2007年07月08日(日) 15時07分51秒

点字楽譜の現状

テーマ:ブログ
私たち視覚障害音楽家が日頃使用している点字楽譜。
現在、主な入手方法としては
 1. 楽譜専門の点訳グループから、既に点訳されているものを購入する
 2. 市販の五線譜を購入して、新たに点訳を依頼する
上記2つの手段が考えられる。
楽譜点訳グループには、私も日頃からたいへんお世話になっている。
以下に主な楽譜点訳グループのURLを掲載する。

--- 主な楽譜点訳グループ ---

楽譜点訳の会「星」

点字楽譜普及会「トニカ」

楽譜点訳の会「ポコ」

楽譜点訳研究会

藤沢市楽譜点訳グループ「アンダンテ」

楽譜点訳サークル「アダージョ」

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その他の入手方法としては、視覚障害者の情報ネットワーク「ないーぶネット」から検索するという方法がある。

ないーぶネット メインページ

現在、点字楽譜は、既存の五線譜を元に、人間の手によって点訳・供給されているというのが現状である。
さらに、一般的に見れば点字書の需要は低く、点字楽譜となると、さらに利用者は少ない。
そのため、希望する楽譜を即座に入手することは、時に困難を要する。
そして、これが視覚障害音楽家にとって、大きな悩みの種でもある。
たとえば、レッスンで「来週までにこの曲を譜読みしてきてね」と言われても、曲によっては、点字楽譜を入手するのに数週間かかってしまうこともありうる。
また、ピアニストが伴奏を依頼された場合や、アンサンブルをする場合など、楽譜をすぐに入手できないことが音楽活動の妨げになることもある。


そんな中、他人の力を借りなくても、すばやく点字楽譜を入手できるようになるかもしれない自動楽譜点訳システムが開発されつつある。
現在は開発段階であり、まだ実用的とは言えないが、横浜国立大学が「楽譜点訳システム」というものを研究しているようだ。

横浜国立大学 楽譜点訳システム

このシステムは、コンピュータ上で楽譜情報を管理するデータ形式の一種である「MusicXML」を点字楽譜に変換し、BASE形式の点字データとして出力するもの。
これを使えば、インターネット上などで公開されている「MusicXML」形式の楽譜データから点字楽譜を作成することが可能である。
また、一般の楽譜作成ツールで「MusicXML」に対応しているソフト(スコアメーカーなど)の楽譜OCR機能を利用して、五線譜をスキャナで読み取り「MusicXML」に変換。
そのデータを「楽譜点訳システム」にかければ、市販の五線譜から点字楽譜を作成することも可能である。
こうして自動点訳されたデータを、点字ディスプレイや点字プリンタによって出力させれば、点字楽譜として読むことができる。

私も実際に昨年の11月、知人のIT技術者から紹介を受け、このシステムで自動点訳された点字楽譜を試してみたことがある。
あれから既に8ヶ月は経過しているので、現在の開発状況がどうなっているかはわからない。
ただ当時の状況だと、まだ対応していない記号も多かったし、複雑な楽譜などは、かなり変な点訳がされていた。
でも、全く読めない…ということもなかったように記憶している。
この楽譜自動点訳システムが実用化される日はまだ先の話だとは思うが、これからも注目していきたい、画期的なシステムである。


それと、これは少々余談になってしまうかもしれないが、私が作曲に用いているソフトの一つに「ビースコア」という楽譜作成ツールがある。

ビースコア公式サイト

「ビースコア」は「株式会社 マイクロ・シー・エー・デー」が開発・販売している。

マイクロ・シー・エー・デー公式サイト

これは画面上で楽譜を確認しながら、点字楽譜を打ち込むことができるソフトである。
ビースコアで作成した楽譜データは、点字印刷に加えて五線譜印刷することもできるため、私はその機能を生かして、自分の作品を五線譜化させている。
このソフトを点字楽譜の普及にどう活用できるかをここで明言することはできない。
しかし少なくとも、ビースコアの機能を一般の楽譜作成ツールと連動させることが、点字楽譜を需要の有無に関わらず、五線譜と対等に供給することへとつながるのではないだろうか…。


私も一視覚障害音楽家として、今後の点字楽譜の普及に、できるかぎり尽力していきたいと思う今日このごろである。
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コメント

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1 ■Re: 点字楽譜の現状

YOUTAさん

BrailleMUSE(点字楽譜自動翻訳システム)のオーナーです。BrailleMUSEも2007年当時から点訳機能もだいぶ改善していますので、もう一度お試し頂ければと思います。当時からのおもなな改良点は次の通りです。

<主な改善点>
1.点訳可能な楽譜記号を大幅に拡張。
2..musicsheetの電子楽譜を点字楽譜で提供します。管弦楽やピアノ曲などクラシックの楽曲を中心に1000曲以上を点字楽譜で公開中。
http://www.musicsheet.jp/
3.MusicXMLの最新バージョン(Ver.2.0)をサポート。(ただし、済みませんが、旧バージョンの楽譜では機能向上の効果があまりないかもしれません)

<最近のトピックス>
1.「旅立ちのときコンサート(24時間TV、20101年8月)」の点字楽譜作成に楽BrailleMUSEが使われました。15パートをBrailleMUSEで翻訳、点訳者の松永さんの校正して頂き、数日で完成したと聞いています。
2.二年計画でBrailleMUSEとビースコアを統合したシステムの開発を共同で進めています。これができると、市販の楽譜や、フィナーレやスコアメーカーで作成した楽譜をビースコアで取り込めるようになります。また、ビースコアで作成した楽譜を電子楽譜で出力できるようになります。

以上、点字楽譜自動翻訳システムの現況の報告です。ご要望があればメールにてお寄せ下さい。

そうそう、下記のページもご利用頂ければと思います。

http://www6.plala.or.jp/Braille-Score/



2 ■ありがとうございます

<BrailleMUSEのオーナーさん>
はじめまして。
色々と情報をいただきありがとうございます。
このようにして、私たちの活動環境がより良く便利になっていくことは、本当にありがたく、いつも感謝しております。
ビースコアの開発にも、微力ながら協力させていただくことになっていますが、これからも自分たちのバリアを少しずつなくしていけたらと思っています。
お世話になりますが、どうぞよろしくお願いします。

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