読書は心の栄養

主に自分の最近読んだ本の忘備録

プロフィールトップ画面にブログの目的と共に日本関係の記事をまとめておきます。
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この本はとても良かった。

 

よく中東の混乱の原因として、サイクス=ピコ協定が挙げられ諸悪の根源であるかのように言及される。

私もこの本を読むまでそう思っていた。

 

サイクス=ピコ協定は、1916年の英仏(そしてロシア帝国も)の秘密協定で、

アラビア半島をどのように分割していこうかを決めたものとされる。

しかし、この本を読んでわかるのだが、この協定ではざっくりとしたものしか決めておらず、

さらにはこの協定は守られていない。

一つにはロシア帝国が崩壊し、ボルシェヴィキ政権下でこの秘密協定が暴露されたこと

二つにはフランスにこの協定を守って自分の管理下の地域を掌握する力がなかったこと

最後にイギリスにこの協定を守るつもりがなかったこと

が挙げられる。

 

一つ目の影響は、現代におけるウィキリークスであったり、パナマ文書の影響を考えればわかるだろう。

ボルシェヴィキが暴露したのは、前のロシア帝国を乗っ取ったものとして正当性を示すために前帝国を徹底的におとしめるのは常套手段である。

 

二つ目と三つ目は関連していて、結局イギリスが協定よりも多くの管理下を得ていた。

 

実際には第一次世界大戦後、オスマントルコと諸外国(戦勝国)との条約であるセーヴル条約により、現在のトルコ国内もろともいくつも諸外国に割譲される事態になってしまう。

この時期、アメリカのウィルソン大統領による民族自決が声高に語られるようになり、

各地でナショナリズムが勃発する。

オスマントルコ国内、とりわけ現トルコ内におけるナショナリズムも高まり、

オスマントルコが崩壊し、代わって現トルコ共和国が設立される。

当然ながら自国が割譲されるなど認められないトルコは強烈に反対し、

その後ローザンヌ条約が結ばれる。

これが現在のトルコ共和国の国境をほぼほぼ決定する。

 

これに伴い、トルコ国内に存在するクルド人たちは様々な国に分散するわけで、(トルコ、シリア、イラクなど)

これが現在のシリア内戦やイラクvsISISの現状にも関わってくる。

アメリカはシリア内戦で反体制派についているクルド人たちは応援している。

しかし、NATOの一員であるトルコ国内で反乱勢力であるクルド人たちはトルコではテロ組織として認定されており、アメリカもそれを認めている。

実際にはトルコ国内のクルド人グループPKKと、

シリアのクルド人グループPYD、YPGは連携しているので

アメリカはしょうがないとはいえ矛盾を抱えている。

 

たしかに現在の中東の国境の線引きの遠因はサイクス=ピコ協定にあるのは間違いないが、そのままかというとそうではない。

そもそもオスマントルコ国内としても様々な民族が様々な場所で暮らしていたことから、

民族自決のナショナリズムが勃発すればどちらにせよ内戦が行った可能性はあるだろう。

 

問題はこれからどうすればよいかだが、

日本ならいざ知らず、陸続きの大きな領域において1民族1国家を形成するのは至難の業だ。

かりにクルド人の国を作ろうと思ったら、その地域にいる他の民族はどこかに移動させなければならない。

それができないと新たな民族紛争や虐殺が行われてしまうかも知れない。

また、それを強制的に行うのも血を見るだろう。

 

正直、きれいな解決策はおそらくない

というより、こういう場所では歴史的な背景から1民族1国家という理念をどこかで妥協するしかないのだろう。

つくづく日本は地理的に恵まれていたといえる。(隣国がかなりやかましいとはいえ)

 

 

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陸上自衛隊の特殊部隊の初代群長が著者

 

著者の武士道に対する想い、というか哲学が述べられている。

現代にこのような武士がいるのか、という驚きでいっぱいだった。

 

ところどころ著者の自衛隊における体験がまたすさまじくてそれが面白い。

たとえば、飛行機で飛んで100mの高さから飛び降りたとき(パラシュート付けて)の体験は驚いた。

イギリスでその体験をしたとき、まだイギリスでも誰もそれをやったことがなく、荒谷さんがやるのを見た後、彼らも試みるか決めるといったそうだ。(実際荒谷さんが行ったのを見て、イギリスの落下傘部隊のエリートたちはやるのをやめたそうです)

 

現在は明治神宮の武道場、至誠館の館長を勤めていらっしゃいます。

 

 

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この本は、イラクが現在の国家になる過程、特に第一次世界大戦の少し前から1920年代までを描いている。

アラビアのロレンスと同時代を生きた同じイギリス人で女性のガートルード・ベルを主人公にしている。

著者は現在雑誌FACTAの編集長

 

正直、この本はわかりにくかった。

同時期に読んだ池内恵の「サイクス=ピコ協定 百年の呪縛」の方がわかりやすい。

 

 

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