昼酒をゆっくりと静かに… | 横浜本気トークブルース

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地元横浜をこよなく愛する
浜っ子によるブログです。
新旧横浜の情報を独自の視点から
発信していきます。
また、気になる話題を
随時フューチャーしていきます。

前回からの続き…

昼酒を飲みに「市民酒場」へ…


二ツ谷ガードを抜け滝野川沿いを歩き

土橋に辿り着くと同時に

先ほど買っておいた缶ビールのプルトップを引き抜く

「プシュッ」という音と共に細かな泡が飲み口から溢れ

慌てて口を近づけ、ビールを一口呷った…


もう10月も過ぎたというのに

半袖Tシャツにハーフパンツという格好で

少し汗ばむくらいの天気


歯止め(回復傾向にある)がかかったと伝えていたが…

地球温暖化は確実に進んでいるのだろう…

あと半世紀もしないうちに日本列島近海の生態系は

相当の変化があるに違いない…

橋に佇み川面を見ながら

そんなことを考えていたら

地元のオヤジ衆の一人であるN氏に声を掛けられた


「なんだ、珍しい顔じゃないか…久しぶりだね

今から“みのかん”かい?」

「ええ…まぁ」

少し曖昧な返事をしてしまったのが

気に入らなかったのか

少し怪訝な表情で再び同じ質問をされたので

今度ははっきりと

「この後、行こうと思っていますよ」

と返事をすると…

今度は笑みを浮かべながら

「そうか~俺も最近ご無沙汰しているからなぁ
 オヤジによろしく言っておいてくんな
 これからも、贔屓にしてやってくれや」

と言い残し、左足を重そうに引きずって

店のある方とは反対側に歩いて行った


そう、その“みのかん”こそが「市民酒場」である


みのかん看板


「市民酒場」
ご存知だろうか???

この「市民酒場」については
横浜や酒にまつわるブログを書いてる
多くの方々がお書きになっているので
参考までにさわりだけ書き記して
おくことにしよう


「市民酒場」というのがあるのは、神奈川県だけで
他、都道府県にはないらしい…

話は古くまで逆上り、第二次世界大戦
戦時下に大衆酒場を整理統合するために
行政(神奈川県)が音頭をとって市民酒場が誕生したという
お酒の配給が困難だった戦後にという説もある…

ある文献で調べてみると
当時、三級酒を売る大衆酒場で
一日平均売上げは問屋からの配給により
一升二・三合(2.162.34リットル)程度の
売上げでは商売にならないために
闇値での横流しや
自家消費をするというのが
当たり前に横行していたという
そこで、行政は市民酒場という構想を立て
大衆酒場を整理統合したのであった

さらに

①一つの市民酒場は3店舗を1組にした3店舗での共同経営とする
②市内200店を上限とし
 1日の来客を100人として、一人一合を販売していたらしい
③売上げ量によって13部で分類され

1部の店には、一経営者当りに3升
2
部は、4升
3
部は、100本 と配給される量が決まっていたらしい

などと記されている
3店舗が共同経営することより

酒の横流しや闇売りができないように
自主規制させる狙いがあったと考えられる。
実はもともと酒屋だった店がほとんどで
多くが戦後酒場に転換したという。


市民酒場は最盛期には200店あった
しかし、現在でも営業している中では
この話に出てくる“みのかん”


みのかん店・看板


京急新子安にある“諸星”


子安


横浜市西区の岩亀通りにある“常盤木”が有名である


常盤木



常盤木メニュー


西谷の“ニューボンボン”を市民酒場と書いている
ブロガーの方もいるが…小生の辞書にはその名はない
(悪気はありませんので…あしからず)

野毛や伊勢佐木町近辺には沢山の店が
在ったが…もう潰れてしまったり
また代替わり、名替わりして残っているらしい…

横浜の酒飲み達のある意味で聖地化されている
武蔵屋(三杯屋)も市民酒場の一つだったらしい…
*武蔵屋については…またの機会に


詳しいことは、調べるにこしたことはないのだが…
はげまるさんの「はげまるのぶら~り日記」に
ある程度、詳細が記されていたので
よかったらご覧になってみてください。
お酒や横浜に興味のある方には
面白いし、ためになるブログですよ!

http://blog.goo.ne.jp/hagemarupika/e/d41242831766e15920d6a43a5e9c6120

この場を借りて、はげまるさん
いつも詳しいお話勉強になります!
ありがとうございます。



材木屋を通り過ぎ…

いつものように自転車が2台

店の前に置いてある

“みのかん”の前に立つ

まだ、陽は高く店脇の路地に

陽光が差し込む

紺色の暖簾をくぐり引き戸を開ける


みのかん玄関


「いらっしゃいまし」

とオヤジさんの声がかかる


店には奥のテーブル席に

一見サラリーマン風の中年男性が一人と


入り口近くのカウンター席に

リタイヤされたばかりかな?と思える

60代初めの男性が一人座って

静かにグラスを傾けていた…


「ハイボールダブルだよね?」

と声を掛けられ

「あっ!はい」
と返事を返した

「覚えていてくれたのですね」
と小生

「そりゃ、覚えていますよ…ははは」
とオヤジさん


ゆっくりと過ぎ去った時間が戻ってくるようだった…


この店に来るといつもそうだ…

店内の趣がそうさせるのかノスタルジックになる…

しかも、店に来ている客は一様に寡黙なのである

特に昼飲みの面々では大きな声で話すことは

タブーとされるらしい…


皆、各々の時間をこの場を借りて酒を傾けながら

ゆっくりと静かに過ごしているようだった…

小生もそれに習って許されるまで自分の時間を

ゆっくりと過ごすことにしょう…


それでは… ごきげんよう また次の機会に…




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