気管切開
気管切開して13年経った。
切開したばかりの頃は予想外のアレルギー反応が起き、窒息して向こうの世界を覗いたりするなど危険な事態を招いてしまった。
1年以上息苦しさは解ける事がなく、大変どころの騒ぎではなかったが…自分のその決断に間違えは無かったと思っている。
気管切開したことで安定して命をつなげることになり、活動範囲を保つことが出来たのだから。
「生きることを選んで」という番組を見た。
この番組は、ALSの元テレビ記者の方が同じ病気の人を訪ねて、生きる価値を考えるという内容のもの。
主にテーマとなっていたのは「気管切開をして命を永らえるのか」or「気管切開をせずに尊厳死を選ぶのか」だった。
ALSを患っている人の中には、気管切開を拒む人が少なくないのだろうか。
番組内でもそういう人が紹介されていた。
病状の悪化を恐れてということなのだが、家族の負担なども頭にあるのだと思う。
気管切開してしまうと、どこの病院も施設も受け入れてくれなくなるそうなのだ。
解せない事態が定着している。
筋ジストロフィーとALSは似ているようで違うものだ。
ALSの方が進行が早く重篤だということはあるが、最も違うのはその終末だと言えるだろう。
ALSの終末は意識ははっきりしているにも関わらず、目を開けることも反応を示すことも出来なくなるという。
筋ジストロフィーの場合は、最期まで意思表示が可能だ。
そのために、意見を書いていいものなかは分からない。
しかし、敢えて言わせてもらえるのならば…自分は迷うことなく気管切開を選ぶ。
良い事も悪い事も、楽しい事も辛い事も生きているからこそ感じられる。
死んでしまったら何も無くなってしまうのだから。
例えそれを迷惑だとされたとしても、自分は生きていく。
心がある限り生きていきたい。






