12月期待の映画「白いリボン」を観ました。

11月はめぼしい映画がなくて、待ってたんですよね。

手ごたえのある作品を。

その期待に応えてくれたのか 「白いリボン」。



白いリボン

(12月4日pm1:00銀座テアトルシネマで鑑賞)



<解説>


「ピアニスト」「ファニーゲーム」などで知られるオーストリアの鬼才

ミヒャエル・ハネケによるミステリー。第1次世界大戦直前の北ドイツ

を舞台に、教会や学校の指導でプロテスタントの教えを守って暮らし

てきた小さな村の住人たちが、次々と起こる不可解な事故によって

不穏な空気に包まれていく様子をモノクロ映像で描きだす。

カンヌ国際映画祭パルム・ドール、ゴールデングローブ賞外国語

映画賞をはじめ多数の映画賞を受賞。


<僕のレビュー>


この「白いリボン」。

なんといっても画が美しい。

モノクロだけど、カラー以上に実態に近いのだと思う。

くっきりとした輪郭、陰影に富んだ画つくり。

どの画面も一個の絵画のようだ。

アートとしてより際立っている作品である。


この「白いリボン」。

なんと解釈すればいいのか。

美しい山村を描いているが、その裏面になにがあるのか。

迷わせるものが、充満しているのだ。

男爵、牧師、医者、教師、そして女やこどもたち。

そこに現れる息苦しい日常生活がある。


この「白いリボン」。

なんといえばいいのか。

静かな暮らしがあるのだが、その奥底にはなにがあるのか。

嫌悪し、唾棄したいことがあるのだ。

権威、権力、傲慢、横暴、そしてそれへの反発。

抜けられない規律と背理がある。


 そう、

 そこから逃げ出すために戦争があった。

 ナチスドイツの台頭もあったのではないか。

 なんとも恐ろしいことだけど、

 それもひとつの真実かもしれないと思った。


 ミヒャイル ハイネ監督の普遍的なアートがそこにあった。


 

 評価A