2017-06-01 04:33:08

包容力の源

テーマ:MERA REAL

「あんたは包容力が足らんのよ」
タカハシには何度もそう言われた タカハシは周りからぼくの彼女と思われていた と思う 何度もデートしてるし きっとそうなのだ と自分でも思った でもタカハシは言う
「誰が彼女やって?」

 タカハシは都会に行ってヒロスエと二人で住むようになった ぼくは月一ぐらいかな 彼女達のところで駄弁っていた ぼくの話にヒロスエが言う
「愛でごはんは食べられないよ」

 ヒロスエは跳んでる女性だった 婚約したばかりの男性を好きになって遠くの県まで突撃していき あっさり振られて帰ってきた さばさばしていた すごいなと思った ヒロスエは話しやすかった ぼくはヒロスエを好きになった タカハシの居る前でヒロスエに好きと言った まるで相手にしてもらえなかった でも仲が悪くも気まずくもならず ぼくたちの関係はそのまま続いた ぼくは二人とも好きだった

 ヒロスエはその後親族の勧めで結婚して田舎に帰った タカハシとはその後もなんとなく続いていた それなりにいろんなことがあった 深いことも言われたしひどく怒られたこともあった いずれにしてもぼくの評価は高くない やることなすことスマートじゃなかった でもたった一度だけ、、、
「今のあんた かっこよかったよ」
 意を決して 結婚しよう なんとかなるだろ と言った時のこと でも 時すでに遅し 彼女はぼくの知らない人と結婚するらしかった 19歳で出会って10年以上も経った頃のこと その時にこうも言われた
「あたし処女なんやで 信じるかどうか知らんけどよ」

 今は昔の話、、、



 今が昔に続いている
 娘だった彼女たちが成長すれば こんな感じになってるんじゃないかと思える人達が今の職場にいる 当人達にそう言うと長谷川さんが応えて言った
「あら その人可哀想 成長してあたし程度なんて」

由紀さんが私の話に応えて言った
「あなた 何人好きな人いるの?」



「ぼく」も「私」も基本的には変わらない いつだって私は私 それでも経験は私を成長させる 経験は心に余裕をもたらす それは自信につながる 

 私は再び長谷川さん由紀さんの二人を会合に誘った 彼女達と話したいテーマがあった 彼女達となら話せるかもと思った 愛と性 自分の内にある種のイメージがあった 個人的な話ではなく一般論で語り合いたかった でも 話は思うようにはいかなかった 人はこちらの思うようには動かない、、、

 私は一足先にその場に着いて待っていた 由紀さんが来た 二人で「愛と性」のテーマに入るのは避けたい 由紀さんに聞かれるままに私の子供の頃のことなどを話していた まもなく長谷川さんも来た そのまま話は昔のことから今に移り由紀さんがこんなことを聞いてきた
「P子さんのこと 好きなの?」

 好き でも 私はみんな好きだよ そう応えた すると長谷川さんが言う
「でも 私たちとは違うでしょう」

 うん 違うかな でも どう違うのかがよく分からない

 由紀さんが聞く
「身を固める気はあるの?」
 ない そういうことは考えていない と答えた それが結婚という意味ならない
「P子さんをインドに連れてく?」
 場合によっては と答えた

 それはどういう関係になるかによる 先のことは分からない 分かるのは自分の心だけ 相手の心が分からないと先の予測が立たない 自分がP子とどういう関係になりたいのかもよく分からない 分かるのは自分の心が惹かれているということだけ P子はどんな人だろう? それが分からないと次のステップにいけない

 P子はどんな人だろう 彼女たちにP子の評判を聞いた 前は**にいたらしい **の人達の話だと独特のところがあるように思われているようだ 私にも思い当たるところがある 長谷川さんが言う
「でも 芯はしっかりしてるみたいってことだけどね」

 ふうん で長谷川さんたちはどうなの? と聞いた
「あたしはともかく由紀さんは怖がられてるだろうね」

 え? 逆じゃないの? と思った 続いて由紀さんが訳を話す
「あの人ね **の時に(注 **はきつい作業で皆で交代でやっていて由紀さん達はその割り振りもしている)『P子さんずいぶん疲れてるみたいって人から言われたんですけど どうすればいいでしょう?』って聞いてくるから それ自分のことでしょ あなたはどうしたいの? って聞いたら まるではっきりしないのよ それでカチンときてP子さんを**の仕事から全部はずしてやった」

 由紀さんらしいと感じた そして私は伊藤ちゃんのことを思い出した 



 伊藤ちゃんがぶつぶつ独り言を言ってた それが由紀さんの悪口 片付けの時間で職員たちしかいなかったとはいえ 由紀さんの悪態をつきながら仕事している どうしたんだ?って思った 会合の際に長谷川さんが私に言う 
「たまにあるんだけどいつも由紀さんの悪口 あたしのことは言わないんだよね」 

 知らない人がその光景を見れば驚くかもしれない でも大丈夫 ここにいるのはみんな仲間だ だからみんな知ってる 伊藤ちゃんはいい子なんだよ 伊藤ちゃんはすでに他の施設に異動してるんだけど 異動した後も休みの日にボランティアでここに来たりするらしい 彼女達の仕事は世間では3Kと呼ばれるもののひとつなんだけど 世間一般には敬遠され気味の仕事にボランティアでやってくる 
 世の中にはお金のためでも名誉のためでも義理のためでもなく動く人達がいる そういう人達がいる 伊藤ちゃんもその一人

 でもそんな伊藤ちゃんでもムシャクシャすることはあるよね そんな時ぶつける相手が由紀さんだったんだろうね 由紀さんは平然としている 内心は分からないがそう見える 由紀さんがそのことで言う
「だって言っても仕方ないじゃない」

 その伊藤ちゃんをたまたまスーパーで買い物中に見かけた 男の人と一緒に歩いていた その伊藤ちゃん すご~くいい顔してた 幸せいっぱいって顔だった
 由紀さんにそう伝えると由紀さんはこう応えた
「伊藤ちゃんは再婚したんだよね 息子さんも大きいんだけど (うまくいってるんだね)」
その時の由紀さんもすごくうれしそうないい顔をしていた 包容力の源がそこにあると思った



 由紀さんは自分の悪口を言う伊藤ちゃんを受け入れるのにP子のあの言動は悪口でもないのに受け入れない その違いだ そういうことなのだ 、、、、、私と由紀さんと長谷川さんはこの点で同じ価値観を共有しているだろう そしておそらくは職場の他のみんなも ただP子が微妙

 今になってどうして私がP子に惹かれるのかも分かったような気がする P子は「昔のぼく」に似ている P子は私と同じタイプなのかもしれない 

人の心は分からないけれど自分の心なら何とか分かる ぼくは内弁慶の臆病者だった

 「ぼく」も「私」も基本的には変わらない 内弁慶だったぼくは経験を重ねて出不精の私になった 臆病だったぼくは開き直って小心者の私になった

 同じタイプかもしれないP子はどんな人になるんだろう 気になってしまうわけで、、、、

 「誘ったの?」
 由紀さんが聞いてきた 2度外で会いたいと誘ったのだが答えがはっきりしない 断られてはいるのだが嫌いというのでもないようで いわゆるP子の例の自分のことなのにはっきりしない ってのが出てるわけで、、、

 「もう一度やるなら協力するよ 主任を部屋から誘い出してあげる」
 と由紀さん 
「保障できるのは3分 その先はどこまで引き止められるか分かんないからね 火曜なら主任いないからその辺が狙い目じゃないの」
 と長谷川さん

 そして私は5月の最後の火曜日に3度目を決行した

 



この話の続きは次か次の次ぐらいの記事をお待ちください 孤独な鳥はさらに高みを目指します
 

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

やまさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。