Facebookで、私のFriend(たしかフィリピン人だった)がShareしていたこれ。

 

Children interrupt BBC News interview - BBC News

https://www.youtube.com/watch?v=Mh4f9AYRCZY

 

とても面白いと思ったので、私もShareをして自分のTimelineに入れた。

 

私は日本人弁理士として米国に住みながらビジネスをしているので、日本とのテレコンファレンスではこちらが自宅になることが多い。そして、現在6歳の娘と3歳の双子の息子がいる身なので、上のビデオに登場する大学教授のケースに相当する場面には何度か遭遇している。

 

子供には悪気がないし、正確な状況把握能力がまだ備わっていないのだから、叱るに叱れない。でも、日本に居るビジネス相手の手前、叱る(ふりをする)…みたいな、なんともバツの悪い瞬間がそこに出現する。

 

私としては、この大学教授の困惑ぶりに大いなる親近感を持ったのだ。だから、FacebookShareをして自分のTimelineに入れた。

 

 

後に、日本に住む日本人のFriendから「この動画、日本でも大人気です!」とのコメントが入った。また、まったく別のルートで、別の日本人のFriendがこの動画に関する以下のブログを引用していた。

 

母親をベビーシッターと勘違い多発!「BBC子ども乱入動画」で浮かびあがった先入観と差別の距離

渡辺由佳里 2017316

https://cakes.mu/posts/15665

 

それで初めて、私が「お手伝いさん」だと思っていた女性が、インタビューを受けている教授の奥さんだと知った。

 

同時に、それって「差別なんですか?」と大いに疑問を持ったのである。

 

 

調べてみると、類似の記事は他にもあるようだ。

 

BBCの取材中に子供が……なぜアジア人女性を乳母だと大勢が思い込んだのか

BBCニュース 2017313

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39251963

 

 

もう一度BBCのインタビューを観てみたけれども、「事実は小説より奇なり」を地でいく出来栄えの映像だと思う。最後に登場するのはお手伝いさん(乳母、世話係等)と考えるのが普通だとしか思えない。

 

このインタビューの映像は映画の1シーンっぽい。背景は、ちょっとレトロでいかにも“大学教授の部屋”っぽい。教授本人も、ちょっとレトロな大学教授の雰囲気だ。話題は北朝鮮に関する極めて硬派の内容で、教授の表情も硬い。

 

このようなお膳立てがなされた後、部屋の奥の方にあるドアがスーっと開き、小さな女の子が軽くダンスをしながら入ってくる。その女の子に気づいた教授は、制止するようなそぶりをしながらも、カメラ目線を維持しまじめに話し続ける。インタビュワーも女の子がいないかの如くに硬派のインタビューを続ける。続いて、歩行器に乗った赤ちゃんがギコチなく入ってくる。

 

そして「乳母」(実際は、母親)が滑り込むようにしてコミカルに登場。大慌てで二人の子供を部屋から出すが、その際、歩行器が退出を邪魔する。そして、最後に這うように「乳母」が再度出てきてドアを閉める。

 

これは、ディズニー製作のコメディー映画の一場面である、と言われた方が私は信じるだろう。すべて、面白おかしく演出するために計算されつくされているように見えるから。そう思うと、画面内のドアの位置も映画として計算されつくされているかのようだ。そして、「乳母」役の役者さんは“助演女優賞”をとってもおかしくないくらいの名演技だ。

 

 

上のBBCニュースには、以下のようにある。

 >このことに気付いた人たちの間で、その思い込みは何が原因なのか、人種や性別、異人種間の結婚に関するステレオタイプと偏見が原因ではないのかなど、議論につながった。

 >キムさんが子供たちの母親ではなく世話係だと一部の人が思い込んだ背景には、アジア人女性に役割に対する人種偏見が根ざしていると、大勢が指摘した。

 

確かに、そういう理屈のつけ方もできるけれども…あれは、「乳母」役の名演技ですよ。あれを観て乳母や世話係やお手伝いさんだと思ったら人種差別主義者になる、というような理屈を吹聴している方がおかしいと思う。

 

 

先入観(偏見)を持つのがよくないということだけれども、先入観(偏見)の無い認識は不可能なので、それを否定するのは思考を停止せよと言っているのに等しい。

 

グーグルの人工知能(AI)が「猫」という概念を認識することができるようになったということが以前、大きなニュースになった(たとえば、http://www.sankei.com/column/news/160314/clm1603140003-n1.html 産経ニュース 2016.3.14)。

 

1000万枚の猫の画像から、「猫」とは一般にこういう形のものだという抽象的な概念でコンピュータが「猫」をとらえられるようになった。この認識は猫というものに対する形状上の「先入観」を作る。逆に言うと、この先入観が概念としての「猫」なのだ。これを否定するなら、一般的概念としての「猫」を認識するプロセスを否定することになる。

 

もちろん仮定に過ぎないが、グーグルの人工知能に「乳母」が働く映像を大量に見せて、ディープラーニングにより「乳母」という概念を認識できるようにした後、その人工知能に今回のBBCのインタビュー映像を見せたなら、どうなるか?間違いなく、あの女性は「乳母」だと判断するだろう。

 

それをもって、グーグルの人工知能は人種差別をしているなどと言う者はいるまい。人間でも、同じことだ。

 

 

 

(追記:グーグルの人工知能が映像だけでなく音声も認識し、しかも韓国語が理解できれば、あの女性を母親だと正しく認識することになりそうだ。あのインタビュー映像の中で、子供が「お母さん」と言って女性に話しかけているそうなので。)

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