2017年03月06日

セッション  2014年

テーマ:最近の映画・TV

「ラ・ラ・ランド」が評判だというので、まずつい先日TV放映された本作から視聴。

 

監督・脚本 デミアン・チャゼル

 

キャスト
アンドリュー・ニーマン     マイルズ・テラー
テレンス・フレッチャー     J・K・シモンズ
ジム・ニーマン             ポール・ライザー
ニコル                     メリッサ・ブノワ
ライアン・コノリー         オースティン・ストウェル
カール・タナー             ネイト・ラング
フランクおじさん           クリス・マルケイ
Mr.クラマー                デイモン・ガプトン
エマおばさん               スアンヌ・スポーク

 

 

 

 予告編

 

アメリカで最高と言われる、シェイファー音楽院で学ぶ19歳のアンドリュー・ニーマン。幼い頃からバディ・リッチのようなドラマーになるのが夢。

 

一人ドラムの練習をしているところへ、同学でも最高の指揮者と言われるテレンス・フレッチャーが、アンドリューに声を掛ける。かすかな希望を持つが、その場では特に感触なし。
父親のジムと一緒に映画を観に行くアンドリュー。

 

ある日、アンドリューが通う初等教室を訪れたフレッチャー。各パートに演奏させるが、みな僅かなフレーズでダメ出しを食らう。そして同様にアンドリューにもその機会が来た。結局ダメ出しは受けるが、帰る時に自分の率いるバンドに顔を出すよう指示される。
有頂天になったアンドリューは、映画館の受付をしていたニコルにデートを申し込む。

 

スタジオ・バンドの練習初日。フレッチャーの指示された時刻に遅刻したアンドリュー。そこにはもうフレッチャーは居ない。
練習開始時刻になり、何事もなかったように現れるフレッチャーは、有望な新人だとアンドリューを紹介。だが練習風景の異様さに驚くアンドリュー。僅かなミスも徹底的に直させる。あるパートで楽器の音程が狂っているのを指摘し、各個人を追い詰める中で、一人が目をつけられる。そこで自分が音程を外したと白状すると、即刻退室を命じられた。
実は音程を外していたのは別の者だったが、結局自分に自信がない者は居ても仕方がないということ。
優しくされていたアンドリューも洗礼を受ける。「Whiplash」のドラムパートで、何度やってもテンポが合っていないと責められる。限りなく浴びせられる罵倒。しまいには椅子も飛んで来た。

 

フレッチャーを見返そうと必死で練習を行うアンドリューだが、コア・ドラマーのタナーの楽譜めくりしかやらせてもらえない。ある日タナーに頼まれて楽譜を預かったアンドリューだが、ドリンクを飲んでいる隙に無くしてしまった。楽譜を無くしたらクビだとフレッチャーから常々言われていた。
その日はコンテストの当日であり、穴をあけるわけには行かない。タナーは楽譜がないと演奏出来なかった。曲は「Whiplash」。楽譜は暗譜しているので自分にやらせて欲しいと願い出るアンドリュー。フレッチャーはその申し出を受け入れた。その結果コンテストでは優勝。
それを受けてアンドリューはコア・ドラマーに昇格。

 

親戚での食事会に参加しているアンドリュー。従兄弟たちがスポーツの事で皆から褒められているのを聞いて、面白くない。

 

バンドに新たなドラマーとして入ったライアン。明らかに腕は劣るが、フレッチャーは露骨にライアンを褒める。フレッチャーに食ってかかるが相手にされない。ストイックに練習にのめり込むアンドリューは、練習の妨げになる、とニコルとの交際も止めると彼女に申し出る。


重要なコンテストに向けて練習を行う前に、フレッチャーはかつての教え子ショーン・ケイシーが交通事故で亡くなった事を話し、涙を流す。
だがそれも束の間、フレッチャーはタナー、ライアン、アンドリューの三人に極端なテンポでの演奏を要求。納得出来るまで続けると団員に宣言。三人は交替で演奏するが、全く及ばない。
演奏は数時間に及んだが、アンドリューだけが最後まで演奏をやり通した。

 

時間に余裕を持って集合せよと指示したフレッチャーだったが、コンテスト当日、アンドリューの乗ったバスがパンクで動けなくなった。レンタカーを借りて何とか到着したが、遅刻を認めないフレッチャーはタナーにやらせると言う。自分にしか出来ないと言い張るアンドリューだが、レンタカー会社にスティックを忘れて来た事を思い出す。あと11分で取って来て、全てを完璧に演奏出来なかったら退学だ、と言い放つフレッチャーを尻目に車を走らせる。
スティックを取り戻し、猛スピードで走るアンドリューの左方から巨大なトラック。横転した車の下から這い出し、会場に走るアンドリュー。
血だらけの体でドラムの前に座るアンドリュー。やむなく演奏を開始するフレッチャーだが、左手を痛めた状態ではまともな演奏は出来ず、結果は惨憺たるものだった。
フレッチャーが冷たく「お前は終わりだ」と言ってから、会場に対して謝罪を始めた時、彼に殴りかかるアンドリュー。

 

アンドリューは音楽院を退学になった。父親のジムが、亡くなったというフレッチャーの教え子ショーン・ケイシーの代理人の弁護士と接触。実はショーン・ケイシーは交通事故ではなく、自殺だったという。フレッチャーの指導を受けるようになってから鬱になった。
フレッチャーを辞めさせるため、体罰に関する証言を求められるアンドリュー。最初は断るものの、結局匿名での証言を行った。フレッチャーは音楽院を辞めさせられた。

 

数ケ月後の夏、アンドリューは偶然入ったジャズクラブでフレッチャーがピアノ奏者として出演しているのを見つける。

アンドリューに気付いたフレッチャーは、彼を誘って酒を飲む。フレッチャーなりのジャズに対する思い。チャーリー・パーカーにシンバルを投げ付けたジョー・ジョーンズの逸話。
そして、今は民間ジャスバンドの指揮をやっており、今度行われるJVCジャズ・フェスティバルに参加する事、そのバンドでのドラマーが十分でない事を話す。曲はシェイファー時代のスタンダードだと言う。
フレッチャーの素直さに感銘を受けたアンドリューは、その話を受ける。

 

そしてフェスティバル当日、フレッチャーは団員たちに、この演奏はチャンスであると共に、もし失敗すればスカウトマンたちの記憶に永遠に残るため、二度とやれなくなる、と警告。
ドラムの前に座って、緊張のあまり汗をかいた手を見るアンドリュー。そこへフレッチャーが来て「お前の証言だったと知っている」。一瞬で気持ちが切り替わるアンドリュー。
演奏が始まったが、アンドリューから渡された譜面「Whiplash」とは違う曲の「 Upswingin'」。回りの雰囲気に合わせて叩くも、まともには行かない。他のメンバーからの罵声に加え、フレッチャーからも。
結局演奏は途中で中止となり、アンドリューはトボトボと舞台ソデに下がる。そこには父親のジムが。息子がドラマーとして日の目を見る事が出来ると期待していた。

 

だが、父親とハグした後、アンドリューは再び舞台に戻り、ドラムの前に座った。それを無視して「次は静かな曲を・・・」とフレッチャーが言いかけた時、ドラムの強烈なビートが響き渡る。
戸惑う団員たちに「キャラバン!」と叫ぶ。ベースから始まり、次いでピアノ。その頃からフレッチャーの指も動き出し、管楽器も鳴り始めた。見事なハーモニーのビッグバンド。

途中のドラムソロのパートで、フレッチャーが指示を出そうとするのを遮り「俺が出す」。そして続くドラムソロ。
ただ、その途中からアンドリューとフレッチャーの視線が交差。シンバルの消え入りそうな打音から次第に盛り上げて行く。そしてメインテーマの演奏へと続く。


感想
「セッション」は元々観たかったが、地元の映画館ではかからなかったので、つい行きそびれていた。
音楽院に通う若きドラマーと教官との掛け合い。
アンドリューは、才能ある者が持つ特有の不遜さが良く出ていて好演。フレッチャーも理不尽な鬼教官として君臨する姿が良かった。

 

監督のデミアン・チャゼルが自ら脚本を書いたという。本人自身が高校時代にジャズバンドに所属した経験も盛り込まれているらしい。

若者が精進してポジションを勝ち取って行く姿と、それに立ちはだかる壁としての教官。観ていて気持ちよかったが、やはり突っ込みたくなるのは性分か・・・・

 

そもそもフレッチャーが心酔するチャーリー・パーカーは「ビバップ」で鳴らした人。その基本は「アドリブ」。
このクラスのビッグバンドを云々するのならグレン・ミラーとかトミー・ドーシーとかに目が向いていないと。

それから、アンドリューの証言のせいでクビになったからと言って、自分が任されているバンドのジャズフェスをご破算にしてまで復讐するなんて、フレッチャーはちょっと器が小さすぎる。

 

ただ最終の、あの嬉しそうなフレッチャーを観ていて、あれは全てフレッチャーの演出だったのかも知れない、とも思える。アンドリューは最初手のひらにびっしょり汗をかき、客席を見てビビっていた。
だがフレッチャーの言葉を聞き、全く知らない曲だと判ってからは、緊張どころの騒ぎではなくなった。
そしてあの舞台は、まさにアンドリューを輝かせるための最高の場所になってしまった。

その辺りはフレッチャーにあえて語らせず、微笑みだけで余韻を残した。

 

 ラスト9分23秒

Don Ellis Whiplash

Dave Holland Big Band - Upswing

Charly Antolini: CARAVAN

Caravan-Buddy Rich Drums

  

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2017年02月28日

火の鳥 復活編  単行本 ⑦ ⑧  作:手塚治虫

テーマ:本・国内

復活編(前編) 初出:「COM」 1970年10月号 ~ 1971年9月号

 

2482年のある日、少年が事故死。少年の名はレオナ・宮津。
レオナは再生手術により生き返った。主治医のニールセン博士。だがレオナが人間を見る時は、土くれの様にしか見えない。無機物はそのままに見える。

 

 

手術のやり直しが試されたが、結果は悪く、博士の姿は更にギザギザに見えた。
原因を、大部分取り替えた人工頭脳にあると考える博士。

 

自宅に戻ったレオナ。母親、家族の姿も声もまともには感じられない。
草木もまともには見えない。だが写真は普通に見える。ハンド・ビデオで撮った映像は普通に見えた。

ぼんやりと外を見ている時、土くれの人々の中に、まともに見える女性が居た。

 

 

慌ててその人を追いかけるレオナ。ようやく追いつき、誰だと聞くと「チヒロ61298号です」。ロボットの筈だが外見、肌ざわりとも人間としか思えない。
また会いたいというレオナに、仕事以外の対応は出来ない、と冷たいチヒロ。

 

チヒロと出会ってから一年。レオナはチヒロを使っている建設会社へ乗り込み、社長に売って欲しいと申し出るが、機密情報も持っているため不可能、と断られる。
会社の人間はチヒロ型の写真を見せると、そこには機械らしいロボットの姿。これじゃない!と写真を投げ捨てるレオナ。
社長がチヒロを呼び出していた。レオナには女性にしか見えない。社長は写真と同じだと言い捨てた。怒りに任せてつかみかかろうとするレオナは外につまみ出された。

ニールセン博士に苦情の電話を入れる建設会社の社長。博士は、手術のいきさつを話し、彼が人間でありながらロボットの心を持ってしまったと伝える。
その事を聞いたチヒロ。新しい感情が芽生えて来て、作業の能率が落ちるようになっていた。この事を大問題と感じる管理者。

 

あるアパートを訪れるレオナ。自分が事故を起こした場所の真向かいの部屋。一瞬体がしびれ、エアカーから放り出された。麻痺銃で撃たれたとの推理。
部屋を借りていたのはトワダという米国人の男。事故の日に部屋を解約していた。
家に戻ったレオナは一堂に集まった親族を紹介される。こんなに集まったのは相続問題から。弁護士の説明では、事故によりレオナは死亡として、戸籍上抹消された。
憤慨するレオナは、トワダを捕まえて真相を暴く、と言って家を出た。
チヒロを呼び出したレオナ。抱き合って愛を確かめる二人。

 

3030年。
作業ロボットのロビタが、突然高熱炉に投身自殺するという事件が突然起こった。その数3万6千余体。
月面でロビタを労働ロボットとして使っている男(月潟宇宙運輸株式会社)。ロビタの集団自殺騒ぎを聞いて、自殺なんかさせてやらない、とうそぶく。
女性ロボットのファーニィと戯れる月潟に、自分は人間だと言うロビタ。怒った月潟は、ロビタを電線で縛り上げ、高電圧をかけて「痛さを感じるか」と挑発。
ファーニィの要求でエネルギーの充填をするロビタ。ファーニィは月潟と外出するという。出先でファーニィと抱き合っている時、ファーニィのエネルギーが切れ、月潟は挟まれて身動きが取れなくなる。

地球の管理者に連絡を入れるロビタ。ボスを殺したと聞いて、信じられない管理者。人間だという事を確かめたかった。

地球での兄弟の集団自殺で、自分の意識の中に人間だという信念が生まれた。

 

2484年
トワダを捜しに来たレオナ。トワダはシャイアンのインディアンだという。家まで来た時、突然銃撃され左腕を飛ばされるレオナ。トワダだった。乗って来たエアカーの遠隔操作でトワダを押し潰す。
トワダの部屋に入り、痛みで気を失うレオナ。次に目覚めた時、部屋にあった光る鳥の羽根を傷口に近づけると、痛みが消えた。
更に部屋を捜すと、レオナが訪れる警告の電報と日記。レオナが事故に会う一ケ月前に書かれたもの。フェニックスを捜し続け、とうとう見つけてその血を2cc採取。フェニックスはその後再生して去った。
ばかばかしいと思ったが、あの羽根が証拠。
レオナは突然、ここに住んでいた事を思い出す。

レオナは、日記の主がやろうとしていたフェニックスの捕獲を自分もやるつもりで、羽根を使って仕掛けを作った。現れるフェニックス。
レーザー・ガンでそれを撃つと「あなたは何度私を襲えば気が済むのか」と脳に直接話しかける。覚えのないレオナ。レオナは、もう血はいらないから、自分が殺されたわけを教えてくれと頼む。
トワダはレオナの相棒だった。日記を書いたのも自分。血を抜き取り、羽根と一緒に持ち帰った時、トワダは怖気づいた。そして血を飲んだらレオナを憎むと迫った。
レオナが血を手に入れた事は、世界中のニュースになった。
フェニックスは言う。トワダはレオナの一族の誰かに、レオナを殺せと指示された。レオナが死んだので、血がまだ飲まれていない事が判り、それを手に入れるため親族が寄って来た。愕然とするレオナ。
こんな命ならいらない、というレオナに、あなたは何度死んでも科学の力で生き返らされる、と言って去って行くフェニックス。

 

目覚めたレオナ。近づくエアカーに気付く。乗っていたのはレオナの親族たち。全てを理解したレオナは、日記を盗み出して、そこに書いてある血のありかを掘り出させ、出て来た箱の中の、血の付いた布を燃やした。驚く親族。
永遠の命はもう、簡単に手に入る。問題は、なぜ生きるのかということ。

片腕はすぐに付けてあげると言うニールセン博士。だが死にたいと言うレオナ。
「僕はロボットになりたい」と言うレオナ。チヒロを愛している。機械と愛し合ってどうなる?という博士に「僕なりに方法があります」と返すレオナ。

単行本 第7巻 第一刷 1983年

 


復活編(後編) 初出:「COM」 1970年10月号~1971年9月号

3009年。
一日520人ものロビタが誕生。タイプとしては旧式だが、人間のように疲労を訴え、休養が必要なロビタは子守り役などには好適で、一定の需要があった。

 

 

一人っ子の行夫。忙しい母親と、時間外は働かない秘書。ロビタだけが話し相手。
チャンバラごっこを教えるロビタ。斬られたら死んだフリ。そこに駆け付ける父親は、ロビタが暴力をふるったと勘違いして怒鳴りまくる。

 

アイソトープ農園行きとなったロビタを捜す行夫。ここは放射能で危ないからと、帰るように言うロビタだが言うことを聞かない。そこへやって来た母親を模したロボットが、連れ帰る途中で故障し、行夫はそのまま放置される。

治療室に運び込まれた行夫。放射能で血液や組織が破壊され、ロボット化しか手がない。結局ロビタは亡くなり、父親は雇っていたロビタを捕まえろと言って、農場のロビタを全て連行。だが全員が犯行を否定。
行夫の過失死の可能性もある中、裁判は繰り返され、10年以上が経過。

 

そして3030年。農場のロビタ全員を有罪として溶解処分とする判決だ出された。被告として発言を求められたロビタは、一人でも死刑になれば、ロビタは一人残らず死ぬでしょうと言った。それは人々からの反感を買った。

処刑が行われた後、働いていたロビタが一斉に職場を放棄して一ヶ所に終結。何万台ものロビタが溶鉱炉の中に消えて行った。

 

2484年
チヒロに会いに工場へ行くレオナ。チヒロは長い間閉じ込められていた。会っているところを社長室に居た男に見つかる。勢いで相手を殴ってしまい、チヒロを乗せてエアカーで逃げるレオナ。
雪山に突っ込んで遭難してしまう二人。寒さに震えるレオナ。体のエンジンをオーバーヒートさせてレオナを温めるチヒロ。
怪しい連中に氷の中から救い出されるレオナ。女ボスが連れ帰るよう指示。
目覚めたレオナ。手当てした医師は失っていた左腕の代わりを取り付けていた。
女ボスに尋問されるレオナだが、チヒロを置き去りにされて抗議する。この者たちは、移民星相手に人体や人体パーツを密輸する事で食っている。宇宙では消耗がひどいため、いい商売になる。
いずれパーツにして送ると言われ、また閉じ込められるレオナ。

 

老医のドク・ウィークエンドが、レオナに興味を持ち、今までのいきさつを聞きに来る。
話し始めると、ドクはニールセン博士の事も知っていた。元はちゃんとした研究者。レオナを元に戻してやると言うが、余計なお世話だと言うレオナ。
女ボスに呼ばれるレオナ。殺されないのは彼女が止めているから。ドクからレオナの身の上を聞いて興味を持っていた。

そして、チヒロを回収してくれるという、だが治すとまでは言わない。
商売のためのプレアデス星行きをやめ、部下に任せる女ボス。
動かないチヒロを前にするレオナ。ドクにチヒロの修理を頼むが、ドクはそれとは別に、ボスが地上に残った事を話す。

ボスの体はもう宇宙の旅には耐えられなかった。ボスはお前が気に入ったのだと話すドク。
チヒロを連れて逃げ出そうとするレオナの前にボスが。行くなら一緒だと言うボスを撃ち、逃げようとするが、機体がバランスを崩して墜落する。

 

建物の研究室で目を覚ますレオナ。隣にはボスが眠っている。ドクが、これは最初から仕組んであったと言う。ボスの体は元々もう長くない。レオナと一緒の体にして、離れないようにしてくれとドクに頼んでいた。

 

 

観念したレオナは、体は要らないから、記憶を電子頭脳に移し、更にチヒロに移して欲しいと頼み、息絶える。
ドクの一生の願いをかけた手術が行われる。次いでレオナの脳から電子頭脳への記憶の移植。そしてチヒロへの移植。
電子頭脳の中で混じり合う二つの意識。

 

 

レオナとチヒロの意識を持ったロボットとして目覚めた者。不格好な体に不満を言うが、レオナの意識を組み込んだ電子頭脳の規模に見合う体が必要だった。体が不安定のため、足を使わず尻のローラーで動く様にドクがアドバイス。
隣の部屋に案内され、自分の体を見て驚くロボット。結局ボスの体はほとんどだめで、脳だけが彼女のもの。嘆くロボット。

部下たちがロケットで帰って来て、ボスが若造の体になっている事に驚く。だが部下たちはどうも気に入らない。手術の副作用に苦しむボス。苦し紛れにロボットを銃で撃ち、その騒ぎが部下たちにも広がって銃撃戦になる。
制御装置が破壊され、建物が大爆発して、みんな死んだ。その後、ロボットだけが起き上がる。

 

2917年
レオナとチヒロだったロボットは、その後ある家に拾われ、召使いとして仕えていた。
どこか人間くさい動作で、ロビタと呼ばれ、家族のように扱われた。
ロビタの回路に寿命が来た時、あるロボット業者がそれを引き取り、全く同じ仕様で複製を作った(記憶中枢も含め)。

ロビタは次第に数を増やし、ロビタは子供たちの友達として馴染んで行った。

 

3444年
惑星に降り立つ猿田博士。転がっていたロボットを再起動させる。ロボットはロビタと名乗り、今から300年前に人を殺し

たという。自分が人間である事を確かめたかった。そして自分の意思で動力を切ったという。
猿田は宇宙をさまよって生命の秘密を探している。意気投合する二人。

単行本 第8巻 第一刷 1983年

 


感想
「火の鳥」の中でも随所に出て来て印象の深いロボット「ロビタ」の誕生秘話が語られる。
レオナの、人工脳に替わったため、人間が異物に見えるというロジックが何とも微妙だが、まあマンガで見せられると不思議にナットクしてしまう。
同様に、チヒロだって数あるロボットの中の一体に過ぎない。なぜヒチロがまともに見える事だけが語られているのか(チヒロ以外のロボットは???)。ただ、そんなヤボな事は言うまい。

 

私たちが子供の頃から、アシモフの提唱する「ロボット三原則(人間に対する安全性、命令への服従、自己防衛」は有名だったが、これを打ち破るのが「人間らしさ」だという考え方で手塚氏が取り組んだのだろうか。

無数のロビタが「ドボ、ドボ」と溶鉱炉に落ちて行くシーンを最初に読んだのは、書店で「COM」を立ち読みした時だったろうか(中学生?)。旧い記憶と強烈に結び付いている「手塚マンガ」。

 

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2017年02月21日

火の鳥 鳳凰編  単行本⑤ ⑥  作:手塚治虫

テーマ:本・国内

鳳凰編(前編) 初出:「COM」(1969年8月号 ~ )

 

村で男の子が生まれる。父親は喜んで赤子を抱いて山神様へ知らせに行くが、途中崖から落ちて死ぬ。赤子は重症。
それから十年。その子は我王。片腕、隻眼。握り飯を賭けた力比べで勝つ。母親へそれを持って行くが、嫌がらせで泥水を掛けられる。執拗に相手を見つけて仕返し。そして村から逃げ出す。
人家に押し込み、子供を人質にして飯を食い、金を出せと脅迫。父親が人を呼びに行ったのを知り、子供を刺殺して逃げる。

 

山で焚火をしている大和の茜丸。永宝寺へ菩薩像を見に行くところだった。そこへやって来た我王。服を脱いでこちらによこせと脅迫。更に服を脱いだ茜丸の右腕を切りつける。

 

 

我王を追って来た、茜丸の妹だという女性。我王を咎めるが、逆に捕まり道連れにされる。
茜丸は、永宝寺に何とか辿り着き、住職に手当てをしてもらうも、腱が切れており、右手はもう使い物にならない。嘆く茜丸に住職が庭の彫刻を見せる。鹿やサル。見事な出来栄え。それは住職が水のしずくで作ったもの。最初のものは十二年かかった。
残った左手でやり直そうと考える茜丸。寺男として置いてくれるように頼む。親は死に、兄弟も、姉も妹も居ないと言った。

 

山を下りても我王は女を解放せず、無理やり女房にした。里で一家を皆殺しにして金を奪った。女を速魚(はやめ)と呼んだ。自分には生き続ける権利がある、とうそぶく我王。
道で老僧とすれ違う我王。老僧は「死相が出ている。鼻の病で、あと2~3年が命の分かれ目だ」と言う。

住職の元で百日の滝行を続けた茜丸。今までの思い上がりを反省する。住職は茜丸に惚れ込み、彫り物をする部屋を準備していた。勇んで彫り始める茜丸だったが、思うようには行かない。

 

我王は相変わらず強盗、殺人を繰り返していた。ある日奪った鏡を速魚にやるが、彼女の姿が鏡に写らないのに驚く。速魚は、男が写る鏡と女が写る鏡があると言ってごまかす。
しばらくして、鼻の不調に苦しみ始める我王。
ある日手下に、鼻へ薬を塗ってくれと頼むが、男はそれが毒だと言った。速魚がいつも買ってくれている薬。
怒り狂った我王は速魚を斬ろうとする。速魚は必死で否定するが、我王はとうとう斬ってしまう。こと切れる前に速魚は、自分がかつて我王に助けられた者だと言った。仏師とは関係なかった。本当は心のやさしい、いい人、と言って死んで行った。その足元に、動かなくなったてんとう虫が。

街をうろついていて捕らえられた我王。腑抜けのようになっていた。市中引き回しの上、大内裏に引き出された。そこにはかつて我王の寿命があと2~3年と言った僧がいた。
僧は我王を供に連れて行脚をするつもりだった。僧の名前は良弁(ろうべん)僧正。自分の事を悪いと思っていない我王を否定せず、輪廻についてを説く良弁。
我王は夢でうなされ、人間のままでいたい!と叫ぶ。

 

茜丸の名声を聞いて訪れた橘諸兄(たちばなのもろえ)。鳳凰を彫る依頼を持って来た。見た事もないものは彫れないという茜丸に三年で彫れとの命令。間に合わなければ打ち首。この依頼を断っても両腕を切り落とし両目をえぐられる。
鳳凰の情報を求めてあらゆる所を捜し回る茜丸。だがどこへ行っても判らない。
茜丸の業績に注目しているという住職が、古文書を見せてくれた。四百年前のクマソという国の記録。そこには火の鳥の詳しい記述があった。
筑紫国を目指して出発する茜丸。

 

ある日、茜丸はすれ違った男の顔に見覚えがあり、あわてて戻った。それは間違いなく我王。いきさつを聞く良弁。殺すなら殺せ、と居直る我王に、自分を守ることで精一杯だと言って無視し、良弁に鳳凰のうわさを聞いたらぜひ教えて欲しいと言い残して去って行く茜丸。

荷物を担いで倒れている男に食べ物を与えるよう指示する良弁。だが我王は、この男の積み荷は米でありペテンだと言って中の米をぶちまけた。良弁は、これが年貢米であり自分で食べることが出来ないものだと言って叱責。男は息絶えた。
世の中の理不尽に憤る我王は、くるい病にとりつかれたという村で、供養をしてくれと皆から言い寄られる。経も知らず、供養も出来ないという我王。
近くにあった木で、形ばかりの供養柱を作ると、村人は喜んでそれを拝んだ。
良弁はそれを見て見事だと言い、改めて気のむくままに好きなものを彫ってみよと、そばにある木を指さす。
猛然と彫り進める我王。出来た面からはうめき声が聞こえるようだった。
次いで粘土で像をどんどん作らせる。二時間足らずで百体以上。
良弁は、我王がこの像を作るために生まれて来たのだと説き、その腕で何万人も救うと言った。
他の人間を救うつもりなどない、と反発する我王。

 

火の鳥の情報を求めて一年を費やした茜丸だが、成果はない。
ある村で「石子詰め」の刑罰を受けている少女に出会う。年貢米を盗んで食っていた。いきがかり上それを引き取る茜丸。名はブチと言った。
火の鳥の居場所を知っていると言って沼に入らされ、森の中で焼け死にそうになったり、と散々な目に。しまいには自分が火の鳥だと言い出した。
小屋で食事の後、鳥になってやろうか、と裸になるブチ。だが茜丸は相手にしない。初めてそんな男に会って、ブチは泣き出す。

二年目も過ぎようとしていた。ブチは茜丸に連れ添っていた。
ブチに身の上を話す茜丸。ブチは逃げればいいと言うが、それは不可能。
殺される前に観音像を彫りたいと、ブチにモデルを頼む。
一心に彫る茜丸。そのうちにブチは自己催眠のためか硬直状態となってしまった。
茜丸が彫る姿を見て、見物人が増え、中には食べ物の差し入れをする者も出て来た。
そんな時、橘諸兄の部下が、あと十日で三年だと言って茜丸を引っ立てて行く。だが大嵐に見舞われ、役人は一日だけ観音像完成の猶予を与える。
それでようやく観音像を完成させたが、一緒について行こうとするブチを役人が殺してしまった。

 

橘諸兄の前に引き出された茜丸は、あと五十年必要だと言った。首を切られようとする時、以前鳳凰の事を訪ねた吉備真備が助けてくれた。
吉備は、茜丸の彫った観音像に惹かれ、それを手に入れたかった。鳳凰を一目見たいという茜丸。遣唐使に加えて欲しいという願いは無理だが、正倉院の御物の中にある鳳凰を見ることが出来るよう計らってくれた。
鳳凰像を見て感動する茜丸。

 

唐に向かう船に乗っている茜丸。時化の中で海に落ちる。目が覚めると自分が微生物になっており、その後はカメ。魚に食われ、その後カメとなって一生を過ごし、最後は捕まって首を切られる。次に鳥として生まれ、親に連れられて火の鳥の元へ連れて行かれる。私の姿を良く覚えておきなさいと言う火の鳥。

 

 

鳳凰の絵の前で目覚めた茜丸。夢に出て来た火の鳥をはっきりと記憶している。
吉備に鳳凰像の制作を申し出る茜丸。
単行本 第5巻 第一刷 1983年


鳳凰編(後編) 初出:「COM」( ~ 1970年9月号)

吉備真備の元で九割方鳳凰像を完成させた茜丸。だがこれにはまだ魂が入っていないという。
帝と接見する橘諸兄。帝が大仏を作り、我が国を仏教国家とする事業を吉備にやらせよう、という案に真っ向から反対した。
そこへ、茜丸の作った鳳凰像を献上に来た吉備。そして大仏の件を茜丸にやらせて欲しいと願い出る。

 

良弁と我王。我王が付き人になってから、三年が経とうとしていた。良弁の言葉を真に受けて一千体の石像を作る願掛けをやっている我王。
寺の修繕現場を通りかかると、盗賊に放火されたという。村人が我王を見て犯人だと騒いだ。ケガをさせるなという良弁の言葉を守り、捕まってしまう我王。牢に入れられ、拷問を受ける。良弁は逃げてしまったという。
いっそ殺してくれ、と叫ぶ我王の元に速魚の幻影が。牢の土壁に、皿の破片で何かを削る。拷問は続き、寺の鐘の突き棒にまでされた。
延々と続く拷問の中で、我王は壁に仏像を彫り続けた。知らせを聞いて驚く修行僧たち。だが僧正への連絡は見送られた。

 

二年の歳月を経て、盗賊の真犯人が名乗り出た。我王の彫った仏像を見て絶句する僧正。

 

 

僧正は我王を牢から出し、アカを落とさせた上で食事をふるまった。二年間で別人の様に穏やかになった我王を見て驚く修行僧たち。
そのまま寺を辞そうとする我王に僧正は、この国分寺の金堂の鬼瓦を作って欲しいと申し出た。
気乗りのしない我王だったが、いつまでも逗留して良いという僧正の言葉を受け入れた。それにしても我王を見捨てた良弁の気持ちが未だに判らない。

それから一ケ月。我王は毎日食っては寝の生活を繰り返す。僧正は辛抱強く待った。
ある日、気晴らしに酒を持って出掛けた先で、大量の材木を運び出す現場に出くわす。大仏殿建立のためだという。人足らが事故で倒れても無視された。死んだ人足を見て「お前の領分だ」とうそぶく役人。
我王は怒りに燃え、寺に戻り猛然と鬼瓦作りを始める。見事な出来栄えに驚く僧正。そして、良弁が奥州平泉の国分寺に居ると教えた。そこで即身仏になるという。

 

深い雪山を超えて寺に辿り着いた我王。住職は、良弁が即身仏になるため穴に入ってもう、十日経つと言う。
土に埋められた良弁の元に駆け付けると、まだ良弁は生きていた。死んで何になる、と泣く我王に、いま都で作られているという大仏の話を始めた。
王は釈迦如来、家来は仏たち、そして政治は「仏の教え」だ、という体制作りの道具として、大仏がその最大の象徴を担って作られる。
実は帝に大仏作りを進言したのは良弁だった。そのために全国を回って金集めをしていた。我王に会ったのはその頃。
この平泉から多くの金が出る事になり、大仏建立の事業は吉備に渡され、良弁の手から離れた。今になって良弁は、自分が道具に使われただけだと悟った。残された道はこれしかないと言う。

我王は、良弁が仏になるまで、そこにずっと座り続けた。
そして修行僧らの手で掘り返される良弁。十日ほど陰干しすれば完成(まるでシイタケの陰干し)。
即身仏となった良弁の前に座り、悟りの境地を味わう我王。

なぜ生きものは死なねばならないのか、いや、なぜ生きるのか? 死ぬために生きるのか。
虫魚禽獣、死ねば・・・どれもみんな同じ。人が仏になるなら、生きとし生けるものはみんな仏だ!
生きる?死ぬ?それが何だというんだ。宇宙のなかに人生など一切無だ!ちっぽけはごみなのだ!

 

それから三年。我王は各地をさまよいながら、請われるままに仏像、鬼瓦を作り続け、次第に名を知られるようになった。
役人が我王を訪れ、東大寺大仏殿 金堂の鬼瓦作りを命じに来た。気の進まないものは作らん、と断る我王。

その年の夏は三ヶ月もの間、雨が降らず、地方だけでなく大仏建設の現場でも多くの人が死んだ。
大仏建立の責任者となった茜丸は、大仏が涙を流しているとの話を聞き、工事を進めるのは無理だと吉備に訴えた。だが聞かない吉備。
そこへ良弁が即身仏になったという報が。帝への報告で、良弁の身代わりを立て、工事は何がなんでもやり遂げろとの叱咤。雨さえ降れば、と呟く吉備。

橘諸兄に呼び出される茜丸。吉備は失脚して、大仏建立の仕事は橘が引き継いだというのだ。打ち首を覚悟したが、大金を渡されて家来になれと言われる。
増長する茜丸の元に、死んだと思われていたブチが姿を現した。ひどい肩の傷は自分で治したという。パトロンを乗り換えてでも大仏を完成させようとする茜丸を、バカだと言うブチ。名を残したいという茜丸に、こんなものを作っても日照りは収まらない、とも。

 

橘が、鬼瓦を作る名人だという我王の事を聞きつけて茜丸に話す。作らせてみるか、という提案に「腕くらべ」をしたい

と言い出す茜丸。呼び出された我王を見て驚く茜丸。
腕くらべの要領は、東大寺大仏殿大屋根の鬼瓦八体を七日間のうちに作り、いずれか一者を採用するもの。
構想が全く湧かず、あせる茜丸。
一方、怒りの感情で生い立ちからの人生を振り返る我王。その呪いと恨みに血塗られて来た姿に絶望する。
お前だけではない、との言葉。そして処刑される男。一千年後の子孫だという。流刑星でさまよう男も子孫。
生きもの創造に一生をかけた猿田博士も子孫。もうたくさんだ、と叫ぶ我王の元に現れる火の鳥。
目を覚ました我王は、猛然と粘土をこね始めた。

 

鬼瓦の審査をする時が来た。茜丸に次いで、我王の作品が現れた時、その迫力に皆が声を上げた。
だが審査員の投票結果では、辛くも茜丸の勝ち。だがこれは橘の裏工作だという異議が出される。
茜丸の負けだとまで言われて、茜丸はとうとう、この男がかつて彼の利き腕をだめにした者であり、東大寺の瓦を作る権利はないと言い放った。
罰として我王の残った右腕を斬り落とし、都から追放する事を要求。
両腕を失って都から去る我王。

茜丸の鬼瓦が大仏殿に取り付けられ、我王のそれは正倉院の北倉に納められた。

 

その北倉から出火。カラカラに乾いた状態のため一気に燃え広がる。大仏殿を守るため、火を消そうと走り回る茜丸。だが丸焦げの姿に。その時火の鳥が来て、お前は死ぬのです、と告げる。

 

 

焼け跡から茜丸と思われる骸骨。ブチはそれを拾って持ち帰った。
七五二年四月九日に行われた大仏の開眼式。未曾有の国家的儀式。民衆をにらみ下ろす大仏。

山中に暮らす我王。美しい景色に涙を流す。
日課の仏像彫りをしていると、ブチが骸骨を持って、供養してくれと頼んだ。兄の茜丸だという。

単行本 第6巻 第一刷 1982年


感想
我王と茜丸。全くタイプの違う男の人生が交互に描かれ、東大寺の鬼瓦造りという仕事で再びクロスする。
罪の量(と言ってはおかしいが)から言えば、圧倒的に我王の方が悪。出生の悲劇はあるものの、生きるため、簡単に人を殺して金品を得る人生。
それに対して茜丸は、我王に斬り付けられ、利き腕が使えなくなっても精進を重ね、鳳凰像造りで才能を開花させた。

だが、冤罪で二年もの間投獄された事により、我王の人格に何かが芽生える。良弁は意図して我王にその試練を与えた。
逆に茜丸は、名声を得たがために、それを守ろうと、自分の受けた傷を暴露して我王の残された右腕も奪う。

 

善と悪の狭間で人が何を考え、どう動くか。単なる勧善懲悪と言えない。悟りを開いたとも思える我王の末裔に、今後更に続く災難を思うと・・・・・気が滅入る。

 

 

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2017年02月19日

落語鑑賞(古今亭 文菊) 2/19

テーマ:ブログ

我が市でも落語の独演会をやると言うので、昨年の暮れにネットで申し込んだ(一人¥2,500)。演者は「古今亭 文菊」。

当日行ってみると、市民会館に併設されたフォーラム建屋の中に300人ほど入れる小ホールがあった。開場13:30、開演14:00であり、13:30丁度を狙って行ったのだが、自由席のためみんな事前に並んで待っていたらしく、前方中央は押さえられていた。
中段左手の空席になんとか「滑り込みセーフ」。

定刻に始まり、前座は「春風亭 一猿」。
演目は「松竹梅」。神無月は、出雲では神有月と言う。神たちが集まって縁結びを執り行う。
大店の婚礼に呼ばれた職人三人(松五郎、竹三郎、梅吉)。何か出し物を教えてもらおうとご隠居を訪ねる。縁起物という事で、まず一人目が「なった、なった、ジャになった。当家の婿殿ジャになった」次が「何のジャになーられた」三人目で「長者になーられた」というもの。
例によって本番では梅吉が「大蛇になられた」とか「亡者になられた」とかずっこける。
詳細はこちら

続いて本題の「古今亭 文菊」。
枕としてご当地の話題から入り、演目は「宿屋の富」。
夫婦二人だけでやっている旅籠に、ふらりとやって来た男。実は大金持ちなのだが、大げさな応対がイヤで来ているのだから、あまり構わないでくれと言って、家の蔵に金がうなっている話を亭主に聞かせる。

それを素直に感心する亭主。実は頼まれて当たれば千両の富くじを売りさばいており、最後の一枚を買ってくれないかと頼む。男は、金などいらないが、と言って嫌そうに一分でそれを買う。そして、もし当たったら五百両やると亭主に約束。
実は男は金などなく、大ぼらを吹いて接待させ、頃合いを見てトンズラするつもりだったので、出した一分はなけなしの金。
たまたま散歩に出ると、富くじの当り番号を決める行事をやった後であり、期待もせずに見に行くと、なんと一等が当たっていた。
詳細はこちら

休憩をはさんで、次の演目は「子別れ」
大工の熊五郎。腕はいいのだが、酒が入ると乱暴になりどうしようもない。また吉原の大夫に入れ込んでいる。女房と五つの息子が居たが、酒に酔った勢いで女房に手を上げてしまい、女房はあいそをつかし、子供を連れて離縁。
吉原の大夫を身請けしたものの、家事一切出来ず結局たたき出す。
以来三年。酒はきっぱり断って真面目に仕事をしていた。
ある日近所の家の床柱を直すのに、材料を見に行ってほしいと御贔屓さんに誘われて、隣町まで出掛ける熊五郎。
旦那が見つけて「あれはあんたの息子じゃないか」。三年ぶりの再会。
詳細はこちら

感想
実は、ナマの古典落語を観るのはこれが初めてだった。
前座の一猿。入門して三年目の割りには出だしの枕もこなれており、そこそこだな、と思っていたが、本題に入って来ると、三人の職人の演じ分けがゼンゼン出来ておらず、この辺はやっぱまだまだ。

落語に詳しいわけではないので、文菊は知らなかった。それを知ってか、最初の枕ではTVに出ている有名な人を引き合いに出して笑いを取っていた。
始め小さな声で、注意していないと良く聞こえないぐらい。だがそれはテクニックだったようで、枕が終わる頃には普通の声になり、本題に入ってからは声も張りが出て来た。

二題目の「子別れ」は、笑わせながらも、子供と父親のやりとりではついホロリ。やっぱり本職の技はすごいもんだと感心した。

 

前座も含めて三題を二時間弱。なかなかいい時間を過ごさせてもらった。


 

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2017年02月18日

ネットワークプレーヤー

テーマ:オーディオ

前回書いた様に、オーディオについてはカセットからCDへの乗り換えに失敗して、ずっとFMを聴いているだけの状態が長く続いた。
それでも5年ほど前にネットで見ていたら、CDプレーヤーでUSBメモリから再生出来るものを見つけて、遅まきながら購入したものの、フォルダの階層は全く制御出来ず、曲名もディスプレイに出て来ない。そんなわけで、音楽の録音はネットのアナログ情報を「午後のこーだ」でMP3化してCD-Rに焼き込み、カーステレオで聴く、というパターンが定着。
ただ、そうこうしているうちに、買い替えた車のカーステレオにUSBの差し込み口が。使ってみたら、こりゃあ便利。そんなわけで、車だけが進化。

それはさておき。
先日買ったアンプの梱包を開けてみると、ご親切にネットワークオーディオプレーヤーのチラシが。あざといなー、と思いつつも、英語だけの表記なので、ちょっと気になってネットで内容を調べてみた。

 


USB再生と、インターネットラジオが聴ける。それで¥32,000かー、ちょっと高いな、と思いながらも、いつの間にか「カートに入れる」をクリック(安直ダ・・・)。

それで例によって2日ほどで到着。スイッチを入れてからの動作準備にけっこう時間がかかる。インターネットラジオの方は、ルータから引っ張った線を繋ぐだけで簡単に認識し、すぐに聴く事が出来た。だが日本を選択してから名古屋とやっても、知ったラジオ局は全く出て来ない。FM OKAZAKIとかSUZUKA VOICE FMとかのローカル局ばかり。

 


ネットで調べて判った事は、このプレーヤーでは「ラジコ」は聴けないらしいです(TEACのプレーヤーは聴ける)。どうもそれはDENONブランドでFMチューナーを発売している関係で「大手の局はFMチューナーで聴いて下さい」という事なんだとか。
ちょっと肩すかし・・・てな雰囲気だが、気を取り直して「vTuner」の登録。これをやる事でパソコン側でお気に入りのラジオ局をピックアップしておく事が出来る。こうなりゃ、全世界対応で聴いてやろう。

 


一応JAZZ系とPOPS系で数件ずつ登録。今のお気に入りは「AceRadio - Smooth Jazz」局(アメリカ)。時々入るCMがちょっと気になるが、どぎついものではないので聞き流せる。音楽の方は、JAZZと言ってもけっこう守備範囲が広くSADEもあればチャック・マンジョーネもある、マッコイ・タイナーもあればジョー・サンプルもある、といったところ。

まあ、大手の局はそれこそチューナーがあるし、録音がやりたければ「ラジコ」でパソコンから録れる。
USBからの再生も問題ない。これで次の課題は自作パワーアンプ連動のためのコンセントBOX、だな。


 

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