「公契約条例」は、区が委託する公共事業において官製ワーキングプアが発生することを防止すると同時に、民間に委託された公務公共サービスの品質を確保することを目的として、区と民間業者との間の契約の在り方を規制するための条例です。

 06年7月、埼玉県のふじみ野市営プールで小学生が吸水口に吸い込まれて死亡するという痛ましい事故が発生しました。ふじみ野市営プールは、事故時には、ボルトではなく針金で排水溝のフタを仮止めしている状態が恒常化し、プールの監視員には熟練のない学生アルバイトが配置され、監視員のための安全講習も行われていないという状態でした。当時のマスコミ各社は、この事件の原因を市職員個人の危険認識の希薄さやプールの管理を委託された業者の安全管理のずさんさに求めましたが、より根本的な事故原因は市営プールの管理をめぐる構造的な問題に潜んでいます。

 小泉構造改革以来、公共事業の民間委託や指定管理化の流れが加速の一途をたどって来ました。こうした中で、業者の看板・広告にもなる「公共事業受託業者」という実績を得るために、業者は公共事業の受注に殺到します。熾烈な競争入札を勝ち抜くためには、業者は入札において他の業者よりも安い価格を提示しなければなりません。もともと利潤を生み出すことが難しい公務公共サービスの領域で低価格を競うことは、無理なコスト削減を行うことにつながります。過当なダンピング競争の結果、労働者が不当に安い賃金のもとで働かされることになったり、安全管理がおろそかにされたりしています。ふじみ野市営プールで起きた事故は、こうした「安上がり行政」のもたらした惨劇です。

 公契約条例は、公共事業の民間委託や指定管理化が拡大している現状を踏まえ、公務公共サービスを民間の業者が行うことによってもたらされる弊害を最小限に食い止め、価格よりも「社会的価値」を優先して公共事業の委託先業者の選定を行う仕組みを整備するための条例です。「社会的価値」の具体的な内容は、適正な賃金及び労働条件、環境保全、人権擁護、障がい者雇用、男女の雇用の機会均等などです。安値の叩きあいに業界自体が疲弊している現状を克服し、「社会的価値」を重んじる業者を優遇することで業界全体の健全な活力を高めようとするのが公契約条例です。価格を最優先の基準として委託先業者を決めてきた従来の競争入札の在り方を抜本的に改め、入札によって政策誘導を行う「政策入札」を担保するための条例とも言えるでしょう。

 2000年代に入って、自治労と自治労連がナショナルセンターの違いを越えて連帯し、全建総連のような業者側の労働組合からの要求も高まる中で、各地の議員、市民、学者たちの間で公契約条例の学習と検討が深められていきました。01年には東大和市で公契約条例の制定を求める議会請願が採択され、08年には、住民票入力業務の偽装請負問題の告発に端を発した武庫川ユニオンのストライキ闘争を踏まえて、兵庫県尼崎市で公契約条例が議員提案されました。こうした流れの中で、09年には千葉県野田市で公契約条例が実際に制定されています。労働組合などの運動によって、公契約条例制定を求める陳情の採択や国に公契約法の制定を求める意見書を可決した議会は、都内33市区1村に広がっています。

 新宿区では、残念ながらまだ公契約条例は制定されていません。落札業者に「労働環境チェックシート」を提出させて、現場労働者の賃金や労働条件をモニタリングする仕組みは既につくられていますが、より完成度の高い公契約条例の制定が求められます。昨年、新宿区では、区の業務委託で起きた違法な二重委託が、労働者とその相談を受けた共産党区議(田中のりひで区議)の力で是正されるという事件が発生しました。区の行う路上喫煙禁止のパトロール業務を落札した業者が、派遣契約と称して他社に丸投げし、労働者の賃金をピンハネしていたものです。労働者の賃金は、もともと月13万円だったものが、二重委託が行われたことによって9万円へと激減しました。田中区議からの申し入れを受けて、区は業者を指導し、違法な二重契約は解消されましたが、公務公共サービスの現場でこうした事態が発生することのないようにするためにも公契約条例を制定する必要があります。

 国際的にはILO(国際労働機関)により公契約に関する条約(94号条約)が採択されています。しかし、日本はこの条約を批准していません。今後は、ILO94号条約の批准を念頭に置きながら、新宿区に対しては「公契約条例」の制定を、国に対しては「公契約法」の制定をそれぞれ求めていくためにやすだ祥平は活動します。

2011年1月12日の区議会環境建設委員会に、長い間、空地(約1千坪)となっていた新宿区弁天町の参議院宿舎跡地を、区が取得し、知的障害者の福祉施設と早稲田南町の区営住宅の建替え用地として活用するとの報告がありました。
この国有地は、かねてから地域住民から「いつまでもあのままではもったいない。一日も早く、区が取得して福祉施設などの建設で有効活用をすべき」と願っていたもので、日本共産党区議団も同様の要求を度重ねて区議会で取り上げてきました。
今回、区がこの国有地を取得し、福祉施設・区営住宅建設の計画に至ったことは「朗報」でありますが、未だ、詳細な土地利用計画や、現存する早稲田南町第2アパートを今後どう活用するかも含めて地域住民の要望が取り入れられるよう努力してまいります。
今後、この計画がどのように進捗するかなどの詳細については、順次ご紹介します。

12月19日(日)、日本共産党牛込北地域後援会の主催により、毎年恒例のもちつき大会が開催されました。今年で第37回目のもちつき大会です。晴天に恵まれ、40人を超える方々がお手伝いに来てくださいました。心からお礼を申し上げます。今年のもちつき大会には全部で約100kgのもち米が使われました。当日販売のお餅は完売、前売り券の売れ行きも盛況でした。お手伝いいただいた方々をはじめ、多くの方々のご協力によって今年のもちつき大会は大成功のうちに終わりました。本当にありがとうございます。

 田舎の農家では、今でも餅つきが年中行事となっています。皆さんは、お餅のつき方をご存知ですか?今回はもちつきの手順を簡単にご紹介します。

(1)もち米を水でとぎ、一晩水にひたす。

(2)せいろでもち米を蒸す。

(3)木臼に入れ、力いっぱい杵で叩く。

 どうです、簡単そうに思われるでしょう?ところが実際にやってみると、これがなかなか簡単ではないのです。餅のこね方、杵の振り下ろし方にもコツがあって、熟練を要します。私も先輩の皆さまに教えていただいて、やっとのことで餅をつけるようになりました。

 日本共産党牛込北地域後援会では、もちつき大会をはじめ、年の節目ごとに年中行事を催しています。1月9日(日)には、成田山初詣を企画しています。どうぞ奮ってご参加ください。皆さまのご参加をお待ちしております。(成田山初詣は参加費7000円、当日7時15分東京シティ信用金庫前集合、詳しくは安田080-5440-1956まで。)