バンコクの鉄道建設に見る都市の未来像 | タイのヨシダ不動産 コンドミニアム販売

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ヨシダホールディングスグループ(ヨシダ不動産、小林株式会社)によるタイのコンドミニアム投資に関するブログ

はじめまして。ヨシダバンコク不動産販売のクボタです。

このたびこのブログで文章を書かせていただくことになりました。宜しくお願いします。
普段やっている仕事はヨシダホールディングスグループ(ヨシダ不動産+小林株式会社)の広報業務全般で、WEBサイトのアップデートやメンテナンス、そのほか紙媒体の広告作成などに従事しています。現在進めている不動産売買用サイトは今月下旬のリリースに向け、ただいま大詰めの作業に入っています。
今回と次回の2回、弊社代表の吉田やセールス担当のGENとは異なる視点から、タイでの不動産投資について書いてみたいと思います。とはいえ、まだまだ勉強中ですのでそんな大それた論をぶつことはできませんが、ご海容いただければ幸甚です。


数ヶ月前のこと。東京大学の大学院修士課程で都市工学を学ぶ学生さんが弊社を訪ねてきて、バンコクの不動産市場について質問を受ける機会がありました。最初にバンコクのスクムビット地区の日本人駐在員とその家族が多く暮らす「日本人居住区」についての質問がありました。
私は、BTSアソーク駅からエカマイ駅までの間のスクムビット通り沿い、またはソイの中にアパートレジデンスが多く存在し、このエリア内には日本料理の店や日系のスーパーマーケットなど暮らしに便利なお店が多くあるとか、最近はエカマイよりも東側のプラカノンやオンヌットなどにも生活する日本人が増えつつある、と説明しました。すると、どうも学生さんが求めていた解答とはベクトルが微妙に違っていたようで、そこから議論が始まり、話しているうちに私自身でも気づいていなかったことを再発見しました。

その学生さんは、BTSスカイトレインの駅周辺を「商業地区」、駅から離れた商業地区の外郭部を「住宅街」、というようなイメージで、一駅ごとを単位としてスクムビット地区を認識していたようでした。たとえばプロンポン駅は、駅に直結し高級デパートのエンポリアムとエムクアティアという大商業施設があり、隣接して日本料理レストランや小売店舗など並ぶソイ24、ソイ26、ソイ39、日系スーパーのフジスーパーのあるソイ33/1などがあり、駅から離れソイを入っていくとアパートレジデンスの建ち並ぶ街区になっているのですね、と。

私はそれについて少し違和感をもちました。確かにそういう風に認識することは可能ですが、と前置きした上で、BTSスカイトレインの成り立ちから説明しました。「BTSの開通は1999年でそれ以前からスクムビット通りの中にはソイが形成され、その中に商業地区と住宅地区は混在していました。エンポリアムの開業は1997年なので、つまりスカイトレインの開業以前に街がすでにあったので、日本のように鉄道駅を中心にして駅のまわりに街が発展したというわけではないのです」と。

日本は鉄道網が発達しているので、大都市圏の都市空間のあり方としてはおおむね鉄道会社が敷設した鉄道駅を中心にして、駅のそばに商業地区があり、その遠方には区画された住宅街があるというイメージが浮かび勝ちだと思います。それゆえその駅を中心にした「街」については、中心と周縁の位置関係が存在します。しかしバンコクは都市がほとんど形を成した後に都市鉄道を敷設しているので、駅と駅のあいだに街の境界のようなものはないのです。これはバンコクの都市構造を考える上で、重要なキーポイントになるのではないかと思います。つまり、日本の住宅物件の「○○駅下車徒歩○○分」という説明よりも、ソイ単位で「ソイXX入り徒歩○○分、ないし△△メートル」という表記のほうが物件を説明をするのに有効な表現になるということ。また、駐在員の方はBTSトレインを利用しないで自動車で通勤される方も多いので、駅を中心にした空間認識の仕方はさほど重要ではないという考えもあります。

とはいえ、バンコクでは地下鉄や高架鉄道の計画が全体のまだ20%ほどしか完成していず、工事中の路線、計画中の路線を含め、これからバンコク都の多くのエリアが鉄道路線で結ばれることが予定されています。これらの路線が全線開通すると、鉄道の輸送力は現在と較べ驚異的に増強することが期待されます。今後、スクムビット地区、シーロム地区以外にも日本人のお客様が住居用、または投資用としてコンドミニアム物件を検討される時代が来ることは、夢ではなくかなり現実的になってきたと思うのです。




http://www.mappery.com/map-of/Bangkok-Rail-Transit-Network-Map