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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 15

2008年09月13日
テーマ:辞めたくなった時

「合法的ルール違反」 ・・・これこそ、真の市場価値。


 前回、教科書どおりの進め方と書きましたが、例え、ルーチンワークやマニュアルが完璧に出来上がってる業務であっても、全てが判で押したような手順になることってほとんどないし、杓子定規にはいきません。会社には上下関係があるので、そこに力関係が生まれます。大抵の場合、力が強い方の言い分がまかり通ることが多いです。ルールではこうしなければいけないんだけど、あの役員さんはうるさいから、順序無視してやっちゃえ!みたいなやつね。


 ルーチンワークを極める以前の修行時代というのは、力関係でいうと一番の下っ端なので、自分の利益には目をつぶることが多く、そこで理不尽さや無力さを感じたり、ストレスになったりします。そして同期や同僚と飲みに行って愚痴大会(笑)。


 仕事や辞めたくなる時というのは、こういった、社会でルールどおり、自分のペースどおりに仕事が進まないことに対するジレンマも影響します。自分はキチンとやっているのに、会社の上の連中は自分勝手だ!とかって憤ったりね。


 しかしこういう段階からこそ、処世術を体得していけるんです。処世術は、根回しとか調整の要素が色濃いので、人との折衝になってきます。これをうまく運ぶのに、知識や資格は直接的には全く関係ありません。


 前回も書いたように、自分の本当の市場価値とは、処世術です。知識や経験はあって当たり前。この知識や経験を生かすも殺すも、処世術というセンスなんですね。


 本シリーズの前半でも書きましたが、よく若い人が、今の仕事はやりがいがないとか、スキルが身につかないとかって嘆き、辞めたい辞めたいって考えてることが多いけど、こういう人は、やりがいやスキルの本質を根本的に勘違いしています。


 修行時代にやりがいと見出すとすれば、またスキルを身に着けたいとすれば、それはまさに処世術なんです。処世術の習得には自分と他人に、“多少の時間”の認識の差があります。


 認識が他人基準に達したとき、自分には処世術が身に着いたということになります。これは専門的資格のように、華々しく見えないかもしれないけど、自分の中に培った何物にも変えがたい自分だけの素晴らしいスキルです。このスキルが身についたとき、その時は大いに自己主張をして、社内で通らなかったら、満を持して転職前線に名乗りを上げるのもアリですよ。


 市場価値は処世術。処世術は他人基準の認識。どうかこれを頭に入れて、修行時代を乗り切ってください。

シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 14

2008年09月12日
テーマ:辞めたくなった時

 ルーチンワークを先輩から教えてもらう自分自身のほうからすれば、うまく仕事を覚えられない時に、自分が半人前であるのことを棚に上げて、あの先輩の教え方が悪いとか、あの先輩はえり好みが激しいとかって、愚痴ばかり出ることってありますよね?今は皆さん、ルーチンワークを教えてもらう方の立場だから好き勝手言っても許されるんだけど、これが数年後に教える立場の先輩になったら、ってことを考えたことがありますか?


 そのルーチンワークはそれまで何年も自分でやっているので、完璧にできることは間違いない。でもその完璧さをそのまま後輩に教えることができるでしょうか?自分の後輩からも、数年前の自分のように、あの先輩は使えない・・・って影で愚痴られているかもしれませんよね。


 ルーチンワークの真の習得とはそういうことなんです。自分ができるようになることがゴールではなく、それを他人に落とし込めるようになることが真のゴール。ここまで到達しないとルーチンワークを極めたとは言えません。


 ところでそのルーチンワーク。いくら教えるのが上手い人であっても、後輩が実際にひとりでやろうと思ってもなかなかスムーズにはできません。なぜ自分にはスムーズに出来て、後輩はスムーズに出来ないんでしょうか?


 ルーチンワークを後輩に教えていく時において、意識すべき大事な要素が2つあります。それは



  ①ルーチンワークをやるための基本的な知識

  ②ルーチンワークをそつなくこなすための処世術


 の2つです。特に盲点になるのがの方です。 言い方を変えるとに言うと、前回書いた、“多少の時間”の認識の差とは、すなわち①と②の習得の時間差ということになります。


 ①は知識なので、覚えれば済む話。覚えるまでの時間は個人差があるとしても、毎日やってりゃ自然と覚えていくものです。でも②は違います。これはセンスの問題なんです。会社員としての立ち振る舞いや素養、また合理的且つ円滑に物事を処理していくためのコミュニケーション力といった、いわゆる処世術です。自分が先輩になったとき、後輩にルーチンワークを教える際には、この処世術も込みで教えていかないといけません。


 知識は誰でも慣れれば覚える。でも会社員としてのセンス習得には時間がかかるんです。会社の人に顔を覚えてもらわないといけないし、根回しできるような駆け引きも覚えないといけないからね。


 さらに一番時間がかかるのは、学生時代に根付いている理想主義の払拭です。天高く伸びている鼻を上手くへし折ってあげないといけない。理想主義の若者は、どうしても自分のやり方に固執してしまう傾向がありますが、物事は相手への配慮や相手の立場を尊重していかないとうまく進まないということを身体が理解するのは、結構時間がかかります。それを先輩は教えないといけないということです。


 そして、実はこのセンス、つまり処世術こそが、自分の本当の市場価値となります。ルーチンワークに限らず、一般的に仕事というのは、上記①と②の両方がくっついて成り立っています。①の知識は、場合によっては公的な資格取得にまで発展するかもしれない。もちろんそれは立派な実績です。自分を売り込むためには大いに利用すべきだし、大いにアピールすればいいと思う。でも転職の際に、違う会社の人が本当にほしいと思っているのは、知識や資格ではないんです。仕事を結果や成果まで導くまでのプロセスを理解し、結果や成果に到達するためにいくつの引き出しを持っていて、その中からいかに合理的な方法を取り得るか?というポイントを重視しています。


 どんな仕事だって、いろんな立場の人の思惑や利害が絡んできます。だから知識や資格を用いた教科書どおりには進んでいかないものです。状況に応じて駆け引きが必要になってくるし、場合によっては損して得取れ、じゃないですけど、その場では自分の利益や功績に目をつぶって相手を立てることだってあります。


 これを僕は、「合法的ルール違反」  (←リンク)と呼んでいます。ずっと前に合法的ルール違反の説明はしましたが、この合法的ルール違反の習得こそ、センスであると僕は考えています。




つづく。





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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 13

2008年09月11日
テーマ:辞めたくなった時

本シリーズの中で言いたいことは全て書いたんですが、ちょっとここからは視点を変えて数回。


回のシリーズでは、「シリーズ7」 に書いたことが一番重要なのかな?って、個人的に思っています。




特にここね。



他人に認めてもらうという事項は、短期間で出来るものではありません。特に若い時期の人にとってはね。「ルーチンワークやマニュアルに則った自分の担当業務を当たり前にこなせる」という使命に関して、自分自身で認めることは出来ても、他人がそれを認めてくれるまでには、多少の期間がかかります。この認識の差が危険信号。



 ルーチンワークやマニュアルに則った業務というのは、最初は不安ばかり先走って緊張しまくりなんだけど、時間の経過とともに、徐々に業務に慣れていきます。慣れてくるというのは、手順を覚え、業務の終わりが見えると言うことです。こうなると不安はなくなってくるけど、緊張感もなくなっていきます。良し悪しは別にしてね。


 ルーチンワークやマニュアルに則った業務っていうのは、誤解を怖れずに言うと、頭を使わなくてもできる仕事なんです。だってすでに誰かが作り上げた仕事であり、それは完成されているので、それを真似すればいいんだから。


 もちろんルーチンワークだってマニュアルに則った業務だって、頭を使う場面はあるんだけど、でも作業的要素が圧倒的に強いものです。だから実は、慣れるまでにはそれほど時間がかからないんです。毎日その仕事やってるんだし、それは当たり前と言えば当たり前。


 よって自分的には数ヶ月で、もうこの仕事は目をつぶってもできるよ、って思うようになります。でも上司や先輩のような社内の他人は、そんなふうに見てはくれません。ここを“多少の時間”と表現してるんだけど、じゃあこの認識の差は、なぜ生まれるんでしょうか?


 実は、上司や先輩が考えているルーチンワークの習得というのは、将来の部下や後輩に、自分がやっている通りそのままのカタチで落としこんでいけるかどうか?という点を重視しているんです。


 自分が新入社員の頃を思い出してください。今学生の人は、アルバイトでもサークルでもゼミでも、何でもいいので、とにかく自分は入りたての頃に、先輩から仕事ややり方を教わったときのことをイメージしてみてください。


 最初ってどうでしたか?何も判らないまま、仕事ややり方を教わった時の心境は?大まかにいって2つに分けられると思います。


 1つは、教えてくれた上司もしくは先輩が優しくて教え上手で、比較的スムーズに覚えていけたっていうケースね。いざ一人でやってみろと言われても、なかなか先輩のようには上手くできないんだけど、でも仕事自体はスムーズに覚えられたっていうケース。


 そして2つ目は、教えてくれてる先輩が最悪で、ぶっきらぼうだし、教え方も適当で、不安が抜けきれない、っていうケースね。当然にして一人でなんか出来るわけがない。でも先輩にイチイチ聞くのも気が引けるし、で、いつまでたっても仕事が覚えられない、っていうケース。


 もちろん、自分自身にも要領が悪いとか、不器用とか、いろんな問題があるとは思います。でも、同じルーチンワークを覚える初期段階でも、教える人によってスムーズに離陸できるかどうか?って結構大きい要素ですよね?


 ルーチンワークの習得というところに視点を置いた場合、前者に該当する先輩と、後者に該当する先輩、どちらが本当に習得しているかと言えば・・・当然、前者です。




つづく。





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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 12

2008年09月08日
テーマ:辞めたくなった時

 どんなルーチンワークであっても、どんな雑用っぽく見える仕事であっても、それが会社の業務である以上、必ずそこには意義と目的があります。


 業務とは何ぞや?・・・って話になると、会社の経営論に係わってくるので、そこまでは書きませんが、とにかく会社が認めている仕事のことですね。会社が認めているということは、その業務の仕組みを作った人がいる訳です。


 あくまで個人的見解ですが、若い時期に、転職で成功する人のほとんど全てに共通するのは、2つ要因があると思っていて、一つは、実務レベルとしては、


 「人が介入しないと成立しない業務をやっていた」


 という要因ですね。これは転職でステップアップする最低限の要件。


 いくら長い間、この仕事で頑張ってます!と言ったところで、他人に容易に取って代わられる仕事しかしてないと、それは単なる自己満足の世界。社会の現実はそれほど甘くなくて、違う会社の評価や、転職市場の評価は低いんです。


 そして、さらにこれにプラスして、


 「業務の仕組みを知っているかどうか?」


 という要件が問われると僕は考えています。ルーチンワークが会社の業務である以上、会社が存続するためには必要不可欠な訳です。そのルーチンワークを極めることは非常に重要です。でも、そのルーチンワークが、全く存在しないベンチャー企業のような環境に身を投じたとき、あるいは、明らかに非効率なやり方をしている歴史ある大企業のような環境に身を投じたとき、自分でその仕組みを構築できるかどうか?が問われるんですね。


 これは何も、小難しい業務だけじゃなく、例えば、ゴミ捨てや郵便物の仕分けを合理的に無駄なく行う方法とか、社員のスケジュール情報をみんなで共有する方法とか、そんなレベルの仕組みでも全く構わない。


 仕組みの構築には、その業務の意義と目的を理解しておくことが重要です。仕組みつくりには、他の社員を巻き込んでいかないといけないので、それなりにパワーがいるんです。


 仕組みを理解せず、ただルーチンワークだけ得意です!と言ったところで、年を取るにつれて仕事がなくなっていくのは明らか。よく資格を持っていればツブシが効くとか、飯の食いっぱぐれがないなんて言われますが、実は資格を持っているだけで、ルーチンワークしかやってない人は、極論すればフリーターとそれほど変わらない、ということになります。


 業務の仕組みを考えるというのは、どんな業界であれ、どんな職種であれ、本質は変わりません。だから事務をしていても、新規営業をしていても、接客販売をしていても、学ぶことができるんです。そして、一度学んだ仕組み作りのノウハウは、自分を売り込む際の重要な武器になっていきます。


 今この瞬間に、仕事がつまらないと嘆いている方、やりがいを感じられない方、人間関係でストレスを感じている方、お給料が低いとか労務環境が脆弱で辛いという方、いろいろいると思います。20代の修行時代に、仕事がイキイキ楽しい!と感じる人はそれほどいないのではないでしょうか?責任感を抱く人は大勢いてもね。


 そういう人は会社を辞めることを絶えず考えていると思います。僕もそうだったしね。でも今まで本シリーズで書いてきたことを体得していますか?体得までいかなくても、業務の意義や本質を視ようとするステップまできていますか?


 仮にそこまでの域に達していないのであれば、辞めるのは思い留まったほうが賢明です。次の転職先でも同じような悩みや辛さに陥る危険性はかなり高いです。そうなった時に、一度目のようには簡単には辞めることはできないからね。転職というカードを切るのは、最後の最後でいいと思う。


 体調を壊すまで頑張る必要はないけど、辞めるかどうかを判断するのは、決して一人では行わないことも重要。周囲に相談できる人がいなければ、僕が相談に乗ります。


 仕事はこの先もしていかないといけないんだし、どうせするならキラキラ輝く路を進まないとね。



30代以降で、辞めたくなったときに考えるべきことというのは・・・もうちょっと経ってから書きますね(笑)。




このシリーズはもうちょっと続きます。





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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 11

2008年09月06日
テーマ:辞めたくなった時

 前回触れたように、修行時代の第二ステップのゴールは、「マネジメントを通じて、経営視点で仕事を視ることができるようになる」、ということです。


 経営視点で仕事を視るというのは、仕事の目的と役割を理解しているということですね。判りにくいかな?


 部下を持って仕事をマネジメントするということは、自分のチームに担当業務が存在し、それを統制するということです。その担当業務は、ほとんどの場合、ルーチンワークだと思います。ルーチンワークを部下に任せつつ、自分は部下の仕事をチェックしたりします。


 同時に、自分自身にも上司がいます。その上司からみたら、自分は部下にあたる。だから当然、自分にも担当業務があります。それは部下には出来ないようなレベルの高い業務だったりする訳ですね。


 あくまで一般論ですが、僕個人の考えでいうと、転職を考え始める時期というのは、この修行時代の第二ステップで、「自分の担当業務を極め、足元を固める」から、「マネジメントを通じて、経営視点で仕事を視ることができるようになる」というところまでを経験した後がもっとも、ステップアップにはつながると思っています。


 「やりたいことが見えない人へ」 というシリーズを書いたことがありますが、このシリーズでいうと、「シリーズ17」 以降に書いてあるような経験を踏まないと、市場価値が見出せないということになるんでね。


 もちろん、第一ステップが修了した時点で転職することもステップアップにはつながります。しかしその場合は、次の会社でも修行時代から始めないといけないことになる。ちょっとだけ遠回りかな?って気がします。もちろん次の会社で心機一転!頑張ろう!という場合は別だけど。20代半ばくらいであれば、こういった転職は認められることが多いので。


 僕の修行時代の第二ステージは、法務文書課での仕事だったので、担当業務も契約書審査や、稟議書のような社内申請書管理を行っていました。


 毎日、全国から山のような契約書や申請書が上がってきます。これを処理するだけで一日が終わってしまうくらい。でも審査自体は、形式審査なので、ポイントだけ抑えると要領が判ってきます。申請書の内容を判断する(難しい言葉で言うと、決裁と言います)のが、あくまで部長クラスや役員クラスの人たち。僕が行っているのはあくまで機械的な事務処理です。慣れれば誰だってできる仕事です。だから高レベルなスキルは身につきません。


 ここで将来のことを考えた訳です。このまま日々、申請書に埋もれて毎日が過ぎていって、歳を取っていくのかなあ・・・とね。今考えれば大げさな話ですが、当時はホントにあれこれ考えていました。相変わらず上司とはウマが合わなかったのですが、仕事の責任感は増していきました。


 今は事務処理に追われてしまっているけど、そもそもこの業務は、なんで必要なんだろう?そして判断する部長さ役員が、判断しやすいように判りやすくするにはどうしたらいいだろう?・・・なんてことを考えるようになった訳です。


 つまり自分で考えるようになったということであり、気づけたということ。個人的には、こういう考えに達したから、その後の転職がスムーズに行ったのではないかな?と自負しています。




つづく。






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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 10

2008年09月05日
テーマ:辞めたくなった時

 僕は飲料食品メーカーでは、6年間在籍して、部署は総務部と法務部を経験しました。キャリアとしては、平社員として2年間の修行時代を経て、3年目に主任に昇格しました。その会社では主任は管理職の仲間。部下も1人つきました。


 何度も書いているように、20代の修行時代の中で、まず最初の入り口段階で肝に銘じないといけない目的事項は、



  「自分の担当業務を極め、社内で足元を固める」



 です。これはこれで第一ステップとしては重要なんですが、さらにこの後、第二ステップとして重要になってくる目的事項として、



  「昇格して部下を持ち、業務をマネジメントする」



 というものがあります。マネジメントとは、管理するという意味。だから要は、自分自身で業務や人を仕切ったことがあるかどうか?というキャリアです。実は、20代の仕事の経験で最大の目的にしておくべきなのが、この事項なんです。


 ここで、誤解してほしくないので書きますが、「部下を持って業務をマネジメントする」という事項の中に、「人を仕切る」という事項は共有されていますが、「人を仕切る」という事項の中に、「部下を持って業務をマネジメントする」という事項は含まれていないことを十分認識してください。


 どういうことかというと、例えば今、学生の皆さんであればアルバイトをやっている人は多いと思いますが、飲食店や居酒屋、小売業店舗なんかのアルバイトをやっていると、1年くらい同じ店舗でバイトしてると、後輩のバイト生が入ってくると思います。そうすると、必然的にバイト経験の長い自分が、バイトリーダー的な立場で、後輩たちを仕切ることになります。シフト調整とか、現場のオペレーションとか。


 このように、アルバイトやフリーターをやっていても、人を仕切ることは可能です。まあ同じアルバイトを経験するなら、人を仕切る経験を積んでおくのも悪いことじゃないんだけど、でも所詮それはアルバイトやフリーターの仕事の域を超えないんです。狭いアルバイト担当の仕事の領域で、どんぐりの背比べをしているに過ぎない。


 「部下を持って業務をマネジメントする」というのは、管理職の立場に立つということです。つまり経営者の視点で物事を見極めていくことが問われるということ。経営視点で仕事を仕切っていくということは、同じ仕事でも、修行時代の第一ステップの頃と比べて、別の見え方になってくるものです。


 逆に言うと、違う見え方にならないと、マネジメントしているとは言えず、それは、アルバイトやフリーターの立場と何ら変わらないことになるんだけど。


 まあ、この経営視点というのは、なかなか難しいことではあるんですが、でもそういったキャリアは、転職市場では一定の評価がなされます。この域まで達するには、ある程度の年数が必要であり、そこを転職時には評価され、判断されるという訳です。


 この評価や判断は、あくまで他人が行います。自分の評価や判断は、転職時には、ほとんど武器になることはありません。ここは意外と安易に転職を考える人の盲点になるところですのでご注意ください。


 経営視点の習得は、正社員としてのポジションじゃないと、絶対出来ません。つまりアルバイトやフリーターでどんなに長い年月仕事をしても、どんなに人を仕切っていると言っても、それは就職活動においては、全くキャリアとして加味されないということですね。だって、アルバイトやフリーターの場合、上には社員さんがいます。どんなに仕事の実績を上げて、内部での信頼性が増したとしても、それは自分の地位が上がった訳じゃなく、ただ自分より下が増えただけ。自分の地位は、全く変わらないんですね。



つづく。



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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 9

2008年09月04日
テーマ:辞めたくなった時

 ちょっと前になりますが、 Webサイト「リクナビNEXT の中で、退職理由のホンネランキングというアンケート記事が掲載されていました。それによると、


  1位  上司との人間関係 66

  2位  給与が不満足 44

  3位  仕事に変化がない、おもしろくない 40

  4位  会社の経営方針・経営状況の変化 38

  4位  キャリアアップしたい 38

  6位  労働時間や環境に不満 32


 という結果。まあ退職経験者の400人というサンプル数で、サンプルの年齢や性別等もわからないのですが、ランキングは別にして、だいたい本音ベースの退職理由となると、どこのアンケートでもこんな項目が挙がってくるでしょうね。


 こういった退職理由は、サラリーマンをやっている限り、どんな人間でも必ず抱く事項です。仕事が人と人とが余所行きモードの触れ合いで成り立っており、且つそこに上下関係が存在する以上、これは仕方ないんです。


 でも、ここまで書いてきたように、修行時代であれば、これら【退職理由】と【自分の将来】と天秤にかければ、絶対に耐えて残った方がいいという結論になります。あくまで一般論ですが、修行時代20代前半から中盤であり、その多くは独身です。そしてこの時期は社会人以降の人生で、守るべきものがもっとも少ない貴重な時期なんです。ここに挙がっている退職理由が元で転職しても、次の会社で必ず同じことを考えます。人間とはそういうもんです。


 修行時代にまず到達すべきゴールは、「自分の担当業務を極める」ことです。加えて、ちょっと前に紹介した「こちら」 の記事にも書いてありましたが、「人が介入しないと成立しない業務」を極めておくべきですね。僕のブログでは、これを「処世術を習得する」ことと表現しましたが、本質は同じ。これらはどんな職種にも通じるポイントです。


 若い時期のキャリアアップとは、まずこのゴールに到達することが必要なんです。ここを軸において、あらためて自分の見つめ直してみることが大切。これはこれから社会人になる学生にも同じことが言えます。


 1年足らずの短期間の業務経験であれば、自分では極めたつもりでも、他人はそれを評価してくれません。うまく転職できたとしても、それは今の実績を認めてもらった訳ではなく、話し方や接し方、そして面接官との相性の良さも含めた、ポテンシャル採用です。要は、今のスキルではそれほど戦力にはならないけど、まあ期待してるよ・・・っていう採用ですね。逆に言うと、ポテンシャル採用は、厳しい言い方をすれば、ゼロからのスタートということになります。今までの経験はチャラになるということ。新卒であればともかく、中途の転職であれば非常にもったいない話。


 ましてや、その転職先で、同じような不満を抱き、また退職してしまったら・・・今度は、何も期待出来ない人に成り下がってしまいます。


 世間でよく、最初の会社では3年、そして転職は3社までが限界とか言われる本質は、こういうことなんですね。


 20代前半から中盤(僕のような院卒の人間であれば20代後半)までは、以上のような価値基準で仕事に取り組みましょう。それが30代の自分につながるキャリアプランだと、僕の経験上考えています。


 上記の退職理由で、会社を辞めたいと思っている人へ・・・「自分の担当業務を極める」「人が介入しないと成立しない業務をやる」「処世術を習得する」。この3つの事項を自分軸に置いて、自分の将来と天秤にかけて慎重に判断してください。ほとんどの人は、辞めてから後悔することのほうが圧倒的に多いはずですよ。




つづく。





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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 8

2008年09月03日
テーマ:辞めたくなった時

 どんな業界でも、そしてどんな職種でも、「自分の担当業務を極め、足元を固める」というステップは一緒。仕事で自己主張をしていくためには、周囲にいる他人が自分のことを認めてくれていなければ誰も聞いてくれません。自分の存在を知っている他人がたくさんいる社内ですらそうです。ましてや会社を辞めて社外に自分を売り込もうとしても、短期間のうちに辞めた人間の評価は推して知るべし、ですよね。



 僕は、結果的に飲料食品メーカーには6年間在籍していました。今振り返ると、短期間で辞めてしまう危険性もあったなあと思ってるんだけど、でも辞めなかった。何度も言うように、これは勇気がなくて辞めなかったという消極的な理由。しかし辞めなかったことで、これが後の転職の際に、職務経歴書を作成し、社外の他人にアピールするに足り得るキャリアの一部になった訳です。



 若い時期のキャリアを社外の他人にアピールしようとしたときに、もっとも有効的なのは、内容や密度以上に、その業務を続けた期間なんです。内容や密度は、違う会社で通用するかどうか?という懸念点があるので、第三者に信用されにくいけど、期間だけは社内外問わず共通の信用に値する項目。


 どんな仕事でもそうですが、仕事が面白くなるのって、仕事に自分の主張を入れられるようになった時です。自分の主張を入れたほうがいい、と感じ、それを提案し、実際にやってみるという行為の段階になった時が、「自分のやりたいこと」に向かうスタートラインである・・・と僕は考えています。そしてそのスタートラインに立つための準備期間として、業務を長く続ける必要があるというわけ。オリンピックの選手のようなものですね。


 「自分のやりたいこと」を実践する時はどういう時かというと、それは業務の仕組みを再構築する時。判りやすく言うと、今までこなしてきたルーチンワークやマニュアルに則った業務を、いい意味で壊していく時です。


 業務を壊すためには、ルーチンワークやマニュアル業務に精通しておかないといけません。精通しているからこそ、壊せる訳だし、周囲の他人がそれでも納得する訳だから。


 この段階まで到達するには、通常3年はかかります。自分はもっと早い時期に到達していると考えてしまうんだけど、多くの他人が認めるまでに3年かかるということですね。


 だから最初の3年は、辞めずに何とか踏ん張ってほしいなと思います。業務が壊せるようになれば、今まで見えなかった世界まで視野が広がるし、そうなって初めて、自分に市場価値が生まれるんです。


 僕は入社1~2年は、来る日も来る日も、全国の営業拠点から上がってくる申請書を受付して審査して、という日々でした。最初は苦痛でした。審査といっても、書いてある内容も十分に理解できない。法律知識がない上に、営業を経験してない分、飲料食品の商慣習が判らないんだから、二重苦です。ここで第一波が襲ってきましたね。


 でも毎日毎日こなしていくうちに、段々と判ってくるようになります。最初は全く判らなかったのが、慣れてくると、契約書も申請書も、いくつかのパターン訳ができるということに気付くんです。こうなると、処理もシステム化できるようになっていきます。相変わらず法律知識は乏しいし、現場の営業経験はないんだけど、でも表面上の処置はできるようになってくる。ここまで来ると、担当業務に自信が伴ってきますね。一夜にして劇的に変わるわけではないからなかなか気付けないけど、でも1年前よりは成長してるなあということに気付けるんです。


 修行時代は、先が見えないし、周囲の評価も高くない。加えて、業務を壊せないので、ストレスが溜まって、行く末が不安になる。加えて現在の世の中は、ネットがはびこっていて、いろんなダーティなウワサが流れているので、嫌でも目に留まるし耳に入る。そして人間関係とお給料。


 でも、こういった要素は、自己投資だと捉えて、修行時代には耐えるべきことです。ここを耐えないと絶対に、将来デキル大人にはなれないと言っても過言ではないでしょうね。


 ただし、繰り返しますが、心身ともに体調を崩したり、健康を脅かすようになるほどの環境であれば、選択肢としての辞めて転職という決断はアリですよ。ここはバランスなので、慎重に対応しなければいけないと思います。



つづく。




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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 7

2008年09月02日
テーマ:辞めたくなった時

 仕事の基礎力とはなんでしょう?いろいろ考え方があると思うんですが、実は、これに関しては、以前書いた「やりたいことが見えない人へ」 というシリーズで書いたことがあるんです。それは「シリーズ17 で書いた


 「全力で自分の担当業務を極める」


 というものですね。これは言い換えれば、「ルーチンワークやマニュアルに則った自分の担当業務を当たり前にこなせること」とも言えます。そしてこれに付随して、



『仕事を進めていく上での進め方や段取り、周りとの調整の仕方、誰に話を持っていけばスムーズに事が運ぶか?などの処世術を習得する』


 という点も挙げられます。これは第一段階としては、あくまでも社内で、ということです。修行時代には社外に自分を売り込む必要は必ずしもなくて、まずは社内においての足元固めを行わないといけません。


 社内においての足元固めをするには、「当たり前のことって?」 という記事でも書いたんですが、



『電話に出る。ゴミが落ちていたら拾う。外部の方には笑顔で接する。コピー用紙がなくなってたら補給する。FAXがきたら担当者に渡す。』


 などの、誰の担当でもないような雑用的な仕事に積極的に気づけること、そしてそれが当たり前のように出来ること、といった事項などがあります。


 他人に認めてもらうという事項は、短期間で出来るものではありません。特に若い時期の人にとってはね。「ルーチンワークやマニュアルに則った自分の担当業務を当たり前にこなせる」という使命に関して、自分自身で認めることは出来ても、他人がそれを認めてくれるまでには、多少の期間がかかります。この認識の差が危険信号。


 この“多少の期間”というのは、会社や人によって様々なんだけど、でも少なくとも言えるのは、辞めたいなあという心境の第一波が来るのは、この“多少の期間”中ですね。ほぼ100%


 自分ではある程度出来るようになった、と感じていても、周りの上司や先輩はそう感じてはくれません。どうして認めてくれないんだ、という意識にプラスして、必ず表面化するのが人間関係です。僕も修行時代の上司は嫌いだったという話はしましたが、指導して教える方の立場の人間とは、そりが合わないことって意外とどこの会社でも起こり得ますね。


 こっちは頑張っているのに、上司は認めてくれない。しかも苦手な人。そしてこんなルーチンワークをずっとやり続けるのか?という過信。加えて残業も多いし、給料も低い(と自分では思っている)。第一波は、このような事項が重なった時に、襲ってくるものなんです。


 でも、ここは絶対に辞めてはいけない場面です。修行時代の目的は「自分の担当業務を極め、足元を固める」というものである以上、会社を変えても待っているのは同じ環境です。だからそこでも同じような第一波が襲ってきます。そうしてまた同じように辞めてしまう危険性が上がる。すると、「安易に逃げ出す奴」というレッテルを貼られてしまいます。



つづく。





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シリーズ 「会社を辞めたくなった時に考えること」 6

2008年09月01日
テーマ:辞めたくなった時

 僕が修行時代を過ごした時期に、インターネット技術が進んでなくてある意味ラッキーだったなと思ったのは、「横」情報を知らずに過ごせた、ということです。「横」情報は、弱った身体に悪魔のささやきのごとく入り込んできます。


 「横」情報で一番やっかいなのは、自分の立ち居地が相対的に見えてしまうという”錯覚”に陥ることです。つまり他社や他人と比べてどうなのか?という情報を得てしまうということ。具体的にいうと、会社のハードワークが異常であるとか、お給料が安いとか、そういう情報です。これは錯覚なんだけど禁断の果実。


 辞めたくて辞めたくて仕方ない時に、自分が勤務している業務内容の情報や、お給料の額についての情報を得てしまうと、辞めたい理由が正当化できるような気がしてきます。だってその情報って、自分のやる気を殺いでしまうような後ろ向きな情報ばかりだから。


 実際に、修行時代の若い時期に辞めてしまう人に話を聞いたとき、圧倒的に多いのが、仕事がつまらない、やりがいが感じられない、残業が多い、お給料が少ない、といった、建設的ではないものばかりです。


 僕はそういう相談を受けたとき、転職したほうがいいかどうかを決める要因として、まずはその人が心身ともに身体を壊す危険性があるかないか?ということを考えます。いくら修行時代だからと言って、体調が悪くなるほど我慢するのは、逆に将来の可能性を狭めてしまう危険があるので。


 最近は、ちょっとしたことで簡単に傷ついてしまい、身体に変調をきたす若者の多さを指摘されることがあります。そういう指摘の論調は、最近の若者は情けない、弱すぎる、根性がない、などどいうニュアンスを含んでいるものも多々あります。でも僕は、身体に変調をきたす若者の多さという点では、今も昔も変わらないと思っています。今は精神的なケアの重要性が認知されてきたためクローズアップされてるだけで、以前は、話題にならなかっただけの話だと思う。だから今よりも重症だった人が絶対にいたはずです。


 それに、一度も社会に出て働いたことがない人が、これだけたくさんの会社から、たった1社を選んで入社する訳だから、当然、自分にとってハズレを引くことだってあるからね。そういう時は、そのハズレの経験を糧にいくらでもリベンジすればいいのではないかなと思います。但し、次に選ぶ会社は本当に重要だけど。


 少し話がそれましたが、若者が修行時代に辞めたくなる理由というのは、そういった建設的ではないものが本当に多いんです。僕はこういう理由だけで辞めたいと言っている子には、もうちょっと頑張ろうという話をします。そしてそれは僕の経験上、自信を持って明言します。


 修行時代には、多少のハードワークな環境であっても、やりがいを見出せない仕事であっても、お給料に少なからず不満があっても、そういう要素はあまり気にしてはいけないと思います。ていうか、そんな理由で辞めるのはナンセンスです。修行時代には環境ややりがい、お給料なんかより、もっと大切なことを習得しないといけないんです。


 それが、 「仕事の基礎力」 ということになります。


 仕事の基礎力に関しては、ずっとずっと前に、「仕事力をつけるということ」  (←リンク) という記事でも触れました。その時は内容を深く掘り下げてなかったので、今回のシリーズでついでに、仕事の基礎力の本質にも触れられたらいいかな。



つづく。





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