高速増殖炉「もんじゅ」が本格運転に向けて動き出したことにより、高速増殖炉の技術開発で、日本は先手を打つ立場に躍り出る。難易度が高く、一時下火となった高速増殖炉の技術開発だが、中国やインドで原子力発電所の建設ラッシュが続く中、各国が血道をあげているためだ。

 「(高速増殖炉の)実用炉の設計と運転につなげる成果をあげるように全力で取り組む」

 もんじゅの運営主体である日本原子力研究開発機構の岡崎俊雄理事長は8日、臨界到達にあたって談話を発表し、高速増殖炉技術の開発に意欲を示した。

 高速増殖炉技術は、冷却材に使うナトリウムが空気に触れると燃えやすいことなどから、制御が難しいとされる。フランスが1985年、世界初の実証炉「スーパーフェニックス」の運転を開始したものの、多くのトラブルに見舞われ、98年に閉鎖したほどだ。

 しかし、風向きは変わりつつある。ロシアから技術導入を進める中国は年内に「もんじゅ」と同様、高速増殖炉の実験炉の臨界到達を目指すほか、インドも後を追う。フランスは次世代の高速増殖炉開発で“再参入”したほか、日米仏3カ国は高速増殖炉の燃料や冷却材の研究でスクラムを組む。ロシア、中国も次世代システムの共同研究を進めるといった具合だ。

 各国が力を入れ出した背景には、中国やインドなど新興国の経済成長で、世界的にウランの争奪戦が激しくなっていることがある。ウラン燃料を再処理したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う高速増殖炉が軌道に乗れば燃料の有効利用はもちろん、炉内で消費量以上の燃料を生み出す「夢の技術」として温室効果ガス削減にも弾みがつくわけだ。

 まだ実証段階の原型炉とはいえ、日本の技術を世界に実証したもんじゅ再開の意義は大きい。「日本の技術力を“国際標準”としてアピールするチャンスだ」(東京電力)と、関係業界も歓迎する。

 もんじゅの将来の商用化を見込んで、三菱重工業が出資する開発会社も発足しているものの、ナトリウムの取り扱い技術や建設コストの削減をはじめ、実用化へのハードルは高い。ウランの全量を輸入に頼る日本にとって、資源節約につながる高速増殖炉はエネルギー安全保障に直結するだけに、技術開発での主導権確保が問われる。

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