上手く言えないんだけどね

ドラクエで言う所の
主人公が生まれた、山奥の小さな村で
薬草と毒消し草しか売ってない小さな道具屋のご主人にも
道具屋のご主人のセカイがある

魔王を倒しに行く勇者が主人公のゲームのセカイでは、決して語られることのない物語だけど
それは確実に存在する

一見小さなセカイのように見えるかもしれないけど
それは大きなセカイから見ても欠かせない存在


布の服とヒノキの棒を装備して
村の近くでスライムだけを相手に戦う日々

刺激や新たな発見はなくとも、平穏な日々を送ることにも、ちゃんと意味がある


次の地を目指し
新たな出会いを求め
未知のセカイに進んでいくこと

冒険に旅立とうとするココロ

これにも意味がある


壁の中のセカイで一生を終えること
壁の外のセカイをを知りたいと思うこと
壁の外のセカイで自分を生かそうとすること


どれが正解で、どれが間違いだなんて
誰にもわからない

そもそもそこに、正解・不正解はないのだから


村人
道具屋のご主人
戦士
魔法使い
僧侶
魔法戦士
賢者
勇者

どれも素晴らしい存在で
このセカイには必要不可欠な存在

村人が劣っていて
勇者を目指せなんて言う気はない

ただね

自分はただの村人だ、なんて
決めつけないでほしい

勇者には勇者なりのゴールがあって
村人には村人のゴールがある


日々を楽しく過ごし
自分らしく生きていくことが出来るのであれば
キミが思う村人だって
勇者を超えるくらいの輝きを放つことが出来るんだから


キミが小さなセカイでキミの思う村人になりたいと願うのなら
ワタシは全力で応援する

ただ、絶望するにはまだ早いんだ
キミはまだこのセカイのほんの一部しか見てない

壁の外に世界があるということすら
認識していない

このセカイにはいろんな人がいて
いろんな出来事があるということを知ろう

嬉しいことも、目を背けたくなるような悲しい現実もある

でも、それが一つとして無駄なことではなく
このセカイを構築するのに必要なのだということを知ろう

ボクはちっぽけな存在なんだ、と誤解しているキミの存在だって
このセカイにとってはかけがえのないもので
唯一無二

キミの存在は少なからず誰かに影響を与え
キミがいることで、またそのセカイが広がっていっているんだということをわかってほしい


まずはキミがキミという存在の意義を知り
そして、他の存在も知っていこう

自分がかけがえのない存在なんだということに
もっと誇りを持ってほしい


まだ人生は始まったばかり
キミの持つその地図は、無限の可能性を秘めているんだから




2015年1月
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