アフガニスタンで08年8月、NGO「ペシャワール会」のスタッフとして活動中に殺害された伊藤和也さん(当時31歳)=静岡県掛川市出身=の両親が23日、「伊藤和也アフガン菜の花基金」に寄せられた2000万円を同会に託し、現地に寄宿舎を建設すると発表した。「菜の花の一粒の種かもしれないが、思いが伝わってほしい」と両親は願っている。

 発端は、伊藤さんが現地で撮影した菜の花畑で笑顔をみせる少女の姿だった。母順子さん(57)は「和也が残した写真の無邪気な女の子を見て、何かできないかと思った」と振り返る。息子を失って3カ月後、両親は「菜の花基金」を設け、伊藤さんの残した写真展を始めた。これまでに北海道から沖縄まで全国34カ所を回り、計2629万9648円が寄せられたという。

 順子さんは「不況で、募金を呼びかけるのはためらわれました。でも、失業中の人が『写真展で勇気をもらった』とメッセージを残してくれたり、多くの人に支えられました」と感謝する。

 ペシャワール会は今年2月、アフガン東部のジャララバードにイスラム教の学校「マドラサ」を完成させた。併設する寄宿舎の建設に基金から1800万円を充て、残る200万円をトラクターなどの購入費用に使う。寄宿舎では戦争で身寄りを失ったり、遠隔地に住む7~15歳の少年約200人が暮らす。父正之さん(62)は「和也が生きていれば必ず賛成してくれたと思う」と話した。【山田毅】

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