■「日本人になりすまし」

 朝鮮学校への高校授業料無償化適用をめぐり、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が生徒の父母らに文部科学省に適用を要請する電話攻勢をかけるようノルマを課していたことが12日、内部文書から分かった。同時に、複数の日本人になりすまして電話回数を稼ぐよう指示。総連の無償化運動がモラルを著しく逸脱し、北朝鮮同様に統制された組織動員のもとで展開していた実態が明らかになった。

 朝鮮総連関係者から入手した内部文書によると、指示は朝鮮学校への無償化適用が先送りされた後の5月7日に朝鮮学校生徒の母親らが所属する総連傘下の女性団体などに出された。

 文書では「『高校無償化』がわれわれの学校に適用されるまで全組織、全同胞を立ち上がらせ闘争し続ける」とげきを飛ばし、無償化適用を求める署名を「1人当たり100人」集めるよう指示。文科省が開設した無償化の相談窓口「高校就学支援ホットライン」を通じて無償化即時実施を求める要請活動を展開するようにも命じた。

 文書にはホットラインの電話番号が目立つように書き込まれているが、関係者によると、この文書が出された際、総連幹部は「在日としてだけでなく、一般の日本人になりすまして複数回電話するように」命じたという。関係者は「日本人も適用に賛成していると見せた方が効果がある」と、意図を説明する。

 文書では「高校無償化闘争」についてのDVDなどを積極活用して民主党の地方組織や地方議会へも強く働きかけるよう求めている。さらに、活動結果について「5月29日」「6月26日」「7月10日」「7月31日」と期限を指定して報告ノルマを課し、集めた署名数のほかホットラインへの電話回数も報告を指示している。

 朝鮮学校無償化をめぐっては、文科省の専門家会議で適用の是非を検討中だが、同省によると、ホットラインには「朝鮮学校にいつ無償化が適用されるのか」「一日も早く適用してほしい」との意見が実際に寄せられており、「正確な数は集計していないが、少なくない」(文科省担当者)という。

 なりすましについて、担当者は「匿名の電話が多く、時間帯で電話を受ける職員が代わるため、同じ人物が電話してきても分からない」と話した上で、総連による動員については「コメントしかねる」としている。

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