事例:被相続人甲が作成した公正証書遺言で、乙が遺言執行者として指定されており、遺言書の内容としては、不動産を丙に遺贈するという内容である。

 乙は、成年被後見人であり、成年後見人としてAが選任されている。

 

 甲:被相続人・乙に不動産を遺贈する旨の公正証書遺言有り

 乙:成年被後見人、遺言執行者

 丙:受遺者 

 A:乙の成年後見人 

 

問:上記の遺贈の登記を、成年後見人Aが、登記義務者(遺言執行者)乙の代理人として申請できるか?

 

答:できない。

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 遺言執行者の欠格事由としては、未成年と破産者のみであり、成年被後見人は入っていません。そのため、理屈上は、成年被後見人が遺言執行者に就任することも可能です。

 

 一方で、遺言執行の各場面においては、遺言執行者の印鑑証明書が必要になります。しかし、成年被後見人は印鑑登録をすることができません。

 

 では、成年被後見人が遺言執行者として業務を行う場合、成年後見人がその代理人として業務を行うことができるのでしょうか。

 

 仮に、成年後見人が成年被後見人を代理して業務を行うことができるのであれば、成年後見人の印鑑証明書を使い、諸々の手続きを取ることができます。

 

 先日、成年後見人が、遺言執行者たる成年被後見人の代理人として登記を申請することの可否について某法務局本局へ照会をかけたところ、以下のような回答でした。

 

・成年被後見人が自ら遺言執行者の職務を行うことが可能な状態であるならば、義務者として成年被後見人自身が申請人となって申請を行う。

・自らが遺言執行者として職務を行うことができない状態であれば、家庭裁判所で遺言執行者の解任または辞任の手続きをして、遺言執行者を新たに選任した後に、新たな遺言執行者を義務者として申請を行うべきであると考えます。

 

 成年後見人が、遺言執行者たる成年被後見人を代理することはできないという趣旨のようです。

 「職務を行うことが可能な状態であるならば」とありますが、そのようなことは通常ないと思いますし、仮に職務を行えるとしても、成年被後見人の印鑑証明書を取得することはできないため、登記に必要な書類が足りません。このような場合、実質的には新たに遺言執行者の選任を申し立てるしかなさそうです。

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東京23区の戸籍の改製日について調べてみました。

また、改製原戸籍の附票が保管されているのかについても確認してみました。

いずれも役所に電話で聞いたものですので、ご参考程度に


※日付は改製日

※○△×は原戸籍の附票の保管について。

 ○は保管、△は保管しているものもある、×は廃棄

千代田区  平成12年3月4日 ×


中央区    平成17年7月 ×


港区      平成16年7月  ×


新宿区    平成7年4月1日 ×


文京区    平成20年10月4日 △


台東区    平成7年3月13日 ○


墨田区    平成20年9月13日 △


江東区    平成11年11月20日 ×


品川区    平成15年11月  ×


目黒区    平成19年6月30日 ○


大田区    平成10年10月 △


世田谷区  平成17年7月  ○


渋谷区    平成14年12月28日 △


中野区    平成8年1月1日 △


杉並区    平成20年11月23日 ○


豊島区    平成7年3月13日 ×


北区      平成19年11月3日 △


荒川区    平成20年2月16日 ×


板橋区    平成16年10月30日 ×


練馬区    平成13年1月1日 △


足立区    平成8年5月3日 △


葛飾区    平成16年10月30日 ×


江戸川区 平成14年7月6日 ○



こう見ると廃棄しているところが多いですね。

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遺産分割に際しては、相続人に代わり、成年後見人や不在者財産管理人が、協議に参加することがあります。相続人が成年被後見人である場合や、不在者である場合などですね。


当然ですが、遺産分割協議書には、当事者が実印で捺印し、印鑑証明書を添付します。


では、成年後見人や不在者財産管理人が司法書士や弁護士である場合に、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書は司法書士会や弁護士会発行の職印証明でも良いのでしょうか。


登記義務者として添付する印鑑証明書については、個人のものである必要があります。(不動産登記令16条)


一方で一方で、遺産分割協議書に添付すべき印鑑証明については、特に規定がありません。(添付の根拠については、昭和39年4月23日民甲742号)

そのため、司法書士会等が発行したものでも良いという解釈も成り立ちそうですが。。。


某法務局に聞いてみたところ、官公庁発行のものでないからダメ、とのことでした。

※ 司法書士会や弁護士会は官公庁ではありません。


たしかに、職印証明でもOKとしてしまうと、官公庁以外が発行した証明書をどこまで有効なものとして扱うかという問題が生じます。

そのため、何の根拠もなく良いとすることはできないでしょう。


ちなみに、法務局の担当の方は「検討するまでもない」という感じでした。

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