ピンザの島

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「あん」以来、大ファンになっているのがドリアン助川さん。
 
これは、「あん」の後に書かれた作品。
 
よかったどー。
 
島の情景、空気感をめいっぱい感じながら、
一緒に森や洞窟の中をさまよい、息苦しくもさえあり―。
ピンザとはヤギのこと。
よそ者が、その島でヤギのチーズを作ろうとするのだけれど、
島には島の食文化があり、掟がある。
生きるということ、命とは、
やはり、ドリアンさんが問いたいのはそういうところ。
 
「そして世界がもうひとつうまれる」
といメッセージは、「あん」とも共通する。
 
私たちは、社会の役に立つために生まれてきた、とかそんなことじゃなくて、
世界をみるために生まれてきた。
窓からみえる景色や、空や星や、あらゆるものを見るために。
私という存在がなければ、世界は存在しない。
世界を感じる私がいてはじめて、世界がうまれる。
 
そんなメッセージだった。
表現は、私流の解釈だから、正確ではないけれど。
 
私、この考え方に出会ったとき、
バーッと目の前の霧が晴れたような気がしたのだ。
存在すること、存在したこと、そのものが尊いことだと思えて、
涙がとまらなかったのだ。
 
ヤギのチーズと一緒に、この本を読んでください。
 
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そういえば、南仏のアベンヌに滞在していた時、
50キロぐらい離れたロックフォール村へ行ったことがあった。
チーズカーブのひんやりした空気感を思い出す。
近くのラベイルの鍾乳洞のにも入ったが、その昔は墓場だったそうで、
骸骨の展示ととともに、チーズとワインが並んでいた。
そんな体験もあいまって、ピンザの島がとてもリアルに感じられるのでした。
 

 

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