３冊目でようやくこのシリーズの１作目に。
高校を卒業後、就職せず家業の果物屋を手伝いながら、街の多少入り組んだ「揉め事」に絡んでいく真島誠の「事件メモ」といったところか。けっこうスイスイ読めて、ただその後ちょっとホロっとさせる、絶妙の間合い。
文章が若い。こちらも好んで読む中年オヤジ路線の「重松清」の方が若いんだから恐れ入る。
「池袋ウエストゲートパーク」
このシリーズの始まりとなった一編。
誠とマサがたむろする噴水に遊びに来る少女２人、ヒカルとリカ。たわいもなく遊ぶうちに次第に親しくなるが、そんな矢先リカがラブホテルで殺された。
「エキサイタブルボーイ」
街に流れる「おばけワゴン」の噂。Ｇボーイズのリーダー「タカシ」経由でヤクザの組長から行方不明になった娘を見つけ出す様に依頼される誠。付き人だった同級生の「サル」。
なかなか手掛かりの見つからない中、同じく同級生で今は引きこもり状態の和範が張り込みに協力。
「オアシスの恋人」
中学の同級生だった千秋からの相談。風俗店で働いているが、客から覚醒剤をア○ルから仕込まれて深みに。恋人のイラン人「カーシフ」がそれを知り、売人のクスリを燃やす事件を起こした。
一肌脱ぐ誠。
「サンシャイン通り内戦（シヴィルウォー）」
Ｇボーイズのタカシと、新興の「レッドエンジェルス」の尾崎。覇権争いの激化の中で事件が起きた。抗争のルポに無謀に乗り込んで来た「加奈」。中立の立場で真相を探る誠。影で操っていたのは暴力団。
取材の中で次第に深い仲になって行く加奈と誠。