だってフォーリンラブ

 前回予告した通り、重力加速度の話っす。

 

 地球では手から離れた鉄球は、1秒後には9.8m/s、2秒後には19.6m/sと速度を増加させつつ落下する。ただし空気抵抗は考えない。

 

 というのを中学の時に習ったと思いますが、そこで使われる

 

  t秒後の速度 = 9.8t

 

という式で出てくる9.8てのが重力加速度です。

 なので、落下中の鉄球の速度を縦軸、経過時間を横軸に取った折れ線グラフは以下のように描かれます。

 

 

 ちなみにmは距離の単位であるメートル(Meter)、sは時間の単位である秒(Second)です。あと、ここには出ていないけど、質量の単位にはkg:キログラム(kilogram)を使うのが物理でのお約束でMKS単位系と呼ばれてます。

 

 で話を落下中の鉄球に戻すんですが、この鉄球の動きをアニメーションで表現しようと思うと、鉄球の位置を時間経過に合わせて逐次更新しないといけないので、必要となるのは速度じゃなく移動距離になるんですな。

 

  t秒後の速度 = 9.8t

 

ではなく

 

  t秒後の移動距離 = t

 

が知りたいわけですよ。

 

 

 これが固定された速度での移動、例えば速度10m/s固定でのt秒後なら

 

  t秒後の移動距離 = 10t

 

で解決なんですが、今回の場合、経過時間によって速度が変わるんで、この計算式は使えない。

 

 じゃ、どうするかというと、例えば大雑把に1秒ごとに、その時点での速度を使って、1秒間の移動距離を計算し

 

   t秒後から1秒間の移動距離 = t秒後の速度 x 1秒

 

 とし、この移動距離を加算していくという方法なんかがあります。
 

注意)どうやって移動距離を求めたかは後述

 

 見た通り、かなりな誤差が出ますが、これを1秒じゃなく0.5秒に狭めてやると
 

   t秒後の0.5秒間の移動距離 = t秒後の速度 x 0.5秒

 

 

 少し誤差が改善されるわけです。

 で、この0.5秒間隔の移動距離てのは、最初のグラフに当てはめると、速度x時間=縦軸x横軸、すなわち面積で表現されることになるわけです。

 例えば下のグラフなら肌色の領域すべてで、3秒後の移動距離(誤差付き)を表現してることになる。

 

 

 で、間隔を0.5秒じゃなく0.1秒でやるとどうなるかというと

 

 

 となって、どんどんこの時間間隔を小さくしていって、極限まで時間を短くした場合は

 

 

 となり、これって結局

 

  底辺が経過時間で、高さが速度の三角形の面積

 

が移動距離なわけじゃーんとなって


  三角形の面積=1/2・底辺・高さ

  底辺=t、高さ=9.8t

 

から

 

  1/2・9.8t・t = 4.9t・t

 

てのが、t秒後の移動距離ってことになるわけです。つまり

 

  t秒後の移動距離 = t

 

の部分は

 

  4.9t

 

というのが答えです。高1で習うはず。

 こうやって「t秒後の速度 = 9.8t」の式から「t秒後の移動距離 = 4.9t・t」という式を導き出しt秒後の移動距離を求める方法を

 

 tに関する速度の式から、tに関する移動距離を解析的に解く

 

といいます。

 これに対し、三角形の面積を見つけるまでにやったように、時間間隔を0.1秒とかにして合計し、誤差付きでt秒後の移動距離を求める方法を

 

 tに関する速度の式からtに関する移動距離を数値的に解く

 

といいます。

 当然、解析的に解けるのがベストなんですが、現実は、そうそう簡単に解ける式は少なく(解けないものもある)て、そういう場合は数値的に解くしか方法がないわけです。

 

 たとえば今回の落下の運動だって、本当なら落下物の形状や質量、速度に応じた空気抵抗が発生することになり、これを考慮した速度変化の式は、調べてみたんですが

 

 

といったものになるようです。

 このtに関する速度の式からtに関する移動距離を解析的に解けるのかというと、う〜ん、どうなんでしょ。解ける人は解けるのかな〜。私は挑む気にもならない。

注意)ちなみに、このレベルを解析的に解く場合、大学で習う微分方程式を使うことになります。

 

 なんですが、数値的にはこの速度の式があれば解けるわけですよ。

 誤差付きだけど、できるだけ時間間隔を小さくして解けば、それなりの解が得られるはず。数秒後の移動距離を計算するのに、上の小難しい計算を何百回と地道に繰り返すことになるけど、それこそコンピュータの得意な仕事なわけで…

 

 この数値的に解く方法を次回から実際に使ってアニメーションしていきます。

 じゃまた。

 

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