こんにちは。原良郎です。
今回は「荒くれKNIGHT」を紹介したいと思います。1995年から『ヤングキング』に連載された作品で、2007年から続編的位置づけの「荒くれKNIGHT 黒い残響 完結編」が『ヤングチャンピオン』で連載されました。作者はヤンキー漫画の金字塔「湘南爆走族」で有名な吉田聡先生で、「荒くれKNIGHT」も「湘南爆走族」に匹敵するヤンキー漫画の傑作です。1997~8年にOVAとして2巻ほどアニメ化され、映画やオリジナルビデオとして実写化もされました。
暴走族「輪蛇」の3代目リーダー・善波七五十を中心とした群像劇で、少年期特有のヒリヒリした痛みを描いた青春モノとしても読めると思います。「走り」や喧嘩のシーンは文句なしに迫力があり、登場人物の感情表現も巧みなため、一度読み始めると作品世界から抜け出せず没頭してしまうでしょう。
善波七五十は作中ではカリスマ的存在なので、俺としてはもう1人の主人公とも言える春間勇樹に感情移入して読みました。彼が物語当初は輪蛇の下っぱであったにも関わらず、次第に仲間から信頼を集めていくストーリーには胸が熱くなりました。
キャラクター多数で、時間軸も過去・現在・未来が交錯しているため読み進めるのに結構頭を使うかもしれませんが、読了後はその疲労感も心地良くなってくる作品です。