友達の3冊の本『明日も、アスペルガーで生きていく。』『日本の猫宿』『幼なじみ萌え 』を紹介します
東北芸術工科大学がある山形には既に雪が降った。
この季節が、都内と山形の気温差がいちばんあるのではないだろうか。
とにかく、寒いです。
今は卒業制作の提出期限を間近に控えた時期で、4年生は必死で追い込みにかかっている。ぼくのゼミの4年生は11人いて、ぼくも彼らの原稿を必死で読んでいます。
さて、今日は友人の本を3冊紹介したいと思います。先日、アメーバブックス時代の後輩2人とランチしたのだが、そろって本を出したばかり。まず国実マヤコさんが、『明日も、アスペルガーで生きていく。』(ワニブックス)を刊行した。最初の本である。
http://kunizane.com/
明日も、アスペルガーで生きていく。
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タイトルからもわかるように、 アスペルガー症候群についてのノンフィクションだ。
国実さんはアメーバブックスの頃から繊細な女性だった。
とうとう電車に乗ることができなくなり、退社。アスペルガー症候群の診断をうけたということだ。
結婚して一児の母となり、同じアスペルガー症候群の8人の当事者への取材を重ねて書いたのが本書である。生きづらさを抱えた人達の物語なわけだが、この本を読みながら、ぼくとしては反省することしきりだった。自分の理解があまりにも浅薄だったことを思い知らされるからだ。
うつ病やパニック障害の症状を訴えて病院を訪れる人が実はアスペルガーで、うつ病やパニック障害は二次障害だったという例が非常に多いのだそうだ。自分がアスペルガー症候群であることがわかると、多くの人が症状が落ち着くのだそうだ。これは、とても重要な事実だろうと思う。
気になる方は、是非ともお読みください。余計なことのようですが、カバーイラストの女の子は国実マヤコさん自身がモデルなのかね? そっくりです。
日本の猫宿
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2冊目は、小林希さんの『日本の猫宿』(エクスナレッジ)。
北は北海道から南は奄美諸島まで、猫がおもてなしするオススメの宿を紹介している。いくつかは、ぼくも知っている宿だ。
カバー写真は、これはきっと加計呂麻島だろうなぁなどと思いながらページをめくった。小林希さんは大学にも来てくれたことがあるので、学生達にもお馴染みだろう。
しかし、この本の取材は相当にたいへんだったろうと思う。パワフルだなぁ。見習わないとなと思います。
ところで5/25発売の『文芸ラジオ3号』に書いてくれた短編小説『シエル』は好評です。これからはきっと小説もたくさん書いていくだろう。と言うか、書いてほしいと思います。
https://note.mu/nozokoneko/n/nac3bc6664b8b
※国実マヤコさんと小林希さんのお2人はいわばぼくの後輩で、今ではこちらが教えてもらうことのほうが多いのですが、ま、ヤマケン門下です。どうぞよろしくお願いします。
幼なじみ萌え ラブコメ恋愛文化史
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3冊めは、文芸学科の教員仲間である玉井建也さんの『幼なじみ萌え ラブコメ恋愛文化史』(藝術学舎/幻冬舎)。文芸学科の男子学生が企画立案して、ぼくが編集長をつとめる藝術学舎が発行し、幻冬舎から発売される本です。玉井建也さんの最初の本です。
うちの編集部で用意したコピーです。↓
可愛いのになぜ勝てない!?
隣家に住む幼なじみの同級生が朝起こしにくるシチュエーションは、
果たして理想なのか――。
恋愛小説の歴史を追いながらラブコメにおける幼なじみの位置づけを分析し、日本の文化史・恋愛史を読み解く。
玉井建也さんはアニメやゲームやライトノベル──いわゆるコンテンツに精通している、本職は歴史を専門とする研究者です。文芸学科ではそろそろゼミ分けをしなければならない時期なのですが、毎回「ラノベを書きたい人は迷わず玉井ゼミを選んでください。ぼくには無理だからさ」と言ってます。
本書を一読すると、幼なじみをキーワードにコンテンツのことが理解できるようになります。ほんと。編集者として玉井さんにお礼を言わないといけないね。玉井建也さん、ありがとうございました!
※ちなみに、小林希さんが『シエル』を書いてくれた『文芸ラジオ』の編集長が玉井建也さんです。
文芸ラジオ 3号
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