不法滞在のフィリピン人ニューハーフと日本人の男を結婚させる裏ビジネスの存在が埼玉県警の捜査で明らかになった。日本人の男とフィリピン人女性を偽装結婚させたうえで女性の旅券を流用する手口で、同県警はカップル3組6人を公正証書原本不実記載容疑などで摘発。

 そのうち1人は、元群馬県太田市消防職員竹沢純被告(35)(公正証書原本不実記載の罪などで起訴)で、市消防本部は12日、今月4日付で懲戒免職にしていたと発表した。

 市消防本部の発表によると、竹沢被告は昨年12月7日に埼玉県警に公正証書原本不実記載・同行使などの容疑で逮捕、同月28日に起訴された。

 1993年に市消防本部に採用され、逮捕時は大泉消防署城之内出張所で、消防司令補として救急や消火活動にあたっていた。

 「夫婦」として暮らしていたニューハーフのフィリピン男性被告(40)とは、97年に前橋市の県消防学校に研修で入校した際に、市内のフィリピン・パブで知り合い、交際を始めた。その後いったん別れたが、2007年2月、別のフィリピン人女性の名前で太田市に婚姻届を出し、8月には在留資格の認定を受け、10月に市に偽の外国人登録をしたという。

 竹沢被告の性格はおとなしく、勤務態度はまじめだったという。偽装結婚については、「同性愛者ではないが癒やされた」と埼玉県警などに語り、ニューハーフの入国などを手配したブローカーに、100万円以上支払っていたという。偽装結婚後に得た約50万円の扶養手当のうち、今年度分の約20万円は既に返還し、残りも返す意向を示しているという。

 記者会見した青木節雄消防長と大泉消防署の柿沼健一署長らは「公務員が公文書を偽る極めてまれな事件」と沈痛な表情で謝罪した。懲戒免職から1週間以上たってから公表したことについては、「捜査に協力するため」と釈明。

 市消防本部は青木消防長と柿沼署長を文書訓告にしたほか、上司だった8人に厳重注意を行った。清水聖義市長も12日、「規律維持の徹底を図っていきたい」とのコメントを発表した。

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