雫井脩介 殺気! | 山茶のブログ

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殺気!/雫井脩介
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内容(「BOOK」データベースより)
大学生のましろは、12歳のとき、何者かに拉致、監禁された経験があった。無事に保護されたが、犯人は不明のままだ。今、当時の記憶はない。というのも、ひどいPTSDを抱えたため、催眠療法を受け、その出来事を頭に封じ込めてしまったからだった。そのためか、ましろには特異な能力があった。防御本能が極端に強く、周囲の「殺気」を敏感に感じ取ってしまうのだ。ましろの不思議な力に興味を持ったタウン誌記者の次美は、彼女の過去を調べ始める。やがて、拉致・監禁の真相が明らかになるとき、新たに恐るべき事件が…。


雫井脩介の作品は4作品目?かな。

7年前ぐらいに「虚貌」を読んでから、意外と気に入っています。


面白かったです。

相変わらず、主人公の沈んだ気持ちを書くのが上手いですね。

最初はタイトルから帯から怖いのかなと思った。

サスペンスなのかと思いました。

が、全然違いました。


昔の友達との話、昔の話、今の生活の中での出来事が

面白く軽快に書かれていて

まさしく青春ミステリー男の子女の子って感じでした。

友情を押し出している感じはしないのだけれども、

強く友情を感じます。音譜


読んでいて、主人公ましろは、いやぁ空気読める人だと感じました。

そして最後のほうにも書いてたけど、

純粋で素直で、だから殺気を感じる能力があるのだなと感じました。

こんな人が周りにいたら惚れてまうやろニコニコ


殺気を感じるのって便利だなと思ったが、感じるとそりゃ怖いよね叫び

自分に危害がないのなら感じたくないなとも思いました。


他にも、

リック・フレアーの話とそれを真に受けるシモベ君が面白かった。

「フゥウウウウウウーー!」

はツボです。バカです。アホです。


アウトサイダー」のグリースとソッシュの話とか面白かったし、

それを得意げに話す友達も面白かった。

こういう人って世の中全部それで分けてるのだろうな。


ファッションコンテストの話も面白かった。

絶対、ショップデザイナーの人ってこんな人だよ、

って思う人が出てくるし。

僕はファッションに興味がないけど、

興味がある人は読んでて楽しいかも。


そして、メインの話とは外れますが、

人に良い事をされたら、返さないとなと思った。

された人間は感謝の気持ちを忘れてはいけないと思った。

おにぎりひとつくれただけでも忘れてはいけない。

2年前、同居人に

「幸せは返すものだよ」

と自分で言ったんだけど、言った本人が忘れてた。

そんな気持ちをふと再確認しました。


400ページぐらいあると、それなりに充実しますね。

ただ、ページ数があるから充実しているという気もします。

もう少し雫井脩介ならではの重みが欲しい気もしました。

雫井脩介は大衆向けで読みやすいので、オススメです。


★★★☆(7点)


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