夜話 697 八女市に坂本繁二郎・山本健吉が生き返った | 善知鳥吉左の八女夜話

善知鳥吉左の八女夜話

福岡県八女にまつわる歴史、人物伝などを書いていきます。

夜話 697 八女市に坂本繁二郎・山本健吉が生き返った。


個展出品のため、その昔 八女市立図書館に寄贈していた絵『桜島(春)』を借りに行った。

係が出した借用書の様式を観たとたん、二十六年間の苦労が吹き飛んだ。

八女市立図書館の開館以来「坂本繁二郎資料室」は条例のない施設だったのが今回改められたということ。

借用様式を図書館が用意している一事で、坂本繁二郎資料室が図書館条例のなかにうたいこまれ、その条例により規則が出来その規則に基ずく借用書様式が決定したということである。

しかも坂本繁二郎資料室と同じ性格をもつ「山本健吉夢中落花文庫」も条例化されたことを意味する

両方ともに市の文化施設として平等性を持つ。

健吉文庫は平成七年五月オープンの形をとったのでこちらも十六年間無規則の文庫だったわけ。

坂本繁二郎室は坂本家から借用していた百点の遺品の取り扱いが杜撰だったため全部を返さざるを得なかった。規範のない資料室だつたからである。

条例規則がないために予算をくまない。

公金のつかない図書館に職員は公務実施の意思をもたない。

坂本家からの借用資料にカビが生じた。

山本健吉夢中落花文庫も無規範の施設だったため一万二千余点の資料の活用方法がないために、寄付物品を山本家から返却を求められ勲章勲記などを返却せざるを得なかった。

いずれも条例規則化していないため、裏付け予算が皆無で市民の利用が出来なかったのである。一例をあげると山本健吉の「芸術大賞」の記念時計の電池がきれたまま止まっても、放置されていた。

拙は両資料室の発足いらい深くかかわっていたので開館いらい条例化の進言を強く求めていた。

今回それが實現したということ。

積年の恨みがはれた。恨むところまで市が拙を追いこんでいたわけ。

関係現場職員の努力とその指示を命じた現市長ら幹部、特に教育長、課長、係長の努力に坂本、山本家遺族に代わってお礼申し上げる。

翻ると今迄放置していた前市長、副市長。教育長らの無責任ぶりが鮮明となった。

とくに教育長を経た副市長だった前任のO氏、それを補佐したS課長A係長は八女市の文化行政に永久に汚点を残さざるを得なかったことになる。

公務員のボケぶりは公務員なるがゆえに永久に糾弾されるのである。

「アマガエル」とあだ名を頂戴したO副市長やいかが。

教育長から助役となり辞任したのち助役になったことを「天下り」に例して「アマガエル」と言われた慇懃無礼を旨とした前助役の責任は重い。

岩戸山の「豪族の館」が焼失したのも彼らの無責任ぶりのため。

無保険のため四千三百万円の損失を八女市にあたえたのも、「豪族の館」に条例がなかったため。無規範のためだった。

この損失を生じたのも彼らの無責任からである。

これらの経験をいかし、煩わしい手続きを経て規範を造った方々に再度お礼を申し上げる。

この両施設は岩戸山歴史資料館や燈籠人形とともにやがて八女市の文化の中心になるはず。