大正期、はかま姿でサッカーボールを追う香川県丸亀市の県立丸亀高等女学校(現丸亀高)の生徒たちの写真が、同市立資料館で見つかった。国内にようやくサッカーが普及し始めた時代に、既にボールを追いかけていた丸亀の「なでしこジャパン」たち。写真を発見した「香川近代史研究会」の赤垣洋代表(49)は「市内に収容されていた第一次大戦のドイツ人捕虜に影響されたのでは」と推測している。

 市内の男性(故人)が1992年、資料館に寄贈した絵はがき33枚のうちの1枚。研究会が捕虜の関係資料を探していて見つけた。写真には「運動会」と説明があり、創立20周年に当たる24(大正13)年に撮影されたものらしい。

 サッカーの日本伝来は1873年とされる。1921年にようやく日本サッカー協会の前身「大日本蹴球(しゅうきゅう)協会」が発足するなど普及には時間がかかった。一方、丸亀高女の20年の資料には早くも「フットボールが盛ん」と記述されている。サッカー史に詳しいフリーライターの賀川浩さん(85)も「普及が遅かったはずの四国で女性がプレーしていたとは」と驚いている。

 市内には第一次大戦中の1914~17年、ドイツ人用の「丸亀俘虜(ふりょ)収容所」があり、当時の陸軍省の資料に「捕虜が公園でサッカーをした」との趣旨の記録が残る。また、捕虜が来校して演奏したことがきっかけで校内にバイオリン部が設立されるなど、丸亀高女と捕虜の関係は深かったという。

 共学の進学校として有名な現丸亀高に女子サッカー部はない。当時の20年の卒業生の記念文集には「フットボールが好きで大根足になって笑われた」ともあり、悩みは現代とそう変わらないようだ。【馬渕晶子】

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