邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国熊本説にもとづく邪馬台国・魏志倭人伝の周辺と、一から始める日本書紀研究について
ぼちぼちと綴っていきたいと思います。


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 以前の記事で、熊本に行った目的の一つに「卑弥呼の墓が作られたであろうと思われる場所を見つけること」があると書きました。

 

 私は『邪馬台国は熊本にあった!』の中で、卑弥呼の墓は山陵や山頂を整形した直径25メートル程度の円墳であると考え、「邪馬台国である熊本平野を見渡すことのできる山上に直径二五メートルの円墳が築かれ、都の人々は常にそれを仰ぎ見、時には山を登って祭祀を行ったのではないだろうか」と幻想を記しました。

 それで、今回まずは高台から熊本平野を概観したいと考えていました。方保田東原遺跡を訪ねてからの移動でもあり、その周辺を探すと古代山城で歴史公園になっている鞠智城が目に留まりました。

 到着すると、八角形の巨大な建物(鼓楼)や米倉、兵舎などが目に飛び込んできます。

 高台にしては想像以上に広い敷地面積です。

 

◆鼓楼と米倉(左奥)

 

◆兵舎

 

 

〈鞠智城は、東アジア情勢が緊迫した7世紀後半(約1300年前)に、大和朝廷(政権)が築いた山城です。663年の「白村江(はくすきのえ)の戦い」で唐・新羅の連合軍に大敗した大和朝廷(政権)が日本列島への侵攻に備え西日本各地に築いた城の一つで、九州を統治していた大宰府やそれを守るための大野城・基肄(きい)城に武器・食糧を補給する支援基地でした。『続日本紀(しょくにほんぎ)』など、国の歴史書にも記載のある全国有数の重要遺跡として、平成16年2月27日に国史跡に指定されました。(歴史公園鞠智城・温故創生館ホームページより)〉

 

 標高は160メートル程度だそうです。とにかく熊本平野全体を見ようとしましたが、遠くに雲仙普賢岳を望む西方向以外は思ったほど眺望がよくありません。

 若干気落ちしながら公園内を散策していると、長者山展望広場というものがあることがわかりました。併設の展示館である温故創生館が休館日の月曜日だったためか、公園自体にも人が少なく、展望広場の方に歩いていく人は誰もいません。

 長者山展望広場休憩所に着くと、先ほどの駐車場近くの地点より視界が開け、さらに少し進んだところに灰塚展望所がありました。展望デッキが設けてあります。

 そこに登って、驚きました。360度の大パノラマが広がっているのです。

 西には熊本平野をはさんで金峰山方面の山地の向こうに雲仙普賢岳、北には不動岩や八方ヶ岳、東には阿蘇の外輪山、そして南は遠くまで熊本平野が望めます。

 

◆西~北西方面

◆北~北東方面

◆東~南東方面

◆南~南西方面

 

 まさに私が想像する卑弥呼の墓が造られたロケーションにぴったり合致します。この山を西へ下った台地には、うてな遺跡がありますし、方保田東原遺跡も比較的近くにあります。おそらくこの場所なら、熊本平野に展開するほとんどの拠点集落から見えるはずです(私は熊本平野の拠点集落ネットワークこそが邪馬台国であったと考えています)。

 また、ここは山上の窪地のようになっています。墓どころか、女王卑弥呼が城柵を厳かに設けたとされる宮殿にふさわしい立地であるのです。卑弥呼が邪馬台国全体を見渡しながらここで生活していたとしても不思議ではありません。

 しかしながら、鞠智城は7世紀後半以降の遺跡で間違いないのです。幻想は幻想のままかと思いながら熊本からの帰途につきました。

 

 ところがその後、鞠智城跡についての調査報告書を見て驚きました。鞠智城の存続時期に該当する土器の年代幅は7世紀中葉~9世紀後半であり、当然その期間の出土物が中心なのですが、実は縄文時代や弥生時代の出土物も見つかっているのです。邪馬台国の時代である弥生時代の終わり頃の土器なども一定量みつかっているようです。つまり、誰かが邪馬台国の時代にこの地で生活していたのは確かなのです。そして、白村江の戦い後の緊迫した時期にこの地を選んで山城を造ったということは、この地が地勢学的に重要な地点であったことを示しています。それならば、邪馬台国時代にもこの地に重要な施設、例えば卑弥呼が婢1,000人と暮らしていた宮殿があったとしても何ら不思議ではないはずです。

 鞠智城については、引き続き調べてみたいと思います。

 

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▼▽▼邪馬台国論をお考えの方にぜひお読みいただきたい記事です

邪馬台国は文献上の存在である!

文献解釈上、邪馬台国畿内説が成立しない決定的な理由〈1〉~〈3〉

 

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拙著『邪馬台国は熊本にあった!』(扶桑社新書)

 

 

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