2011年11月15日
若年被害者の逸失利益
テーマ:交通事故今回は,若い方の「逸失利益」について考えてみます。
※「逸失利益」については,2011年5月30日のブログ
を参照してください。
逸失利益の計算方法は,
基礎年収 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
です(ライプニッツ係数の話は難しいので,今回は割愛します。)。
弁護士や裁判所が参照している「赤い本」には,若年被害者の逸失利益の計算について,
「若年労働者(事故時概ね30歳未満)の場合には,学生との均衡の点もあり全年齢平均の賃金センサスを用いるのを原則とする。」
と記載されています。
つまり,若年被害者の場合,基礎年収として,全年齢の平均年収(赤い本に毎年の統計がでています)を使いましょうということです。
それは,なぜか?
先ほどの計算式からもわかるとおり,逸失利益とは長期間にわたって発生する損害です(労働能力喪失期間は,むちうち症などを除き,67歳までの期間を計算します。)。
そのため,基礎収入を若い時の年収で固定してしまうと,今後の昇給を反映していないという不都合が生じます。
しかし,一方で将来の昇給を今証明するのは困難が伴います。
そこで,概ね30歳未満の若年被害者については,全年齢平均の年収を基礎収入とすることが妥当だとされているのです。
もっとも,個々の事例において状況は様々ですから,基礎収入の計算については,専門家に相談するのが一番だと思います。






