たまには本以外の事も・・・


まずは、ボジョレー飲みました。


beaujolais


毎年、近所の酒屋に予約して購入してたんですが、

昨年は大きな病気をしてしまい、退院後あまり日が

経ってなかったため自重したので、気分的には

ずいぶん久しぶりな感じでした。



それから、機種変しました。

私は変わり者で、「WILLCOME使い」なのですが

今回「WS007SH」から「WS020SH」に機種変しました。

わからないひとには何のことやらですね。

どちらもいわゆる「スマートフォン」です。


ws020sh

こんな感じです。


機種変したのにデスクトップ(待ち受け)を同じに

設定してしまいました。


旧機

旧



新機

新2



新機種は基本タッチパネルになってるんで、

慣れるまでは使いにくいです。


これで2年間縛られます。がんばります。

歌野晶午 

世界の終わり、あるいは始まり


読了しました。


連続して起こる身代金目的の児童誘拐殺害事件。

子供たちは皆、拳銃によって誘拐後すぐに殺害

されていた。

そんな中、幸せな生活を送っていた一般的な

サラリーマンの富樫は、小学生の息子の部屋から

事件の被害者の父親の名刺を発見してしまう。

さらに次々と事件との関与を示すものが見つかり、

富樫は父親としてどう対応すべきか悩み苦しむ。


歌野晶午さんの作品は


葉桜の季節に君を想うということ



死体を買う男


に続いて3作目だったんですが、途中に「死体を買う男」を挟んでなかったら

読者なめとんのか!

って思ってたかもしれません。


って思うほど、「葉桜~」「世界の終わり~」もどんでんがえしが大胆というか

強引というか、そんなのありかよ!って思ってしまうほど強烈です。


「死体を買う男」もどんでんがえしがあるのですが、そんなに強引なものでは無く

ミステリィ小説として一般的であり常識的なものです。


それだけにこの2作、特に「世界の終わり~」は・・・笑ってしまいました。


また一人好きな作家が増えました。






折原一 倒錯の死角(アングル)

読了しました。


相変わらず、最近お気に入りの折原一さんの作品です。

それも、一番影響を受けた倒錯のロンドに続く、

倒錯シリーズ第2弾です。


翻訳家大沢芳男は、ある日自宅2階の窓から見える隣の

アパート201号室の女性が殺されているのを偶然見つけてしまう。

その後しばらくして201号室に入居した女を覗く大沢と、覗かれる女。

それが次第にエスカレートしていき、ピークに達したとき、

ついに惨劇が繰り返される?


この本を入手したときにまず最初に気付いたのは、後半の

401ページから416ページまでが袋とじになっているということです。


そこで、

「よーし、これは犯人当てだな。

気合入れて読むぞぉ!」

と、思って、読んでいたのですが、その意味では肩透かしでした。


あまり書くとネタバレになるので控えますが、犯人当てとかそういう

ことではありません。

物語の重要なことに関して先に読まれては困る事を袋とじにしたと

いう感じです。


私はしたこと無いのですが、人によっては「あとがき」を先に読んでしまう人が

いるというのを聞いたことがあるので、そういうことをされると困るので

こういう形にしたのかもしれません。


物語自体は「倒錯のロンド」に比べるとトリックに多少・・・というか

かなり無理がある感じです。


一応の「なるほど」感はありましたが私としては今回はイマイチでした。


それでもやっぱり折原一さんは好きな作家さんですのでまだまだ

たくさん読んでみたいです。

この方、結構作品数が多いんで大変です。


宮部みゆき「火車」

読了しました。


仕事中に撃たれたために、休職中の

身となっている本間は亡くなった妻の

親戚から、突然失踪した婚約者を探して欲しい

との依頼を受ける。

姿を消した彰子の後を追うと、そこには

自己破産者の悲惨な人生が現れてきた。


久しぶりに読んだ宮部みゆきさんの作品です。

相変わらずこの方は感心するくらい男の気持ちが

わかる方ですね。


登場人物は主役以下、多くは男性なのですが(うち一人は少年)

それらの気持ちをすごく自然に無理なく表現してくれています。


ミステリィというのは設定上どうしても男性が多く登場する

ストーリーになることが多く、それを女性が書こうとすると

追い詰められた場面や、咄嗟になにかを判断する場面等で

ちょっと無理があったり不自然さを感じたりすることが多かったり

するんですが、宮部さんの書く作品にはそれがまったく感じられないです。


また、「女性が書いているならでは」かもしれませんが、

どぎつい性描写などもないので、そういうのが苦手な方にも

お勧めな作品です。


ただし、題材はクレジットカード問題ということで、

ちょっと時代的には古いかな・・・という感じです。

折原一「蜃気楼の殺人」

読了しました。


結婚25周年を迎えた野々村夫妻は新婚旅行の

ルートをたどるように能登への旅行に旅立つ。

その旅行には妻には伝えられていない重大な

秘密が隠されていた。

野々村省三はその旅行中何者かに殺されてしまう。

また、妻の文恵も後を追うように能登路で遺体となり

発見される。

娘の万里子は両親の死の謎を解きあかそうとするが、

その邪魔をし、脅迫するものが現れる。


最近個人的に注目している折原一さんの作品です。

といっても10年以上前の作品なんですが。


最初にプロローグを持ってきているせいで、

中盤くらいまで読むとトリックや人物関係が大体

わかってしまうのがちょっと残念ですが、

それでも最後まで読ませてしまうところはさすがです。


もしかしたらですが、プロロ-グ無しでつくったら、「推理小説」

という定義上フェアじゃなくなったので、最初にプロローグを

持ってきたんですかね。

もしそうならすごいプライドを感じますけど・・・



貫井徳郎「修羅の終わり」

読了しました。

って言うか、してました。


なかなかブログに書く気になれませんでした。

というのも、この作品、


連続爆弾テロに狙われる交番。

犯行声明を出す組織。

それを追う、公安の特殊訓練を受けたエリート刑事。

ある売春組織を追う破天荒な刑事。

ある日突然記憶喪失になったところを偶然出会った

女性に助けられる青年。


という、いかにも最初にはこんがらがっている糸が

最後の最後できれいに一本に纏まりますよ!

っていう導入なんですが、読み終わってみると、


まとまらん!


って思ってしまいました。

多分自分だけじゃないと思います。

なんだか、最後の1章か、エピローグを

書き忘れたかのような感じでした。

そこを想像しろ!と言われればそうなのかも

知れないのですが、それにしてもちょっと何か

ヒントや説明が足りないような気がします。


また、詳しくは書けませんが、いくつか矛盾点が

あるようなので、せめてそのへんのフォローだけでも

していてくれればって感じだったんですが・・・


貫井徳郎さんは以前「慟哭」を読んで、その完成度の

高さに感動した覚えがあるので今回はちょっと残念でした。




※これは私の個人的な感想です。

読解力の低さ等が影響している可能性もありますので、

あまり鵜呑みにしないで下さい。


最後に貫井徳郎さんのファンの方が読んでたら申し訳ありません。

岡嶋二人「99%の誘拐」

読了しました。


20年前の誘拐事件に端を発する新たな誘拐事件。

犯人は直接その「手」を使うことなくコンピューターを

駆使し、完全犯罪を成し遂げる。

その犯罪の裏に隠された本当の意図は?


さすがに書かれたのが20年ほど前なので、

「コンピューターの最新技術」ってとこに関しては

おいおいと言いたくなるようなところもありますが、

全体的にはかなり細かいところまでしっかりと

書いていてすばらしいと思います。

ただ、細かいところにこだわりすぎたのか、

ミステリー小説にしては、起こる出来事(事件)が

少ないです。


好きずきかも知れませんが、私としては、

いろいろな事件がおこり、いろいろな登場人物の

思惑があり、後半のクライマックスで

もつれた糸が一気にほどけるようなストーリーが

好みなので、この作品は少し物足りなかったです。

今日は死刑囚を助け出すという2つの作品を、

高野和明「13階段」


記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすために、

誤って人を殺してしまい、仮釈放中の青年と、

その看守が力を合わせて過去の事件を

調査するが、思わぬ邪魔が入る。

冤罪を晴らすことを依頼した人物とは?

調査を邪魔しているのは誰なのか?

最後にはとんでもないどんでん返しが!


第47回江戸川乱歩賞受賞作です。

死刑囚の心理その生活。刑務官の心理、

死刑の方法やそのときの様子など大変詳しく

描写されており、知識欲も満たしてくれます。



朔立木「死亡推定時刻」


現役弁護士によって書かれた小説です。

まるで実際の弁護士日記を読んでいるように

リアルなところもあります。


地元の名士の一人娘が学校の帰り道に

誘拐され、身代金を要求される事件が起きた。

警察の判断ミスにより、身代金の受け渡しには失敗。

娘は遺体で発見される。

警察は目撃証言や指紋から無実の青年を逮捕し、

強引な取調べにより自白に追い込む。

第一審で死刑判決が出るものの、

形式上控訴することになり、選ばれた国選弁護人の

川井は証拠物件の多くの点に疑問を感じる。


自分的には、「13階段」を読んだすぐ後に「死亡推定時刻」

を読んだので、「13階段」を読んで、

こりゃすごい!名作だ!

と思ったんですが、その後、

「死亡推定時刻」を読んで、

実際現実ってのはこんなもんなんだろうなぁ・・・

って思ってしまいました。

両方ともお勧めです。


デュ・モーリア「レベッカ」

ついに読破しました。


一言で言うと、苦労しました。

大久保康雄さんの訳された、1971年に発行された

文庫本はほぼ直訳になっているのか、

特に物語があまり展開しない前半は

非常に読むのがつらいです。


後半は結構物語に入り込んでしまうので、

いいペースで読めましたが、

前半なんども挫折しそうでした。


これから読む方には茅野美ど里さん翻訳の

2007年発行の単行本か、2008年発行の文庫本を

お勧めします。


内容としては、

旅先のモンテ・カルロで知り合ったイギリスの大富豪に

見初められ、プロポーズされ、結婚することになった「わたし」

彼の大邸宅に行ってみると、そこに待ち受けていたものは

彼の前妻、レベッカの影。

レベッカは才色兼備、誰からも好かれ、召使や家で飼っている

犬はもちろん付近の住民など皆に愛されていた。

そんなレベッカは約1年前船の事故によって亡くなっていた。

死んでもなお、「わたし」の周りに付きまとうレベッカの影。


ある日邸で結婚の祝いを兼ねた仮装舞踏会が開かれ、

その翌日大変な事件がおきる。


って感じです。

レベッカが使っていたものや今でもレベッカを慕う召使いの

言動に怯える「わたし」の心理描写がすごく細かいです。

また、後半には軽いどんでん返しもありつつ、

エンディングはそのまま読んでも良くわからなくて、

改めて第1章と第2章を読み直して「なるほど!」

思えるつくりになっているなど、なかなか凝った

手法を使っています。


かなり時間を使ってしまいましたが

読んでよかったです。

ヒッチコック監督の作品で映画にもなっていますので

近いうちにDVDを借りてこようと思います。


デュ・モーリア「レベッカ」(下巻)

届きました。

今日からまた頑張って読みます。


ってことで、またしばらく時間が掛かりそうなんで

今日は、今までに読んだ本でおもしろかったものを

あげてみたいと思います。

折原一「倒錯のロンド」


登場人物それぞれにさまざまな思惑や

倒錯やとうさくがありそれがおもわぬ

じけんをひきおこしてしまいます。


途中まで読んだところで、「こんな

投げっぱなしみたいなことして

いいのかよ!」

と思ったほどに修復不可能なくらい

事件が展開してしまいますが、

最後にはきっちりと納得行くように

まとめ上げてくれています。



この作品に感動して

折原一さんの他の作品を

読んでみたくなったので、その後

「誘拐者」

買って読みました。

こちらは序盤からずいぶん複雑に

糸が絡み合っている感じまです。

誘拐された子供をめぐって、

追う女と逃げる男、

それに巻き込まれるたくさんの不幸な人たち。


最後の最後に真実が明かされますが、

私は読み終わったあと、今ひとつ

しっくりこないものがありました。

もしかしたら読みが足りないのかもしれません

機会があれば再読してみたいと思います。