「定年ゴジラ」 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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開発から30年経った「くぬぎ台ニュータウン」。そこで定年を迎えた山崎さん。

ニュータウンでは開発時期に応じて丁目単位で年代差が歴然とあり、そんな中で山崎さんは3人の定年仲間と知り合う。

何のことはない。定年でやることがなくなったじいさんどもの日々が、ただ綴られるだけ。とは言うものの、読み進むうちにじわり、じわりと締め付けて来るものがある。

多少の差はあれ、いずれこういう生活がやってくるという意識で読むと、その中味はガラリと変わる。それに時折描かれる山崎さんの思い出。特にこたえたのが、就職してから母親が訪ねてくるくだりと、そこにからむ同級生の話。

何気なさの中にグサッとくるのは、彼独特のもの。気がつかない者は、多分どの作品を読んでも「つまんない」。

 

いろんなエピソードの中で、自分が反応するのは全てではないだろう。ただそこにシンクロした時、少しこみあげてくるものがある。号泣とまでは行かないが、ついホロリ。

一気に読むのではなく、まあ週1で15分ぐらい読み進むのがいいかも(実際「小説現代」で連載されていたものらしいし)。

この前「BOOK-OFF」に行ったら、これのマンガ本 が置いてあった。女流作家のものだったが、さすがに「目が点」。活字がニガテな方はこっちでも、まあいいか。