エコ・ブログトップへ スマイル・エコ・プログラム

新釈雨月物語

テーマ:書評
2007年05月08日(火)



石川淳

新釈雨月物語

 石川淳(1899~1987)という芥川賞作家の小説を読んだという人は、かなり年配の読書家を除けば今では少ないだろう。谷中庵主人はたまたま石川の孫を知っているが、彼を知るだいぶ前から石川淳の文章には惹かれていた。古今東西の文学に精通した昭和文壇の“巨人”だと思っている。


 上田秋成の『雨月物語』を自分で咀嚼し、現代に蘇らせた“石川版雨月物語”が本書である。「附録」として巻末に講演記録「秋成私論」を収めているのも、大いに役に立った。こういう怪異譚が好きでたまらんワシだが、石川の文章は雄渾というかダイナミックというか、ほれぼれする。秋成の雨月を自家薬籠中のものにしているのが分かる。


 ところが・・・読み終えて見ると、最後にワシの字で「1995年9月15日」と読了した日付が記してある。12年も前に読んでいたのだ。道理で本が黄ばんでいると思った。


 それにしても、読んだことをすっかり忘れてもう一度読むというのは、損なのだろうか、得なのだろうか。

Amebaおすすめキーワード

    あなたもエコ・ブログでブログをつくりませんか?