えている・・・

ーーー窓の外の紫陽花が、さんさんと太陽の光りを映して眼に痛かった。そんなせいか、昔の痛さを思い出したせいか、香耶はわけもない涙に自分で驚いていた・・・が、それが漸く少女から乙女に変わりつつある女の性(さが)の故とは気づかなかった。


夏は農村の若者にとって、一年で一番楽しい時でもある。 野良仕事も一段落し、もうすぐ始まる盆踊りの練習という名目で、男も女も夜半過ぎまで外出することは半ば公然許され、例え男女組になって歩いても好奇の目で見られることもない・・・。

 夏期休暇をほんの少しだけ故郷で過ごそうと俊吉は、お盆ちかくなってひっそり帰郷した。

例のお寺の境内が盆踊りの練習の場でもあったし、寝付かれぬままふと踊りの集団に入りたくなって俊吉はこっそり門を開けて出た。


 午後十時を廻った夏の月が、中天にかかり、境内はいろとりどりの浴衣に身を包んだ若い男女の群れで、あたりの空気までが熱っぽかった。

 俊吉はそっと山門の柱の影から見るともなく踊りの輪を見遣っていた。小学校時代の同級生の顔も、三々

五々大人ぶって混じっていた。その中に、濃い大柄の藍染めの浴衣に赤い帯を締め、長い髪を後ろで無造作に束ねた大きい眸の女の子の姿が目に入った。

 それが、余りにも新撰な香を漂わせいたので俊吉は思わず目を止めたーー香耶であった。

 四ヶ月ほど見なかった裡に、香耶は随分大人びていた。俊吉の頭の中には、お転婆で勝気な、ちょっと可愛い女の子としての印象しかなかったので、今、目の前に居る初々しい乙女の香を馥郁とさせている花が香耶と知った時、俊吉は、たじろぐ心に吃驚した。クルリと踊りの輪が廻った時香耶も気づいた・・・。

 乙女は踊りながら、男は黙ってじっと、眼だけを絡ませながら・・・。

十分ひどしてから、そっと輪を抜けて香耶が俊吉の傍へ寄り添った。やがて黙って二人は川岸へ向かう小経へどちらからともなく歩みを進めた。

 「あ、ホタル。あれ採って!」

 香耶は蛍が好きだった。どちらかと言えば気の強い陽気な子であったのに、葉かげでひそやかに吐息する蛍を無性にいとしがった。

 月は今、その美しい影をうすい雲に隠し、あたりが暗くなって蛍がひとつ、おいでおいでするように川岸のすすき間で息づいていた。

 俊吉は足場を確かめながらつと手を伸ばして掴もうとした瞬間、足元の土が崩れ、あっという間にがけをずるずるずり落ち、草の根に足を止められるまで何が起こったか、ふと、わからなくなった。気が付くと崖の端は手を伸ばしても届かぬはるか上のほうにあった。

「おにいちゃん、だいじょうぶ?」

「大丈夫。だけど上がれないよ」

 香耶の白い顔が崖の上から覗き、左手を精一杯伸ばして差出したが、俊吉の伸ばした手と触れ合うことすら出来なかった。

 「ちょっと待っててネ」

 そういうと香耶顔が一瞬消え、束の間、すんなりした白い脚が二本、浴衣の裾も露わに俊吉の頭の上へ伸びてきた。

 なんと!崖っぷちの松の根元にしがみつき、香耶がぶら下がる恰好で、顔を下へ向けて叫んだ。

 「香耶の脚つかんでよじのぼって来て。早く!」

 一瞬の躊躇いの後、意を決して俊吉は香耶の細い足首を掴んだ。そしてなるべく手には力を入れないように足元を固めながら、香耶の背に覆いかぶさる形で少しずつ少しずつ昇って行った。

 

 後ろから香耶を抱いたまま俊吉は崖の上で荒い呼吸(いき)をしていた。香耶も束ねた髪を乱してそのままの形でぐったりとしていた。

 ひとときが経った。俊吉はゴロリと仰向いて雲の間を走る月に目をやりながら呟いた。

 「とんだ目に」あったナ 香耶。ひさしぶりに逢ったというのに・・・。」

 並んだまま寝転がっていた香耶が

 「足首が痛い・・。おにいちゃんて痩せてるのに案外重いんだもん」

と言いながら俊吉の顔の上に体を預けるように重なった・・・そのまま急に激しくむしゃぶりついて来て

 「おにいちゃん大好き!」

 といいながら俊吉の顔の上へ熱い涙をポトポト落とした。体の芯が熱くなって頭ががんがんし、胸が苦しくなって俊吉は吾を忘れた。

 青い果実が触れ合うように二人は唇を重ねた。涙と、吐息と、草いきれの混じり合ったその感触は、いつか遠い昔、いたずらにちぎって噛んだ紫陽花の花の味とそっくりだ と俊吉は思った。

 幼すぎる二人はそれ以上どうしていいのかわからず、いつまでも腕を絡ませ唇を合わせままでいた。気がついてみると俊吉は香耶の頭を膝に乗せ、その黒髪を何度も何度も撫でていた。

 瞼を閉じた香耶の口から言葉が走った。

 「香耶。おにいちゃんのお嫁さんになりたい!」

 俊吉はそんな香耶をこよなくいとしく思いながらも、二人を結び付けるには、到底乗り越えることの出来ない垣根の沢山あることを今更のように強く感じていた。


船場香耶ーー彼女はこの土地の古い造り酒屋の一人娘で、いずれは恰好な養子を取って家業を継いで行かねばならぬ運命だった。

 俊吉は五代続いた土地生え抜きの医者の長男で、これまた、六代目の医者となって此処に根を下ろし、病院の看板を背負って生きてゆかねばならぬことは、彼が生れた瞬間に敷かれたレールであった。

 若い、というよりはむしろ幼い今の二人にとってはあまりにも抜け難い柵(しがらみ)であったし、香耶も俊吉も、それは当然の宿命として甘受しなければならないものとしか考えつかなかった。

 そして、二人は月見草の散り初める頃、別々の世界へ脚を踏み入れていった。

 俊吉十九歳、香耶十五歳の、昭和二十三年九月であった。


ーーーその頃 四国、南伊予の小さな町で、学校教師の末娘として、新家英子は何不自由ない生活の中で二歳の誕生をむかえ、また、南予の漁港近くの町で、網元の長男、外村吟ニが呱々の声を挙げていた・・・。


                        ③

 そして十年余り・・・。

冬。

昭和三十四年三月

京都の早春はまだ厳しい寒さが耐えられない日が続いていた。

 京大付属病院内科病棟ニ○三号室は、戦前に建てられた古い木造の二階にあり、ゆるんだ建具の隙間から、時折”風花”と一緒に冷たい風が吹き込むほど老朽化していた。

 船場香耶は病床に臥っていた。しばしのまどろみの中で、俊吉との、あの劇的とも言える再会の衝動を夢見ていた。

 三年前の夏、それはこの京都で、思いもかけぬ出会いであった。

ーーー高校を終える時、両親は彼女がそのまま家に残って花嫁修業をし、いい相手を養子に迎える日の一日でも早いことを願っていたが、香耶は、半ば設定されたいるそういう人生に身を流す心構えではいたものの、少しの間でも、人生のほんのひとときを、自分だけで生きてみたいと思い、おそるおそる両親に、ニ、三年外へ出たいと申し出た。

 「それで、何処でどうしようって言うの」

 「京都あたりで何か身に付くこと勉強したいの」

 そう言った時、両親は目を合わせ、思わせぶりにそっと尋ねた。

 「おまえ、誰かに何か言われたの?」

 「いいえ、何も・・・」

 「実は・・・」

 と母親が話してくれたのは、隣町の酒屋の三男坊が、岐阜大農学部の醸造科を出て、在学中奨学金を貰っていた京都郊外の有名な洋酒メーカーに就職していることは、その人、上野秀夫が、俊吉の小学校、中学校の同級生であり、いつでも俊吉と級長を争う好敵手であったためもありよく知っていた。

 両親は、香耶の相手にと白羽の矢を立て、先方の両親の内諾は得ているが、何分まだ高校生だから・・・と、今のところは両家の間だけの口約束みたいな形のままになっている・・・

 「それをカヤちゃん誰かに聞いて、先々のために京都へ行きたいというのなら私達大賛成。なにも言うこと無いよ」

 香耶は寝耳の水の話でびっくりしたが、双方の思惑はともかく、昔から何となく好きだった京都へ出して貰える喜びにすべてを忘れてうなづいた。


京大付属の高等看護学院を卒業し、国家試験をパスし、半年間の病院サークルを終わって眼科配置を専属に定められたのが、昭和三十一年四月のことであった。何故看護師の道を選んだのか、香耶自身、漠然と自分の心がそう命じるものがあった気がしたからであったが、その時はよく解からなかった。

 同じ年の四月、インターンを終わった俊吉が岐大眼科教室へ入局し、彼も又彼の敷設された人生を確実に進んでいた。

 

 そして七月。

 詰め所で汚物の後始末をしていると、外来番になっている吉浦千鶴子がカルテを持って飛び込んで来た。

 「ちょいと。今日から来た岐大の留学の先生、素敵よ。若くって、スマートで、やさしそうで・・・でも残念ながら奥さんと子供さんあるんだつて」

 お茶目で積極的な彼女は皆に好かれていたが”放送局”の綽名の通り、最新のニュースを振り撒いて歩いていた。

 「そのタネ、何処から仕込んだのよ。直接アタックしたの?」

 「違う違う。実はうちの岸田先生が岐大で同級生だつたんだつて。今、岸田先生から頼まれちゃった・・」

 香耶は岐阜という言葉に一寸懐かしさを感じたが、すぐ忘れて仕事の続きに取り掛かった。


 翌日からか耶は外来輪番になった。

 浅川教授の診察は懇切を極め、特に予診をとった新入局の医師に対しては冷厳そのものであった。

 香耶は、初日から教授診察の介助に着かされた。そして、漸く十数人の診察が終わった時、俊吉が一人の老婆を連れて診察室へ入ってきた。俊吉は気づかない・・・・。

 香耶はあっと想ったが」すぐ気を取り直し、内心(おにいちゃんどんな顔するかナ)と好奇心を抱きながらつい口元の綻ぶのを禁じ得なかった。

 「先生、患者さんを此処へ」

 おどおどしながら脚をもたつかせている老婆の後ろを押すようにしている俊吉に、香耶は声を掛けた。そしてーー俊吉の目が、白衣の香耶を見つけ、いぶかしげに、全く珍しいものを見たように呆然と立ち竦んでしまった。

 「船場君と言ったかネ。岐阜の清水君は元気かナ」

 俊吉の恩師、清水教授は、淺川教授のおとうと弟子にあたり、その縁で俊吉を京大へ留学させてくれたのだ。

 そう声を掛けられ、俊吉の慌てようはひどかった。全く吾を失った様に、しどろもどろ、教授との問答も無我夢中で、何を言ったのか自分でもわからなかった・・・。

 汗びっしょりで診察室を出て予信室へ帰る廊下に、いつの間にか香耶が立っていた。

 「夕方六時、正門前で待ってて・・・。詳しいことはその時にネ」

 片目を軽く瞑って、白衣の裾を翻して去って行った。妖精でも見たように、ポカンとその後姿をただ眺めているだけでの俊吉であった。


 「びっくりしたでしょう。香耶だって、岐阜からの先生がおにいちゃんとは思ってもみなかった・・・。でも、こうなるのを期待してプレさんになったのかも・・・。」

 漸くくれなずんで来た八坂神社の境内は、京都の夏には珍しいそよ風が吹いており、何処かで、群れに取り残された蝉の声だかが慌ただしかった。とりとめのない話を続けながらいつの間にか二人は加茂川の河原へ来ていた。あたりはすっかり薄暗くなり、対岸の街の灯りが遠い世界のように見えるこの薄き河原は、逢引きの名所であり、暑い夏ではあったが、やぶ蚊が殆ど居ないのが不思議なこの辺りであった。

 そこここにカップルの姿があるのも意に介さず、二人は河原のススキの間に腰を下ろした。

 「おにいちゃん、結婚したんだってネ。きっと凄いロマンスがあるんでしょ?。聞かせてよ、なにもかも・・」

 ほっそりした白い脚を相変わらず美しいなと思いつつ俊吉は、妻との出会いから今に到る物語を、やっぱり香耶にはしなければならないと思いながら口を切った・・・。

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