鍼灸師という仕事は、身体の痛みだけでなく
人の苦しみにも、悲しみにも、悩みにも、日々向き合います。
「心」をよく知る者となれるよう、スタッフ全員、心理学のセミナーにも時々参加します。
先日、「援助者のためのグループワーク」に参加し「ゲシュタルト療法」を学びました。
講師は、臨床心理士の明石郁生先生。
参加者は、理学療法士、作業療法士、保育士など、援助職の方々12名でした。
セミナーでは、一人の心の中にある悩みをみんなでシェアして、
解決へのアプローチを実際に体験しながら学うのですが、明石先生は
自分の感じたことをつぶやける「安心な空間」を作り出すのがとても上手です。
信頼関係のできたグループ内で悩みをシェアする「グループワーク」という形は
参加者の心が共鳴してプラスの力が働くように感じます。
明石先生のセミナーは3度目ですが、
悩む人へのアプローチの仕方は毎回違い、問題解決へのプロセスが実におもしろく、
「こんな方法で悩みを解決できるんだ!!」とおどろかされます。
悩みを話す人の心や表情が徐々に変わっていく様子は、マジックを見ているようです。
実は今回、私の心の中にめぐっている悩みをテーマにして、
ゲシュタルト療法をしていただきました。
15分くらいのセラピーを終えて気づいたことは、
「自分の心を縛っていたのは、自分自身だったということ。
それに気づいたら心は変わるものだということ。」
長い期間心の中でぐるぐるとめぐっていた悩みが不思議なくらい形を変えて、
もはや悩みではなくなり、人生を教えてくれる材料のひとつとなっていました。
気分爽快でした。
悩み事は、ひとりで抱え込まないでシェアできる場所を持つことが大切ですね。
特に病気や怪我、介護では、ご本人もご家族もさまざまな悩みを持ちます。
大和鍼灸院でも、治療後に身体も心も軽くなってお帰りいただきたいと思っておりますが、
臨床心理士の先生によるカウンセリングやグループワークは、心のケアとして
やはりお勧めです。
明石郁生先生のホームページ → http://www.ikuoakashi.jp/