2005年01月30日

【小説】ユービック

テーマ:Book Review


著者: フィリップ・K・ディック, 浅倉 久志
タイトル: ユービック


 ドラえもんの最終回で、全てはのび太の夢だった。しかものび太は植物人間だった。というよく出来た偽話があるけど、本作をMotifにしたのかもね?

 SFの定番プロットの1つと言ってもいい「今いる世界は夢か現実か、どっちだ?」モノである。

 The Matrixと違って、夢と現実?の通信手段はマッチ箱の広告であったり、テレビCMであったり、トイレの壁であったり、交通違反切符の注釈であったりする。
 このあたりは本作をもMotifにしていると思われるThe Matrixは流石に現代モノ、携帯電話。

The MatrixでNOKIAのスライド式電話をシャキン!とやるのが格好良くて、当時はNOKIA携帯がほしくなったのを覚えている。日本でも最近やっと携帯電話ギミックにバリエーションが出てきましたね。

 結構サスペンスな風味も加わっているところもある。
 始めは周囲の時間が逆行していく状況に困惑しつつ、主人公が「これはもしかして?」と疑い出してからの展開は謎解き要素が多く一気に読める。

 始まって直ぐに魔性の女的なサブキャラが出てきて、物語全般を通じて意味深な行動をとるのも謎めいた雰囲気を引っ張っている。

 キャラとしては他にも、序盤で集められた「反予知者」たちなどは磨けば光りそうなキャラ達だと思うのであるが、残念ながら物語りの中ではそれ程深く掘り下げられることなく消えていく。
 この設定とキャラ達でもう1本くらい物語作れそうな気がする。

 最後はベタな終わり方。途中で予想できちゃうだけに、逆にそれが王道というべきものか?


BGM->Snoop Doggy Dogg"Doggystyle"1993
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2005年01月23日

【新書】情報文明の日本モデル

テーマ:Book Review


著者: 坂村 健
タイトル: 情報文明の日本モデル―TRONが拓く次世代IT戦略

 坂村教授と言えばTRON、TRONと言えば坂村教授…最近はユビキタスにエネルギー充填120%!?
 ちょっとした待ち時間に読める本はないかな、という軽い動機で衝動買いしてしまった本。
 若干TRONのアピールが多すぎかな…確かに文字コードの話などは重要だけど、そんなに何度も何度もTRONって言わなくてもねえ…

 マスコミ露出が多いせいか、わかり易く語るのが上手い。本書も、単に米国追従では駄目だ、とか、日本独自の戦略としてはブロードバンド化よりもモバイル強化が必要だ、とか、ITにあまり明るくない人は特に「なるほど」と思うだろう。

 圧巻は日本人と欧米人の遺伝子上の違い(日本人=個人プレーは弱く団体行動向き、欧米人=個人プレー得意)の話。ほんとかよ、と言いたくなるがイキオイで納得させられてしまう。

 何はともあれビジョンを示している本である(見方を変えるとTRONアピールのために取り巻く状況と今後を解説した本かも?)。
 従って具体化は我々がしていかねばならない。そういう読み方をすれば、1日で読み終わるし元気が出るので、それはそれで良いと思う。
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2005年01月22日

六本木

テーマ:街歩き
 どうも書いていて、自分が書きやすいものは読書と街歩きだな、と思いブログタイトルを変更。やっぱタイトルでどんなコンセプトかが判るほうが良いな、という反省もあり。

 仕事の合間にちょっとした待ち時間が出来たので(こじつけて作った時間、要はサボリ?)六本木ヒルズの森美術館「アーキラボ:建築・都市・アートの新たな実験展1950-2005」に行った。

 六本木ヒルズって何だか迷路みたいな作りである。森美術館の入り口が展望台の近くであることを発見するのに10分強、更に展望台の入り口を見つけるのに10分強かかってしまった。

 探検して発見する喜びはあるにせよもうちょっと歩きやすいといいのですが…そういうコンセプトなんですかね。

 アーキラボは興味深かった。建築やアートのことは全く判らないけど、こういうのに触れていると何だか自分の創造力もアップした気になってくる。
 お台場あたりに本物を建築したら良いのにね!何とかセンターとかハコ物を作ってどうせ無駄遣いしてしまうならば、こういうアートをどんどん取り入れて、とことん無駄遣いしてしまったほうが気持ち良いし、文化の発展に寄与しそうな気がする。
 それが、物質的に豊かになってやることがなくなってしまった我々のひとつの有り様ではないか。

 でも維持費とか考えると無難な形にならざるを得ないんでしょうね…悲しいかなそれが現実か。

 展望台にHONDA ASIMOがいます。お茶目!可能性を感じさせますね。
 HONDA頑張れ。一株主、一技術者の端くれとして応援しています。
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2005年01月03日

【小説】レディ・ジョーカー

テーマ:Book Review


著者: 高村 薫

タイトル: レディ・ジョーカー〈上〉





著者: 高村 薫

タイトル: レディ・ジョーカー〈下〉



 いやあ、長かった。

 上下巻とも400ページ超でしかも上下2段組!

 その割には12月26日から読み始めて1月2日に読了。理由は本書が原作の同名映画を見ようと思い立ったが「原作を読んでいないと分からない」という意見があったので。



 本「は」面白かった。登場人物が沢山出てくるのだがそれぞれがそれなりによく描かれていて微妙に絡み合い、この国の縮図が本の中に構築されている感じがした。

 ストーリはと言えば、何だか、どこもかしこもちょっとつつけば金、暴力、ゆすりたかり、というような、物悲しい、救いようのない展開で、この国の実際および今後を暗示しているようでちょっと寒い。先日自分自身で「こんどは内容薄くても元気が出る本で」と言い放った割には真っ黒な本を選択してしまった…

 文体は正直読みづらい。が、とりあげているテーマにばっちりあっていて、物凄くどす黒い気分に浸れたという点では、名文であり名作なのだろう。





 で、映画は…やっぱり、駄目だった。



 多くの人が評しているように、2時間の尺では無理だったのかも知れない。ちゃんと撮ってくれるなら、12回のドラマとかにしたほうが良い気がする(関係ないけど、米国のTVドラマは映画的で見ごたえあるものが多いが、日本のドラマが軽薄に見えるのはやっぱりセンスと能力の差なんだろうか?)



 物井がどういう経緯で犯行を思い立ったか、そこが深くて重要なのだけど、物凄く説明チックな軽薄さで登場人物をざーっと紹介して、いきなり犯行シーンへ…それじゃ小説読んでない人は分かんないし、小説読んでいる人でも、おいおいいきなりそこからかよ、となってしまう。

 更に混乱するのが、犯行シーンまで中途半端に設定や人物の紹介を引っ張っておきながら、途中でそこに至る経緯へ回想っぽく戻った挙句に長く続くため、多分話の前後関係が全く分からない人が続出したのではないか?



 このように導入部分が駄目なので、途中は頑張っていたところもあったんだが、全般的に「原作を均等に間引いてまじめに映像化しました」という凡作になってしまっている。





 原作は大雑把に言って



・権力者や大企業に翻弄され、搾取される弱者的立場の人達が、強者を陥れ、社会を翻弄し、未曾有の犯罪を企てて実行しまんまと金をせしめた後にそれぞれの生き様を清算していく人間ドラマ



・レディ・ジョーカー事件をきっかけに頭をもたげる、日本の社会や企業に巣食う闇社会との複雑怪奇な絡み合い、そしてその闇社会に立ち向かうが何重もの壁や深い落とし穴に阻まれ、憤る警察や新聞の現場、そして事件の推移とともに徐々に明らかになっていく巨大経済疑獄とその結末



 という2点が大きなテーマであると思うのだが、どちらも中途半端にしか描けていない。削れるシーンは沢山あると思う。例えば現金授受の車移動シーンは、それぞれの刑事の表情をいちいち順番に映さずに6分割にすれば時間も削れるし追跡中の臨場感も出ていい、とか。



 もう1つ決定的なのが、東邦新聞関係および総会屋絡みの疑獄関係が完全に削除されてしまっていること。そこまで割り切ったなら、前述のようにもう少し頑張って、せめて秦野家の崩壊をもっと丁寧に描くとか、レディ・ジョーカーの命名の由来とか、ちゃんと映像にしてくれよ!





 他にも、私見かつどうでもいいような事も含まれるが、意見/注文多数。

 (ネタバレあり)



・映画タイトルコール。自分的には定規で書いた「レディ・ジョーカー」であってほしかった。定規で書いた字(手紙)は物語全般においてビジュアル的キーイメージの1つでしょう?どーん!とか仰々しく出てくる割には普通のフォントなんだもんな…



・冒頭は、やっぱり物井清二の手紙を全部紹介すべき。何で会社クビになったかはセリフでさらっと説明するんでなくて、もっと重たくすり込むべきだし、以降物語中でも亡霊のようにつきまとう重要事項であるはず。途中途中の手紙に触れるシーンでついでに中身も小出しにして伝えようとしたっぽいが、かえって混乱を招いている



・合田役、トレンディドラマ(言い方が古いのはすみません)のサブキャラっぽくてイメージに合っていない。微妙に浮いている(映画の中でも「浮いてんだよ!」とか言われてたな…)



・会社役員(たしか一徳さん)、「この件は保秘だ」とか言っていたような…保秘って警察用語だろう?



・現金輸送の運転手、多分犯人からの電話に対して「了解」と言っていた…偽装バレバレだ。お前は刑事だ間ぁ違いない!(まあ現金授受自体がなんちゃってなので犯人側としてもいいのかも知れないけど)



・この映画は上下2部作にすべきだった(KillBillのように。興業的に無理?或いは製作側の許可が出ない?)



・またはいっそのこと、警察サイドで1本、新聞社サイドで1本、同じ物語を2つの視点から描きつつ、かつ警察サイドでは組織の硬直と葛藤、新聞社サイドでは日本の闇経済をテーマに、2本の映画を作ったらよかったのでは。警察サイドはレディ・ジョーカー「呪縛」、新聞社サイドはレディ・ジョーカー「腐食」なんてのはどうか?

(金融腐食列島のパクりみたいなタイトルだが)



・全盛期の市川昆監督が撮っていたら…どういう映画になっていたかな?
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2005年01月01日

池袋

テーマ:街歩き
 元旦の池袋を買い物がてら散歩。
 池袋は私鉄2路線、地下鉄3路線が乗り入れる大ターミナル駅である割には、どこか垢抜けない雰囲気が残っている。
 都庁&高層ビル群で絵的にも副都心らしい新宿や、小さくて特徴的な店が多く道も入り組んでいて、キッチュなアジアンテイストと流行発信基地の雰囲気をかもし出している渋谷に比べると、何となく特徴に乏しいが、主に東京北西部および埼玉方面からのポータルとして人だけは沢山入ってくる街、それが池袋である。
 出来た時は高さ日本一その他で結構話題だったサンシャインも元々は巣鴨プリズンという拘置所(刑務所?)だったせいか?何となく色あせた感じがするのは気のせいだろうか?(サンシャインというネーミングが新聞折り込み広告のマンション名っぽくてダサいからかも)

 そんな池袋も「池袋ウエストゲートパーク」でかなり世間の認知度はあがった。実際の池袋は立教大を始め沢山学校があったり、東京芸術劇場があったりと、文教の街としての側面もあるのだが、そんなの知るか!どうでもいいじゃん、と言わんばかりの、クール&ポップ炸裂系ドラマである。
 だいたいウエストゲートパークって呼ぶところがセンスいいね。普通に言うと池袋西口公園、なんだけど。渋谷でなくて池袋ってところも、日常とドラマの境界線として絶妙な舞台設定である気がする。あんまり非日常的でも感情移入しづらいしねえ。
 当時はドラマに感化されて危ない人達が集まってきたりしないかと心配したものである。それはそれで懐かしい。




タイトル: 池袋ウエストゲートパークBOX(限定盤)
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