興南(沖縄)の初優勝で幕を閉じた選抜高校野球大会。準優勝に終わった日大三の山崎福也(さちや)投手(17)は、脳腫瘍(しゅよう)という難病を乗り越え、決勝のマウンドに立った。惜しくも優勝は果たせなかったが、「野球がやれるだけで幸せ。いろいろな人に感謝の気持ちを込められました」。苦境を乗り越えた顔に、悔しさはなかった。

 「手術しなければ、このままでは余命は7~8年です」。山崎投手がこう宣告されたのは2年前。親元を離れた寮生活がスタートする高校入学直前、「頭からつま先までくまなく調べてもらおう」と母の路子さん(48)が思い立った健診で、脳腫瘍が見つかった。

 身長185センチと体格にも恵まれ、幼いころから風邪ひとつひいたことがなかった。「たびたび熱を出したりしていれば、こんな大きな病気になることはなかったのでは…」。割り切れない思いが路子さんを苦しめた。山崎投手は「何で自分が病気にならなきゃいけないんだ」と絶望感にさいなまれると同時に、「自分は死んでしまうのか」と恐怖感に襲われたという。

 名医を頼って北海道まで飛んだ。入院中のベッドでは、兄の福之(ふくゆき)さん(19)が聖望学園(埼玉)の選手として甲子園で活躍する姿がテレビに映っていた。

 「自分もあの場に立ちたい」。野球への思いを強めたという。6時間にも及ぶ手術は成功。「また野球ができるよ」。医師からの言葉に、胸を詰まらせた。

 難病を克服したことで、「どんな困難にも意味があるし、乗り越えれば今以上のものが得られる。何よりピンチをチャンスだと思えるようになった」と、母子は口をそろえる。

 山崎投手は大会で全試合に登板し、打っては個人大会通算最多安打タイ記録をマーク。決勝でも166球の力投を、母が見守る前で見せた。

 今でも年3回の検査を受けるなど、再発の恐れも残っている。しかし、路子さんは「病気をもっていても夢をかなえるための努力を続けてほしい。そうすれば願いは必ず通じる」と断言する。「それを福也が証明してくれた」と。(石井那納子)

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