武士猿(ブサーサール)

テーマ:
今回もまた琉球唐手の本、作者も今野敏。
今度は実戦派の本部 朝基(もとぶ ちょうき)の話。

修行の話の部分も面白かったが、印象に残ったのは語録。

「筋力、体力は衰える。だから常に鍛練を続ける」

「体力は失われるが、術は一旦身に付けると失われない。術というのは技に入る拍子とかそういったものである」

「朝基の鍛練というのは、この時間にこれをする、というものではなく、思いついたらそのときにやるべきと思った修行をするものである。棒の鍛練などもそうで、家で座っているときになんとなく棒をついているときもあるし、立ち上がってしっかりやるときもある。庭に出て型をやるときもあれば、座って頭の中で型をやるときもある。」

塩田剛三先生が「行住座臥、全ての時勢、これ最上の道場」と言っていたが、何をやるにも鍛練に結びつけるのが重要だということだろう。

朝基のエピソードの一つに「不思議なことに私は頭の中で型をやると何時のまにか汗をかいているのです」というものがある。
今で言うところのイメージトレーニングであるが、リアルに修行を続けてきた達人であれば、我々のイメージよりもより鮮明で、それゆえに効果もあったのだと思う。

いずれにせよ、いろいろな形で長く鍛練を続けて生きたいと思わせる内容でした。
AD

義珍の拳

テーマ:
最近道場生のおじさんにお借りして読みました。

船越義珍、空手を沖縄から本土へ持ち込んだ先駆者としてご存知の方も多いでしょう。
この小説は義珍の生涯を綴ると同時に作者(今野敏)の空手への洞察を表現している。

興味深かったのは、現在我々が空手の型とし認識している物は沖縄に伝わる伝統の唐手(トゥディ)とは大きく異なり、腰は低く、大きく足を開く形に変形して伝わったということ。

これは、義珍の息子の義豪が4年間しか空手を稽古できない大学生に向けて考案した形であり、型を通じて長年の鍛錬により得られる力(ガマク、チンクチ、ムチミと表現されている:中国で言うところの功夫、我々の言うところの呼吸力に相当すると思う)ではなく、筋力とバネで力を得るために出来ているということである。

確かに、腰を深く下ろし、足を大きく開く形は動きにくく、実践では使い物にならないが足腰の筋肉を鍛えるためだといわれれば納得がいく。

また、型も平安は一般に広めるために考案された型で、一般に教える形と直弟子に教える形は全く動きが異なっていたそうである。

小説では空手が広まるに連れて本質が失われてゆく状況に苦悩する義珍の姿が描かれている。

やはり武道は広げると本質が失われる、師について深めるのが正当な有り方だと思いました。
AD
月曜日本屋で見つけた本↓

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海

¥1,680
Amazon.co.jp

表紙だけ見たら漫画のようだが、中身はドラッガーの「マネジメント」の入門編といっても良い。
至極まじめな内容であった。
ピーター.F.ドラッガー 知る人ぞ知るマネージメントの神様である。
ほんの数年前に95歳でなくなったが、戦前戦後を通じてマネージメントの概念を確立した偉大な思想家、経営学者である。
数年前に一冊本を読んだが、当時は眠くなるばかりで内容がちっとも頭に入ってこなかったが、ずーっと気にはなっていたので今回この本を読んでみた。
中々深い内容でしたので、今度は本物の「マネジメント」を読んでみたいと思います。

AD

読書記録

テーマ:
・100年企業、だけど最先端、しかも世界一   泉谷 渉

 100年を超える企業は日本には約10万社あるといわれる。もちろん世界一多い。
 ちなみに中国では1000社、韓国は5社しかない、ドイツで背800社、オランダで200社
 アメリカは14社らしい。
 企業はゴイングコンサーン、つまり永続性が求められるので、日本の企業のよさがここに表れている。

・ここが変だよ日本の会社          宋 文洲
・やっぱり変だよ日本の営業        宋 文洲
 
 最近はまっている宋さんの本。三冊読むと同じネタが見え隠れするが、書いている本質は「変わるのを恐れない」「違うことを恐れない」ことだと思う。
 最近流行のグローバルスタンダードで世界標準を押し付けられる日本であるが、物事の本質は「均一性」ではなく「多様性」にあるので、常識だけに囚われず、良い物はいい、これは合わない、と冷静に考える必要性を感じました。

・カンブリア宮殿 村上龍×経済人

 カンブリア宮殿では成功者を取り上げているが、その人たちの話を聞くと、皆、粘り強い。

・身命を惜しまず             津本 陽

 勉強疲れした時にはこの本。モチベーション回復になりました。

読書記録

テーマ:
年初の目標に読書をすることを挙げていたが、年明けから資格試験の勉強をしているにもかかわらず、結構呼んでいることに気づいた。

・トリプルAの中小企業経営
・ゼフィラム             楡 周平
・クリスタルボール          エリヤフ・ゴールドラット
・ランチェスター戦略 弱者逆転の法則 福永雅文
・勝間さん努力で幸せになれますか   勝間和代×香山リカ
・会社にお金を残さない        平本清
・農業で1000万円稼ぐ法        堀口博行
・ダメな会社ほど社員をコキ使う    宋文洲
・売れる組織             小松弘明

ほぼ毎週1冊ペースになるが、早朝は学習、夜は稽古と子供の相手、よく読んだもんだとちょっと感心してしまった。

そこでちょっと考えて見た。
読書をしたいと思ってもなかなか読み進めないことは多い。
それは読書自体が目的になってしまっているからではないかと思う。
特に興味は無いとか、周りで良いといわれてちょっと手に取った本なんかは意外と読めない。

最近、資格試験の影響で、経営に興味を持ったので、その手の本は知らない間に手にとって読んでいる。
読書が進むときのポイントは「そうか」ではなくて「やっぱり」と思うことだと気がついた。

つまり、今現在気が向かない内容の本は読み進むのに時間がかかるということ。
読書は大事だが、もっと大事なのは自分の周りの事物に積極的に興味を持つことだと思いました。
そうすることによって読書の動機が働き、知識の蓄積が増えるのである。
精神的に引きこもりにならないように気をつけよう。

読書記録 =暗号解読=

テーマ:
実は先月には読み終えていたが、試験勉強で長らくアップしていなかった本。

「暗号解読」 サイモン・シン

「フェルマーの最終定理」を著した筆者のサイエンスジャーナリズムの傑作ともいえる本。
暗号の歴史から種類、それに関連して古代言語の解読まで、順を追って分かりやすく説明している。

勿論、暗号の説明だけで終始しているのではなく、まるで読者が暗号を解読しているように錯覚する臨場感はこの著者のすごいところだと思う。
その筆力、伝える力はすばらしい。

暗号解読者はその性質上、歴史の表舞台に立つことは出来ない。
しかし、彼らの仕事が歴史上大きな働きをなしたことは間違いなく、彼らの偉業を丁寧な筆致で紹介している。

戦時中の暗号解読合戦から現代のネット上でのプライバシーの暗号化まで網羅した内容は非常に今の世を生きるものとして想像力と広い世界観を感じる。

何年か後にこれと同様の著書が出ることを待ちわびています。

読書記録=アレックス・カー=

テーマ:
本日までに読んだ本

「犬と鬼」 アレックス・カー
「良く考えてみると、日本の未来はこうなります。」 日下 公人
「数年後に起きていること」 日下 公人

アレックス・カー。この人は時々テレビでも紹介されているのでご存知の方も多いだろう。
日本在住数十年にして、徳島の山奥の祖谷にて江戸中期の民家を持ち、京都などの伝統家屋をプロデュースし、観光的に成功させている。
外国人の中でも指折りの日本通であることは間違いないであろう。

「犬と鬼」本書は日本の美を紹介する書物ではなく、どちらかというと現代日本に起きている日本の短所を様々な面から表している。
土建国家日本の側面(面積辺りの使用コンクリートは毎年アメリカの9倍)
軍事予算に匹敵する土木建築に要する公共事業費など。
「カワイイ」といわれる最近の文化(キティちゃんやポケモン)も幼児化していると否定的に書いている。
緻密な取材とデータによる指摘は「なるほど」と感心せざるを得ないほどに現実を浮き彫りにしている。
官僚の整えた制度はブレーキのないダンプカーみたいなもので、一旦決めたら変えることが出来ないからだと指摘している。

一方、日下公人の著書(上記2冊)は同じ面を見ながらも、楽観的に日本を捉えている。
「日本は超先端国である」「マンガは日本の先端文化である」などなど、マスコミに批判されそうな発言がバンバン出ている。
しかし、結構的を得ていて面白い。
「カワイイ」文化に対してもカー氏とは反対の捉え方をしている。
日下氏の考え方の根底には、日本はじんわり変わる国だということがある。
統計は既に起こったことを整理したものだから、出たときには現実はその先を行っているとも言っている。
つまり、目に見えない変化が既に起こっていてそれは数字では表せない。とも言っている。

2人の本には同じ内容を反対に捉えたことが所々に見ることが出来て非常に興味深く読むことが出来た。
カー氏は悲観論。日下氏は楽観論と言ったら言い過ぎだろうか。

読書記録 日下公人

テーマ:
最近読んだ本

=人事破壊= 日下 公人
 日下公人、どっかで聞いたような名前でちょっと興味があったのですが、最近カンブリア宮殿で出てたメガネ21で行われている人事破壊のネタ本を書いた人であることが分かったので読んでみた。
 
日本の労働形態の歴史を解説し、これからの人事制度はどうなるか、どうあるべきかを予想している。
 1996年の本だから、今見たら、その予想が大方正しいことが分かる。
 日本式雇用形態というが、年功序列は徴兵制に始まり、終身雇用などは戦後始まった新しい雇用形態であるという。

 それより昔は、能力主義、日雇いが大部分を占めていた。
 松下幸之助や本田宗一郎を見ると分かるが、戦前は丁稚奉公から始まっても若くして実力でのし上がっていったことは珍しいことではない。

 何故、今に続く日本式経営となったのかは、戦後生産性を上げて欧米に追いつくには安い賃金で皆に頑張ってもらわなければいけなかったからだそうだ。
 つまり、賃金を抑えるために、働きの良い若い時分に安い賃金に押さえ、その代わり、年をとって働きが落ちても給料が上がる仕組み(給与後払い制)を作ったのである。
 ちなみに今の月給制も労働者のモチベーションを上げる仕組みらしく、戦前は月給取りと言えば高級官僚くらいで、庶民の憧れだったことから月給制が労働意欲を高めることに寄与したらしい。(その過渡期に日給月給という制度もあったそうだ)

 上記の雇用形態はとにかく会社内で一致団結して生産性を上げようというやり方であり、物を作れば売れる時代の名残である。
 今のように、物があふれて売れない時代では崩壊しかかっているのは当然の流れとなる。

 では、どうすべきか?ここからは少々過激な意見であるので、読んでもらった方が良いと思う。


=バカの壁をぶち壊せ!正しい頭の使い方=日下公人×養老孟司

 日下公人と、バカの壁で有名な養老先生の対談集。
 なんか馬が合う二人のようであったが、タイトルは中身と全然合ってない。
 日本の共同体社会をテーマに挙げて語り合っている内容。
 
 まぁ、ありていに言えば、米国のやり方ばかり追っかけていては駄目だよといった内容。

日下公人さんは言っていることは結構過激で、日本も核を持てば良いとか、安保を止めて軍隊を持てなどといっている。
国粋主義者にも見えるが、要は日本も大人になれといっているようである。
日本の官僚主義は戦前から全く変わらず、融通が利かない、制度疲労を起こした組織の最たるものだが、そろそろ柔軟にやり方を変えないと手遅れですよ、と、言いたいのだろう。 

読書記録 成金炎上

テーマ:
先週までに読んだ本 =成金炎上 昭和恐慌は警告する=   山岡 淳一郎

第一次大戦~第二次大戦までに勃興した所謂「成金」の興亡を小説タッチで描いた作品。
主人公は鈴木商店の金子直吉と山下汽船の山下亀三郎であるが、そのほか当時のエリート階級(小説中ではエスタブリッシュメントと表現)である、井上準一郎(日銀総裁~大蔵大臣)や池田成彬(三井銀行筆頭常務~大蔵大臣)など、多士済々の人物が描かれている。高橋是清や後藤新平なども出てくる。

成金といえば、バブルに乗っかってあぶく銭を稼いだ人というイメージがあるが、そうでない人たちも存在した。
今で言うところの起業家というべき人も確かにいた。金子直吉や山下亀三郎はそういう人達と言える。
金子が起こした事業は神戸製鋼、帝人などの基となる。

金子が主導した鈴木商店は巨額な借り入れと昭和金融恐慌が原因で倒産したが、一次は三井三菱を凌ぐ売上高を計上する(一説によると日本の国家予算の20%)。成金と言うには規模が大きすぎる。

本書は成金と言われる人達の生態を書くようでいて、実は大正から昭和(第二次大戦前まで)の不況、恐慌の原因とそのときの世相を詳細に説明している。

昭和恐慌の時には娘を遊郭に売るだけでなく、子供を里子として引き取って親元から金を受け取った後殺してしまう等の非人道的な行為が半ば公認に近い状況であった。
それは現在の臓器移植のために売られる子供達の状況に重なる。
また、戦争景気の時には投機マネーが株式市場に流れ込み、企業の時価総額を異常なくらい押し上げたことも現代のバブルと重なる。

今の不況は決して今だけの状況ではなく、歴史が繰り返されているのだと率直に思いました。
先週読んだ本

・図解雑学 アメリカ 西岡 達裕

 アメリカってどんな国なんだろう?知ってるようで良く知らないアメリカについて勉強するために入門書を読んでみました。

 アメリカの2大政党はイギリスのような保革大政党ではなく、保守2大政党である。
 →アメリカという国は自由が土台にあるから、ヨーロッパで言うところのリベラル派が保守派ということになる。左の中の左よりと中道よりといった雰囲気か?

 メディケア、メディケイドという医療保障制度がある。(障害者や生活補助者への社会保障)
 →アメリカには国民皆保険は無い。が、社会保険制度がまるきり無いというわけではない。このような社会保障制度は主に民主党政権が作るのだが。

 最近のアメリカ政治を見ると、ルーズベルト、ケネディ、ジョンソン、クリントンなど、民主党政権のときの方が、より良い政治をしているように見えるが、歴史上全てがそうだったわけではない。
 分かりやすい例で言うと、リンカーンは共和党であった。


・知られざる巨大市場ラテンアメリカ 山口 伊佐美

 以前ブラジルについての本を読んで、そのポテンシャルに驚いたので、引き続きラテンアメリカについての同書を呼んでみました。

 ブラジル以外にも、メキシコ、アルゼンチン、チリなど経済的に順調な国は多い。
 メキシコ、アルゼンチンなどは2000年代初頭に通貨危機を起こしたので、経済的にはリスクが高いとのイメージがあるが、現在はそうではない。
 ラテンアメリカ諸国にいえることは、鉱物資源、食料資源が豊富であり、約5億人の同一言語(ないしはそれに近い)で結ばれた人口は十分な内需を生み出す市場でもあるということである。

 個人的には今まで経済破綻を起こしたことがなく、美しい自然を持つチリに住んでみたいと思う。