H商店のH君 3 最後の日は青空

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H君は中三でも身長は150cmほどで、卓球部だった。


なぜだか私を、「閣下、閣下」と呼んだ。


年賀状が戻って来て以来、私は彼と話すことを避けていた。彼の家に遊びに行くこともなくなった。





区画整理でH商店の建物が撤去されたと同時に「そうめんや」はやめたようだ。


所詮小狡い性格は、地元で長く商売を続けることには向いていなかっただろう



H君はどこかで元気にしているだろうか。


中学の卒業式の後、校門を出たところで「じゃあ」と言ったのが最後になった。


その日はとびきりの青空だった。



彼が私に送り返した年賀状は大事に保存してある。


年末にそれを見て、手紙は鉛筆で書くものではないと確認する。

年に一度だけ彼のことを思い出すのである。


(続く)



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