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2007年04月25日

ストレス対策 12 男性と女性のストレス解消法(その2)

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ストレス対策 12 男性と女性のストレス解消法(その2)


 そこで彼女たちに自分たちがとっているストレス対策方法について聞いてみると、以外にも単純な答えが返ってきました。それは「おしゃべりをする」「運動をする」「あれこれ考えすぎない」というものです。また彼女らは独自の工夫として、対人関係上のトラブルを回避するために一定期間ごとに「部屋(コンテナ)換え」を行うという方法をとっていました。


 GHQ-30の結果はイラク復興支援という特殊環境下で受けた様々なストレスにより、心身の状態が変化した内容とその度合いと考えることが出来ます。しかし、これらの変化はあくまで心身のストレス変化であり、必ずしも治療を必要とするものではありません。ストレスを受ければ必ず心身には変化が生じるものです。問題はこの変化にどう対処するかが重要なのです。この結果から見る限り、面談した女性自衛官達はうまいストレス対処をしていたと言えるでしょう。


 以上述べてきたことから「女性のほうが男性に比べてストレスに強い」などと断言する気は毛頭ありません。しかし、ストレスに対処する手段については日ごろの臨床からも男性と女性で違いがあるように感じていました。


 最近ある興味深い研究結果を目にしました。その研究によると、ストレス解消法について自由記述で回答を求めたところ、性別で有意差が見られた(p<.05)というのです。解消方法として、男性では「運動」(50.0%)が最も多く、次いで「趣味・活動」(27.8%)、「嗜好」(27.8%)が挙げられ、これに対して女性は、「休養・休息・寝る」(43.4%)、「友人との交流」(43.4%)、「相談する」(12.1%)が多いという結果が出ています。そして、考察として、男性は個人的な領域での解消法を好み、女性は対人的な関わりの中での解消法を好むという性差を指摘しているのです。つまり、男性型ストレス解消法は個人的解決方法で、女性型では周囲からのサポート型ということになります。この見解には私も同感です。


 このストレス解消法はあくまで、健康な時点においての予防・解消方法です。しかし、うつ病や治療すべきストレス障害に陥った場合は、明らかに女性型ストレス解消法のほうが有効だと思います。実際、うつ病は男性に比べ女性の罹患率が2倍近く高いにもかかわらず自殺率は遙かに低いことが知られています。この原因として女性は悩みを男性に比べて口にしやすい傾向があり、自殺手段も男性が致死性の高い手段を取ることに対して、女性は躊躇いが強いからだというのが通説です。うつ病やストレス障害において、男性型ストレス解消法をとると、その障害のために個人解決が出来ないからです。うつ病などの治療にサポートが重要であることは以前にも述べましたが、男性の場合はその特性として、「人に弱みを見せたくない」「自分のことは自分で解決する」といった発想に偏りがちなため、サポートを得ることが下手なのだと思われます。


 男性のストレス解消方と女性の解消法のどちらが優れているかを判断することは困難です。おそらく対処すべきストレス毎に、その背景や状況、性質、強さ、持続時間等により違いがあると考えられるからです。男性型ストレス解消法と女性型ストレス解消法にはそれぞれメリットとデメリットがあると考えます。ストレスの種類によってうまく使い分けることが出来れば最高です。

2007年04月24日

ストレス対策 12 男性と女性のストレス解消法(その1)

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ストレス対策 12 男性と女性のストレス解消法(その1


 男性と女性でストレスに対する反応に違いがあるのかでしょうか。性差をつかさどる最も大きな要因は性ステロイドホルモンの影響でしょう。思春期に男児は血中にテストステロンを放出し、女児はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが産生されます。動物実験の研究で「ストレスに対してオス動物で強い影響が見られ,メスではそれほど強い影響がない」などの研究報告もあります。ストレスと性差に関してはその他にもたくさんの研究がありますが、社会的ストレスに対する感受性の違いもこの性ステロイドの違いから説明されていることが多いようです。


 ストレスによる心身の反応は近年の研究で確実に生物学的な問題であることが明らかにされつつあります。この点から考えてみると確かにストレス反応そのものにも性差があってもおかしくありません。よく考えてみれば、出産は大変なストレスだと想像します。しかし、1年経つと女性はまた出産します。男性である私自身が考えるに、こんな事は男性にはおそらく耐えられない心身の負担だと思います。少なくともある特定のストレッサーに対する反応の程度、心身の回復力の早さにおいては、女性の方が男性に優っている気がしてなりません。


 しかし、ここで男性と女性はどちらがストレスに強いのか、その特徴はどうなのかを述べてもあまり皆様の参考にはならないと思います。そこで今回はイラク復興支援活動に従事した女性自衛官たちと現地で面談した結果から私が個人的に受けた印象を述べてみたいと思います。


 サマーワには各次隊(任務期間は3ヶ月間)約10名の女性自衛官が派遣されていました。大半は20代の若い女性です。皆様のご想像どおり、サマーワは決して居心地の良い所ではありません。特に初期の段階では女性自衛官は入浴施設がシャワーのみであるとか、トイレも限られた個数しか設置されていないなどの問題もありました。また、多くの男性隊員との共同生活を行うわけですから、当然様々な不満が噴出するだろう事が予想されたのです。しかし、実際に面談してみると生活環境(宿泊施設、衛生関連施設、厚生施設等)に関する不満はほとんどきかれず、問題となっていることの多くは、女性自衛官同士の対人関係、男性隊員との関わり方などの対人関係上の問題や、危険回避のために任務の行動制限を受けたことに対する残念感などです。


 現地では心理テストのひとつであるGHQ-30(general hearth questionnaire)を隊員全員に実施しています。その結果だけを見ると女性自衛官は身体症状、睡眠障害、不安と気分変調の項目において全体平均を大きく上回り、ハイリスク者率も2倍近い結果となっているのです。


 しかし、面談をしてみて治療を必要とする女性自衛官は一人としていませんでした。なにより驚いたのは彼女達の表情が実に明るかったことです。皆それなりのやりがいを持って任務に励んでいるという印象が持たれました。

2007年04月22日

ストレス対策 11 けんかの仲裁(その4)

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ストレス対策 11 けんかの仲裁(その4)



 太郎と一郎の喧嘩は喧嘩をして二人の仲が悪くなったという事実と、その後二人には怒りの感情と後悔の念が入り混じった不全感が残ることになります。しかし先生のような良き仲介者がいると二人は再び以前のように楽しく遊ぶことが出来るでしょう。この仲裁にはある流れがあります。その流れとは次のようなものです。


① 事実の確認をすること
② その時にどのようなことを考えていたのか
③ その時どのような感情や、気持ちになったのか
④ 今思い返すとどうするのがいいのか


 仲裁人の役割は指示をすることではありません。もし先生が「お前たちは何をやっているんだ。喧嘩なんかしたら駄目じゃないか。お互いに謝って仲直りをしろ。」と言ったら二人は本当にもとの仲の良い友達に戻ることが出来るでしょうか。仲裁では両者に相手と自分の気持ちを気づかせてやることが大切なのです。


 集団心理療法の一つにデブリーフィングという技法があります。デブリーフィングは兵士が受けた戦闘ストレスに対する初期対応に米軍で用いられているものです。このデブリーフィングは阪神淡路大震災後の被災民に対しても一部実施されたと聞いています。悲惨な出来事によって引き起こされた激しい怒りや悲しみ、戸惑いなどの感情のために混乱した状態を、初期の段階で情報の共有化をはかることにより、その出来事を再認識することが目的です。具体的には数名程度の小集団に対してデブリーファーという指導者のもとで、次のような6ステップが実施されます。


 1.導入:参加意思確認、趣旨説明、自己紹介
 2.事実確認:正確な事実情報の共有と事実に対する考え方
 3.反応:怒りの対処、一般的には45min~1h
 4.兆候と症状:心理、認知、感情、行動面における変化の認識
 5.教育:その事故の特異性に合わせて家族への対応、ストレス反応の対処、悲しみの対応等を教育(具体的に)
 6.再導入:雰囲気の正常化の確認と終了宣言


 どうですか?喧嘩の仲裁とよく似ていると思いませんか。


 現代社会のストレスのうち対人関係上のストレスは非常に大きなウエイトを占めていると思います。職場の上司と部下の関係、夫婦関係、親子関係、異性関係、友人関係、こうした人間関係において、私たちは心の中で喧嘩の仲裁のようなストレス対策を採っているのではないでしょうか。

2007年04月21日

ストレス対策 11 けんかの仲裁(その3)

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ストレス対策 11 けんかの仲裁(その3)


 太郎と一郎の関係を修復するにはどうしたらよいのでしょうか。本来二人はとても中の良い友達です。ちょっとした行き違いで大切な友人を失ってしまうことはとても残念なことです。昔小学校で喧嘩をすると先生が仲裁に入ってくれたことを思い出します。例えばこんな具合です。


先生 「一郎、太郎ちょっと職員室まで来い」
    「いったい何があったんだ。先生に経過を話してみろ」
太郎 「新しいゲームを買ってもらったので、一郎と一緒に遊びたくて誘ったのに、『お前はどうせ自慢したかっただけだろう』と言われ、その後に一郎から殴られました」
一郎 「ゲームがしたくて太郎の家に行ったのに、太郎は自分ばかりやって僕には遊ばせてくれませんでした。太郎は  『悔しかったらお前も買ってもらえばいい』と言った上に父親の悪口まで言われました」


先生 「そうか、ところで一郎、お前はどうして『悔しかったらお前も買ってもらえばいい』なんて言ったんだ」
一郎 「だって、太郎が『お前はどうせ自慢したかっただけだろう』なんて言うから悔しくて、腹が立ってつい口にしてしまいました」
先生 「太郎、お前はなぜ一郎のお父さんの悪口まで言ったんだ?それはお前の本心か?」
太郎 「いいえ、『少しくらい親が金持ちだからといっていい気になるなよ』と言われてムカッとして言ってしまいました」


先生 「太郎、一郎に悪口を言ってすっきりしたか?」
太郎 「いいえ、一郎のお父さんのことまで言ったのは言いすぎだと思います。喧嘩の後はずっとモヤモヤしたいやな気分が続いています」
先生 「一郎、太郎を殴ってどんな気分がした」
一郎 「そのときは悔しくてつい殴ってしまいましたが、家に帰ってから申し訳ないと後悔しました」


先生 「太郎、一郎に何か言いたいことはあるか」
太郎 「一郎、ついゲームに夢中になってしまってお前の気持ちを考えられなかった。それから、お父さんの悪口を言ってごめん。」
先生 「一郎はどうだ」
一郎 「僕こそ殴ってごめん。本当はずっと誤りたかったんだけれどなんだか恥ずかしいと言うか、もう太郎に嫌われていると思って言えなかった」

2007年04月20日

ストレス対策 11 けんかの仲裁(その2)

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ストレス対策 11 けんかの仲裁(その2)

 

 小学校6年生になる太郎と一郎は家が隣同士であったこともあり幼いころからいつも連れ添って遊ぶ中の良い友達でした。太郎は裕福な家庭に育ち、勉強がとても出来ました。しかしクラスでも一番背丈が低く、運動は苦手です。一方の一郎は、勉強は苦手ですが腕っ節が強くひょうきんな性格からクラスでも人気者です。ところがある日一寸したことから喧嘩になったのです。ことの経緯はこうです。


 新しいゲームソフトを買ってもらった太郎は、早速一郎を自宅に呼びました。一郎も喜んで、すぐさま太郎の家に駆けつけました。しかし、ゲームを始めること太郎は自分ひとりでゲームを独占し、いくら一郎が「俺にもやらせろよ」といっても「もう少しだから」と言ってかわろうとしません。怒った一郎は「もういいよ。お前はどうせ自慢したかっただけだろう。少しくらい親が金持ちだからといっていい気になるなよ」と文句を言いました。すると、太郎はこう反論しました。」「その言い方はないだろう。せっかく誘ってやったのに。少しくらい待てないのか。悔しかったらお前も買ってもらえばいいじゃないか。どうせおまえのとこの親父の給料じゃ望めないけど」当然のことながら、自分のことはさておき父親のことまでけなされた一浪は我慢できずに太郎の顔面を殴ってしまいました。


 このことがあって二人の仲は最悪です。お互いに相手のことを考えると腹が立って仕方ありません。太郎としてはせっかく親切心で一郎に声をかけたつもりなのですが、「自慢したかっただけ」と急所を疲れ更に一方的に殴られてしまったのです。一郎としてはゲームをしてみたくて喜んで駆けつけたのにさせてもらえないばかりか、親の悪口まで言われ我慢なりません。二人は学校で顔をあわせると喧嘩のことが思い起こされ、腹立たしい感情がわきあがります。しかし、家に帰って部屋で一人でいると、妙に悲しい気持ちがするのです。


 喧嘩とはこうしたものです。一寸した行き違いや言葉尻に怒り感情が発生すると、その怒りの感情に任せて相手にとって触れてほしくない部分に土足で侵入してしまうことになります。ここにはコミュニケーションの形態はありません。まったく相手に対する気配りがかけた状態だからです。「売り言葉に買い言葉」という格言がありますが、まさにそのパターンです。また、太郎と一郎のように喧嘩の後も怒りや悲しみなどの感情が交錯してその感情をうまくコントロールできなくなることもあるでしょう。

2007年04月19日

ストレス対策 11 けんかの仲裁(その1)

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ストレス対策 11 けんかの仲裁(その1

 

 強いストレスが加わると恐怖、不安、怒りなどの様々な思考や感情が沸きあがります。PTSD(post traumatic stress disorder)は心理的に強い衝撃ある体験をした後、長期間にわたり心身のバランスが乱れた状態が持続するという病態です。PTSDは一時的なストレスにより引き起こされる病気ですが、最近は慢性的なストレスの傷害も注目されています。これらストレスによる障害は、自分が抱いている思考や感情がコントロールできず、一人歩きしているために生じる場合があります。


 社員Aの場合を考えてみましょう。彼は3ヶ月前に異動になり、商品の企画開発関連の業務についていますが、彼の上司は口うるさく厳しいことで知られている人物で、毎日のようにその上司から強い圧力を受けてきました。その上司の機嫌の悪いときは決まって気の弱い社員Aは呼びつけられます。そして、一方的に「お前は本当に役に立たない奴だ。もういいから部屋の片付けでもしておけ」などと罵られることがしばしばあるのです。社員Aは慣れない仕事で確かに周りの社員と比べると仕事のペースが遅いため、上司に対して反論することもなく、その都度顔は真っ赤になり、頭の中は真っ白になっています。こうした状態が長く続き、社員Aは「自分は本当に役立たずで、駄目な人間だ」と考えるようになりました。自信をなくし将来を悲観する一方、慢性的な疲労を感じるようになり、家に帰っても理由なくイライラして夜も眠れない日が続くのです。


 読者の皆さんの中には「そんな理不尽な上司の叱責で『自分が駄目な人間だ』と考えることはおかしいのでは」とお考えの方もいると思います。しかしこうした心理的影響はしばしばあります。例えばセクハラにあっている女性が「自分のほうが過敏になっているだけなのでは」と考えてしまい、セクハラ行為に長く苦悩することもあります。


 この社員Aの場合、ストレスの原因は上司からの叱責による恐怖感と反発感情としての怒り、仕事がはかどらない焦りや苛立ち、今後どのように対処してよいかわからない不安などが入り乱れていることにあるのですが、彼の判断としては「自分の能力のなさ」が原因と判断しています。このケースでは、問題点の実情、自分の行動と思考、感情を冷静に客観的に分析することがストレス対策上有効な手段となります。


 私たちの日常生活の中で、このような激しい感情が生じる出来事の一つに喧嘩があります。喧嘩はまさにお互いの感情のぶつけ合いで、喧嘩をするとその二人の間には気まずい空気が流れます。また、仲直り出来ないと更に、マイナス感情が遷延することになります。しかし、二人の間に適切な仲裁者がいると案外けろりとその仲は修復するものです。喧嘩はほんの些細なきっかけから発展する場合が大半だからです。


 次回は太郎と一郎の喧嘩の場合を考えて見ましょう。

2007年04月18日

ストレス対策 10 リズムのある生活(その2)

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ストレス対策 10 リズムのある生活(その2)


 一方、病気によって生活リズムが大きく乱れることがあります。このリズムの乱れは精神的にも身体的にも一層疲労をもたらすことになります。うつ病やストレス障害では一日の日内リズムが乱れて、起床時間が遅れたり、寝つきが悪くなったりします。仕事ははかどらず帰宅時間も遅れがちになります。計画していたことや家事などが手につかなくなり、一日のタイムスケジュールが立ちません。


 うつ病やストレス障害の治療の過程である程度の症状改善が認められたとき、規則的な生活を送ることは非常に重要なことです。これは、生活にリズムをつけることになるからです。もともとうつ病は絶対的時間と体内時間がずれる病気だとも言われていますので、一日の生活に規則性を持たせることはその治療に有効なのです。しかし、そのような患者さんがきちんとしたタイムスケジュールを立て、それを実行することは決して容易ではないでしょう。


 そこでひとつ大切なポイントをお話しましょう。一日のタイムスケジュールを立てようとするとき、一般的には朝の起床時間から一日の時間の流れにそって立ててゆくことが一般的だと思います。しかしこのスケジュールはなかなか守れないのです。何故なら、うつ病などでは朝のリズムが一番取りにくいからです。せっかく「7時に起床」と計画しても初日から起きることが出来ないため、その日のスケジュールはすべてうまくいきません。そこで、就寝時間をまず取り決めて、時間の流れと逆にスケジュールを立てることをお勧めします。そうすると大半の人は正午くらいまでのスケジュールは無理なくこなすことが出来ます。自分で少し頑張って始めてみようということは体調に合わせて午後に計画しましょう。一番実行困難な午前中のスケジュールはもう少しリズムが回復してからで良いのです。


 今述べたことはあくまで一般的なケースの場合を想定していますが、うつ病やストレス障害の回復期において生活にリズムが出ると多くの患者さんは「回復している」という自覚が持てるものです。

2007年04月17日

ストレス対策 10 リズムのある生活(その1)

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ストレス対策 10 リズムのある生活(その1

 

 リズムのある生活は健康にも良いとよく言われています。一日のリズム、一週間のリズムがきちんと保てていると疲労防止になるからです。連日のように何が起こるかわからず、不測の事態に備えなくてはならない状況は常に緊張感を保持しなくてはならないため精神的なテンションのバランスが悪くなります。日によって勤務時間に大きな開きのある状況は睡眠と覚醒のバランスが乱れることになります。本来は休めるはずの週末も仕事に追われている人は、仕事と休みのバランスが崩れたリズムのない生活を送っていることに他なりません。リズムのある生活とは一定の期間の取るべき行動がある程度予測でき、睡眠と覚醒、仕事と休みのバランスが保たれた生活と言えるでしょう。


 私自身このリズムの大切さは身を持って体験しました。以前防衛庁に勤務していたころ約3年間臨床を離れて行政的な業務に従事したことがあります。当時の勤務時間は朝7時過ぎに家を出て帰宅は遅い日は深夜を回る状況です。また突然の出張が年間100日前後とほとんどタイムスケジュールを立てられない状況でした。昼食はほとんどラーメンばかり食し、帰宅後に夕食をとっていました。すると体重は増えるわ、血圧は上がるわ、挙句の果てに尿糖まで出てしまったのです。当時の私は今から思うと結構いらいらして家族からも敬遠されていたように思います。


 この悲惨な3年間を終えた私はこれではまずいとあることを決意したのです。それは、毎朝5時半から約1時間のジョギングです。朝から走ると疲れてしまうのではとお考えの方も多いと思いますがこれが意外と逆で、私にとってはすこぶる体調が良くなったのです。ランニング中、音楽を聴いたり、色々なことを考えたりしています。体力がついたことも大きな習得でしたが、何より一日のリズムが取れるようになったのです。笑われるかもしれませんがランニング後のストレッチと帰宅途上にコンビニによって62円の「ガリガリ君」を食すときがなんともリラックスできるのです。また、睡眠の時間帯もほぼ一定になりました。


 リズムのある生活のとり方は人によって様々だと思います。自分の仕事や生活環境、年齢、趣味などに合わせたリズムを模索してみては動でしょうか。

2007年02月21日

ストレス対策 9 時間の感覚(その2)

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ストレス対策 9 時間の感覚(その2)


 将来に対する時間感覚として長く感じる例を幾つか挙げてみます。「もういくつ寝るとお正月 お正月には凧上げて・・・」という歌がありますが、お正月を待ち焦がれ時間がなかなか進まないもどかしさを歌っているのでしょうか。「ブルー・マンディー」という言葉はよく聞かれていると思いますが、疲れたサラリーマンにとっては迎えるべき1週間が実に長いものに感じられる憂いをあらわしています。


 また、このことは「以前にも触れたことですが、以前私が自殺のアフターケアを実施していたころ「なぜもう少しの我慢が出来なかったのか」と痛感した事例が幾つもありました。例えば、こんなケースがあります。全く以前からした事もない職務に就けられたため、職務不適応を起こしてうつ状態となったケースです。そのケースでは職場の配慮で本人の望んでいた適所への配置換えが決まり、本人も安心した様子が伺われていました。しかし、その配置換えの僅か2週間前に仕事のきつさや、自分のふがいなさを遺書に残して亡くなったのです。彼にとっての2週間は耐えることの出来ないほど長いものに感じられたのでしょう。


 いくつか例を示しながら述べてきましたが、時間の長さに対する感覚は脳の働きやストレスと関連しているのではなかと考えています。このことを裏付けるように、ヒト視覚野における神経反応を脳磁計 (MEG) を用いて時間間隔を計測した研究者がいます。赤色光と青色光を同一時間流し、被験者にどちらが長く感じたかを答えてもらい、その時の脳の神経反応を記録したものです。結果は赤色光が長く感じられたそうです。しかも光の点滅、点灯時の脳の脳時間は同一なのに、長いと感じられた赤色光のほうにより強い脳反応が認められたという研究です。


 時間の長さに関する感覚は、医療機材を使って計測できるようなものではありません。あくまで主観的感覚であり、感情を伴うものです。そこには時間を迎える、あるいは過ごすことに対して不安、恐怖、戸惑い、困惑、苦痛、混乱などの負の感情が生起しているものと思われます。こうした視点から時間の感覚を考えてみると、この感覚は人間が生きていくための本能的防御反応とも捉えることが出来ます。安全で快楽の得られる状況では時間は物理的に流れ去りますが、危機的あるいは苦悩を伴う状況では脳が活発に反応し回避行動を促しているのではないでしょうか。


 脳という臓器は実に優秀です。現在流れている時間が普段より長く感じられたとき、あるいは明日、1週間が遠く感じられたとき、あなたの脳は体を労わるように信号を出しているのです。

2007年02月19日

ストレス対策 9 時間の感覚(その1)

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ストレス対策 9 時間の感覚(その1)


 人にとっての一生とはその人に与えられた時間であり、しばしばその長さはろうそくに喩えられるように、引き返すことが出来ない一方通行のベクトルを持った流れです。時間は1日24時間、1週間7日、1年365日とすべての人に均等に流れます。また、1時間の長さは3,600秒であり時間の流れるスピードは一定したものです。


 しかし、私たちが日常生活を送っていて、物理的には一定なはずの時間の流れが時と場合によって早くもなれば非常に長く感じることがあります。短く感じるときとは何かに集中している時、楽しいことをしている時などです。一方長く感じるときとは、上司から叱られているとき、痛みを我慢しているとき、期待しているものを待っているときなどが思いつきます。


 時間の感覚に関する研究や理論は諸説出ています。時間の感覚には過去を振り返って感じる感覚と、現在の感覚、これから迎える(将来の)感覚、更にもう一つ挙げるなら、イメージとしての感覚があると思います。「子供のころは時間がゆっくりと流れるが年をとると時間の経つのが早い」などというのは主として過去を振り返っての時間感覚だと思われます。こうした感覚は記憶の問題とも関連しているはずです。例えば5歳の孫と65歳のお祖父さんが将棋で遊んでいるとき子供のほうが時間感覚は長いのでしょうか。実験したわけではありませんがこれは疑問です。また、「都会の時間は早く過ぎて、田舎の時間はゆったりと流れる」などといわれていますが、本当でしょうか。私の母はかなりの田舎に住んでいますが、農作業をしたり、詩吟を楽しんだり、友人と談笑したりして結構時間の流れは早く感じているようです。これはイメージの問題だと思います。


 これから述べる時間の感覚とはあくまで現在流れている時間と、将来の時間感覚です。人の感情を快楽と苦悩に分けて時間との関連を考えてみると、快楽では時間感覚が短縮され、苦悩では延長するという傾向があるように思います。


 現在の時間の流れの変容感として知られているものにスローモーション現象というものがあります。交通事故で車に追突される直前のごく短時間の画像がまるでスローモーションのように流れるという現象です。極めて強い恐怖体験などで発生します。

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