夫のちんぽが入らない

テーマ:

『夫のちんぽが入らない』こだま

 

※若干ネタバレになっております。
しかし「犯人は主人公のお兄さん」みたいにずばり言うわよ的なバラシはありませんので、ご安心を。

 

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タイトルのまんまの物語である。
それが原因で妻は苦悩する。

 

「夫のちんぽが入らない」

 

しかし、苦悩はそれだけじゃ無い。
毒母の存在や、担任を受け持つクラスの学級崩壊。
そしてそれに伴う辞職に病と言った、次々と襲いかかる不幸に主人公は嘆く。

 

「夫のちんぽが入らない」

 

まるですべての災いの源がそれであるかのように、もしくはそれが免罪符であるかのように彼女は唱える。

 

「夫のちんぽが入らない」

 

ここまでくるともはやそれは彼女にとってのアイデンティティではないのか?

 

「夫のちんぽが入らない」

 

入っても地獄、入らなくても地獄。そんな結婚生活を送る彼女ではあるが、露とも共感もしなかったし(当たり前か)、同情も感じなかった。
なんの感慨もないまま、この物語は終わってしまうのだろうか…。

そう思った矢先、物語の流れが一転、
妻は子供を産む決心をし、程なくして夫がパニック障害を発症。その治療のため妻は奔走する。

 

妻にちんぽが入らないまま結婚を決めた夫。
妻に隠れてこっそり風俗に通う夫。
妻が仕事に忙殺され、家事をしなくても文句を言わない夫。
妻が教職を辞める時も何も言わずにそれを受け入れる夫。

 

夫はほとんど空気のような、ただ「夫」と言う記号だけの存在でしかなかった。
夫婦の物語であるはずなのに、夫不在のままどんどん進められていくストーリー。面白いはずがない。
だけど後半になってようやく夫に血が通いだしたのだ。

 

体が充たされないと心まで充たされなくなる。
ただし愛情さえあれば、時間が心の飢えや渇きを埋めてくれるものだ。それは決して諦めではない。

 

正直この作品はタイトル勝ちである。おそらく私もこのタイトルでなかったら読んでなかった。(キッパリ)
でも本が売れて読まれるきっかけになるのなら、表紙勝ちであろうが、帯勝ちであろうが、作家のキャラ勝ちでもいいと思う。
それとは逆にどんなに評価が低い作品でも、ほとんどの人の食指の動かないタイトルであっても
読んで自分が面白ければ読んだもん勝ちである。

 

なんか主人公だけでなく私も「ちんぽ」って言いたいだけな感じのレビューになっておりますが、(それは誤解)読んでくれてありがとう。

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