2011年07月09日(土)

消費税のトリック~中古品買い取りビジネス【2】

テーマ:会計・税務
昨日の続きで消費税のトリックの本論を。


本来、支払っていないはずのブックオフの消費税であるが、これを支払ったものとみなせる、というのである。これを消費税では「仕入税額控除」といい、ブックオフとしてはその分税金の支払いを減らせるので、メリットとなる。仕訳で表現すると、ブックオフの仕訳は②のようになり、200に対して9の利益となる。お客さんへの売値500に対して9は約2%であるから、粗利2%が実態より合法的に水増しされている。

仕訳① 不課税取引という形式からすると、
(商品在庫=売上原価)200 (現金)200
→売値500に対して利益300

仕訳② 課税仕入とみなせる実態からすると、
(商品在庫=売上原価)191 (現金)200
(未収消費税)9
→売値500に対して利益309


このトリックの法的根拠は国税庁のタックスアンサーにある。一番下記を参照されたい。このような非対照な取り扱いが許容されているのは、中古品買い取り業者の事務処理簡便性にあると思うが、消費税法の理屈を考え ればこの9は税額控除できず、9の「不当」利益をそのまま減益とすることが理論的である。残念ながら、消費税の理屈で考えると、個人にとっては200円の本体価格で買い取ってもらう場合、消費税を受け取ることはできないことに変わりは無い。


中古品買い取りを行う業態にとっては大きい論点だが、いつかメスが入るのだろうか。上記設例だとたかが粗利2%だが(それでも小さくはないが)、仮に粗利20%の商売を想定するとこの影響は約4%に跳ね上がる(原価80%× 5/105)。


ネタとしては以上で終わりである。

私にとっては、日常のシーンで消費税の面白さを垣間見ることができたという意味で、非常に意義深かった。個人的にも消費税には昔から興味を持っており、お勧めできる本を紹介しておきたい。消費税増税の議論の際には日本経済の財政という観点をもっておく必要はあるが、これらの本の書かれている消費税の根幹的なところ併せて理解するのとしないのでは、雲泥の差がある。

知っているようで知らない消費税―「超」税金学講座 (新潮文庫)/野口 悠紀雄
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法人税・消費税の接点と相違点―項目別税務調査対策/小池 敏範
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No.6455 免税事業者や消費者から仕入れたとき

[平成22年4月1日現在法令等]

 消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上高に4%を掛けた金額から課税仕入高に4%を掛けた金額を差し引いて計算します。
 この場合の課税仕入れとは、商品などの棚卸資産の仕入れのほか、機械や建物等の事業用資産の購入又は賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサ-ビスの購入など、事業のための購入などをいいます。
 したがって、免税事業者から仕入れた場合や事業者ではない単なる消費者から仕入れた場合も、仕入税額控除の対象となります。
 この免税事業者や消費者から仕入れた場合でも、その支払った対価の額は消費税及び地方消費税込みの金額とされますので、その対価の額の105分の4相当金額は消費税額として仕入税額控除を行うことができます。
 例えば、免税事業者である下請業者に外注費100万円を支払ったとします。この100万円の支払の中には、その105分の4に相当する38,095円の 消費税額が含まれているものとして、仕入税額控除を行うことになります。このことは、事業用の建物や器具などを事業者でない人から購入したり賃借する場合 も同じです。

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