オーロラを待ち続けて5日。降り続いた雪がようやくやみ、星空が広がった。暗闇に目をこらしていると、うっすらとオーロラが現れた。やがて小さく揺らめき始め、雲も透過するほどはっきりとした姿に変わった。気が付くと、天空全体が薄緑の神秘的なカーテンに包まれていた。

 ノルウェーのトロムソは、北極圏最大の町。オーロラ帯の中央に位置する、オーロラ観測に最適な場所としても知られる。温暖なメキシコ湾流の影響から、冬場でも平均気温はマイナス5度と暖かい。

 オーロラの発生には、太陽の黒点が密接に関係している。黒点が多い年は、オーロラが現れる回数も多くなる。オーロラの発生は11年周期になっており、今年が観測のベスト・イヤー。日本からもチャーター便が就航するほどで、トロムソは“オーロラハンター”たちでにぎわっていた。

 「どうでしたか? 見えました?」。ダイナミックに繰り広げられた“オーロラショー”の後、ホテルに戻るとトモコ・ハンセンさん(66)が熱いコーヒーで迎えてくれた。

 トモコさんは佐賀県唐津市の出身。ノルウェー人の夫と日本で知り合い40年前、トロムソに移り住んだ。ホテルのロビーにあるバーで、日本人観光客の相談相手を務める。気さくなトモコさんだが、オーロラツアーから戻った人たちに結果を聞くことはほとんどない。「見えれば自分で報告に来るし、何よりうれしそうな表情で分かります」

 地元の人たちにとってオーロラは、日常的な光景で興味の対象ではないという。それでも「ふと夜空を見上げたときに輝くオーロラは、何度見てもきれい」と、トモコさんは目を輝かせた。

 遅い春が訪れオーロラのシーズンが終わると、北極圏は白夜の季節を迎える。“夜空の主役”は、9月末までは太陽が務めることになる。(写真報道局 大山文兄)

 ■掲載写真お分けします

 掲載写真を実費でお分けします。問い合わせは、産経新聞社ビジュアルサービスTEL03・3275・8775(午前11時~午後7時)。ホームページはhttp://www.sankei-syashin.com/

【関連記事】
突然変異の「かわいい悪魔」 長野県辰野町・シダレグリ
愛媛県新居浜市・別子銅山 人気上昇「東洋のマチュピチュ」
長野県・美ケ原 零下に咲く「氷の花」
諏訪湖見下ろす朝焼けの富士 長野県塩尻市「高ボッチ高原」
黄葉と白銀 奇跡の“共演” 長野県富士見町「立場川橋梁」

3月の自殺者2898人=前年同月比7カ月連続減-警察(時事通信)
ネット選挙「その方向でいい」=小沢氏(時事通信)
食ってみた「1万円ラーメン」! ついに明かされたそのスープの秘密(産経新聞)
初代つばさラストラン 国内初の“ミニ新幹線”(産経新聞)
青海地震で緊急支援=政府(時事通信)
AD