シリーズ「この職種・部署ってなにやるの?」 法務部②(管理部門)

2005年09月21日
テーマ:職種・部署

法務部の続きです。

 

 法務部の業務は、前回言ったように専門性に富んでいます。法務部のセクションに配属になる新卒は、間違いなく法律知識を期待されています。

 僕は新卒で入社した会社の最初の配属先は法務でしたが、それは総務部内の法務セクションだったんです。そのセクションが法務部として独立した後(入社5年目)で異動になった訳で、僕が入社当時に法務部が存在していたら、恐らく法務に配属されることはなかったでしょう。だって全く下地の知識がないんだから。管理部門への新卒配属は、ポテンシャル重視でいく場合が多いですが、法務部はそうはいかない。そのくらいのレベルは要求されるはず。研究部門に、文系出身の学生が就くことがないのと同様の考えですね。
 

 法務部はどちらかというと、閉鎖的な環境下にあります。漏らしてはいけない情報をたくさん持っているからです。しかも専門性に富んでいる。こういう部署に新卒がいきなり配属になると、会社のことが判らないまま月日が経ってしまう危険性がある。法律論だけで仕事ができると勘違いする人間になってしまう懸念があるんですね~。僕は、個人的には新卒をイキナリ法務部に配属させることは反対ですが、まずは、会社のイロハを教えることに尽力する方が将来絶対に使える社員になるし、本人自身も、常に社内に

アンテナを張ることを意識する必要がありますね。

 
 ところで法務部は、総務部のほかに広報部とも親密になります。広報部のところで触れましたが、「インサイダー取引」というキーワード、これは法律の世界に思いっきり足を踏み入れますから。

 

 企業、特に株式を上場している企業にとって、世間に発表する前の企業情報は全て最重要情報になります。新商品情報、特許情報、経営情報等々。これは特定の人に漏れてしまうと、株価の操作が容易に可能になり・・・・・難しくなるのでこれ以上書きませんが、まあ要は違法行為なんですね。

 意図的に特定個人に情報を流した場合は言語道断ですが、ついウッカリ漏れちゃった、というレベルも結果的には同等の責任問題になるから大変。
 

 僕が上場企業の法務部に在籍していた頃、こんな事件がありました。僕はその頃、工業所有権(つまり特許とか)業務をやっており、最終的な書類作成等は顧問弁理士に依頼していました。その弁理士が特許庁に行こうと電車に乗っている最中、何気なく特許情報が記載された書類を見てたんです。
 その数日後、広報部のお客様相談室に1本の電話が入りました。お怒りモード。


「おたくの会社は、特許という超重要情報を、安易に電車で見るような体制を取っているのか!?

 もっと緊張感を持って仕事をしてもらいたい!」 


 ・・・その電話の主は、会社の株主だったんです。たまたま電車でその弁理士の横に座っていて、目撃したらしい。これがもし競合他社の人間だったら、とか考えていくと非常に恐ろしいことです。その後の後始末をどのようにしたかはここでは書きませんが、とにかく、どこで誰が見ているか判らないのが怖いところです。

 

 法務部はそういった事前情報の宝庫です。例え仕事帰りで飲みに行っても、またプライベートで会社を離れていても、安易に情報を漏らすことはやっちゃいけない。知らぬ存ぜぬで通す必要があります。飲みに行って、理性が広がって、ベラベラしゃべりまくる人間は、法務部には不適格です。居酒屋にだって、ライバルはいるものです。酔ったフリして、聞き耳を立てています。

 

 法務部に配属になれば、何はともあれ、法律を勉強する必要があるので、まずはスペシャリストになることが求められます。でも法務部の管理責任者は、スペシャリストを超えたゼネラリストにならなくてはいけませんね。つまり実務に精通した上で、会社全体のことが判らないといけない。なかなか大変です。

 

 ・・・ちなみに法務部と言えば「コンプライアンス」なんですが、僕は一足先に人事部② のところで書いてしまっており、しつこくなるので書かないことにします。

 

次回は管理部門の総括、総務部に話を進めます。

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/yansono/10004465216/017248a0

Amebaおすすめキーワード

    アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト