「被用者」「監護」――? 仙台市が市民に発送した「子ども手当」の申請書について、「なじみのないお役所言葉が多く、意味が分からない」という問い合わせが市のコールセンターに相次いでいる。

 厚生労働省が示した書式に倣ったものだが、市は「準備期間が少なく、分かりやすい言葉に言い換える余裕がなかった」と釈明している。

 市の申請書は、手当を受けるのに新規の手続きが必要な約3万2000世帯に送られた。「分かりにくい」と指摘されたのは、〈1〉職業欄の「被用者」「被用者等でない者」〈2〉対象児童の状況を記す欄の「監護の有無」――の主に2か所だ。

 やさしい言葉で言い換えると、被用者は「会社勤めの人」、監護は「親など手当を請求する人自身が子どもを育てていること」となる。市の担当者も「この係に来るまで聞いたこともなかった言葉だ」と明かす。ほかにも申請の手引書に「懐胎」(妊娠の意味)など、お堅い言葉が散見される。

 市民からの問い合わせは、申請書の発送前は1日60件ほどだったが、書類が各世帯に届いた先月23日には718件に急増した。26日には1883件まで跳ね上がり、その後も1日に数百件ある。多くが「難しい言葉が多く、意味が分からない」といったものだ。

 厚労省は「法律用語を使ったので、分かりにくい面は確かにある。言い換えるかどうかは自治体の判断」(子ども手当管理室)としている。

 ◆やさしく言い換えた自治体も◆

 宮城県内では岩沼市が独自に工夫して申請書の記入例を作っている。被用者は「サラリーマンの方」、監護は「請求者が子どもを監督し、保護していること」などと解説を付けた。石巻市でも独自の説明書をつけたが、それでも「監護の有無」の欄が未記入のまま提出された例があったという。お役所言葉が市民にとって心理的なハードルになっているようだ。

 仙台市の子ども手当申請書を巡っては、不要な個人情報の記入欄を直さなかった問題が発覚している。行政には、より市民の目線に立った対応が求められる。

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