くるまの達人

とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?


テーマ:
ワイン醸造家
仲田晃司さん


海外に出たことによって、僕、バカに
なれたんです。言葉も分からない、習
慣も違う、それまでの接点やしがらみ
のある人もいない。そういうところに
立てば無知で当たり前なんですね。

僕はもともと小心者なんですけど、こ
こでは自分は赤ちゃんみたいなもんな
んだ、知らないことだらけで当たり前
なんだと思えたから、とっても大胆に
なれたんです。

なにしろ、現地では知らない人がいな
いほど有名で、本来ならば近寄るのも
遠慮してしまうような方に、“僕の作
ったワイン、試していただけませんか?”
って平気で話しかけるような有様だっ
たんですよ。もし日本にいたら、無知
を恥ずかしく思ったり、逆に余計な知
識が邪魔したりして、これほど大胆に
はなれなかったと思います。

もちろん、フランスでワインを作りた
いという強い目的意識があったことは
確かです。

学生時代のバイト先で、仕事に必要な
知識だからという理由で勉強し始めた
ときにはおいしさが分からなかったワ
インなんですが、あるとき友達と一緒
に飲んだときに、すごくおいしいって
感じたんです。

それからどんどんハマって、いつしか
自分で作ればもっと好みのおいしいワ
インが作れるんじゃないかって思うよ
うになったのが、今の道へ進んだきっ
かけです。

若気の至りというか、とんでもない思
いこみなんですが、大学を卒業する頃
には、絶対にフランスへ行ってワイン
づくりをするって決めてましたから。

24歳のときに単身渡仏して、28歳でな
んとか醸造家として独立できました。
フランスでワイン醸造家になった初め
ての日本人ということもあって、注目
していただけることになったんですが、
それまでの間、本当に無我夢中でした。

言葉を覚えて、最初は電話の対応もし
てくれなかった業者の方への信用を築
いて、仕事や社会の仕組みを覚えて。
衣食住の心配をしなければいけないほ
ど貧乏で、現地で知り合った今の妻や、
周りの方々の支えがなければ、夢は叶
わなかったと思います。

けれども今になって当時のこと思い返
してみると、やはり大胆になれたこと
がとても重要だったんだと確信できま
すし、どの分野においても同じ事が言
えるような気もします。

例えば会社に勤めている人でも、会社
の外に出たら、知らないことだらけな
わけじゃないですか。新しい仕事を始
めようと思って、その仕事の世界へ飛
び込んだら、そこもやっぱり知らない
ことだらけなわけじゃないですか。

そこでその世界の赤ちゃんになって、
大胆に吸収して、大胆に自分のことを
分かってもらえるように努力すれば、
きっといいことがあるんじゃないかな
って思うんです。

ただし、前の会社ではこういう立場だ
ったんだとか、前の仕事ではいくつも
賞を獲るような活躍をしてたんだとか、
そういうことを引きずったような態度
では、きっとうまくいかないと思いま
す。

行動を、自分の見られ方を意識した範
囲に狭めてしまうと思うんです。

ワイン作りの歴史が長いフランスで、
僕が学ばなければならないことは、ま
だまだ膨大です。でもだからこそ、ワ
インを作り始めたころの初々しい気持
ちで大胆に取り組めているような気が
しますし、そういうワイン作りを続け
ていきたいと思うんです。

Interview, Writing: 山口宗久


「かもめ」2007年6月号掲載
※内容は、すべて取材時のものです

※記事掲載への思いについて。


山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
Twitter / nineover
facebook / Yamaguchi Munehisa


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