ひふみん1僕の趣味の一つに将棋があります。中学の頃熱中して友達とよく将棋指してました。今回はその将棋について・・



ガッツ石松さんのガッツ伝説はあまりにも有名ですが、実は将棋界にもその奇行が伝説と化している棋士がおられます。

それが加藤一二三(ひふみ)九段です。僕の愛してやまない棋士です。一部のマニア(?)の方々からは親しみを込めて「ひふみん伝説」と呼ばれております。
さて某サイトよりその伝説の一部(・・とは言ってもたくさんありますが・・)を紹介しますと・・



ひふみん2

・神武以来の天才と呼ばれる
・敬虔なカトリックのため「一分将棋(注)の神様」と呼ばれるのが嫌、「一分将棋の達人」と呼ぶように懇願

   (注)通常将棋は「持ち時間制」なんだけどそれを使い切ると一手1分以内に指さなくてはいけません。加藤先生は一分将棋になっても強かったのでこう呼ばれていました・・
・洗礼名はパウロ
・米長さんとのタイトル戦で「滝を止めてくれ」と要望
・バナナは房から取らずに食べる
・おやつに板チョコ10枚食べた。 数枚まとめてバリボリ。
・カルピスを魔法瓶に2本作ってきて、あっという間に飲み干した。


・口癖は「あと何分?」、秒読みに入っても「あと何分?」
「あと何分?」「1分です」「あと何分?」「1分です」「あと何分?」「1分です」「あと何分?」
ついにキレた記録係。 「1分だよ!」
記録係「20秒、1、2、3」 「あと何分?」「もうありません」
解説の森内(現名人)氏も大爆笑

・テレビ東京の30秒将棋(最初から一手30秒以内に指すというルール)に出場したときも「あと何分?」
・他人の対局でも「あと何分?」


・対局中の賛美歌ハミング
・対局中に対局室のある4階から5階にあがり、賛美歌を歌いながら神に祈りを捧げる


・新聞記事、一二三九段ってぱっと見何段だか分かりにくい
・郵便局へ切手を買いに行くが、将棋の事考えてて何買うか忘れてる。
・常に最前の一手を考えるため、持ち時間がすぐになくなる。六手目に二時間近い長考をし、一手に七時間を掛けたこともある
・ママチャリで買い物、ネギを購入。ミネラルウォーター売り場の前でやっぱり長考
・部屋の引き出しに入った数十個の電気カミソリが、10日ほどで使えなくなるので買い換えていた、充電や電池交換を知らなかったらしい
・三浦七段との“冷房スイッチ、オン・オフ合戦”
・タイトル戦対局中におやつを買いに外出、ミルクだケーキだ大福だ
・波や車の音がうるさいと宿を変えて貰ったことがある、しかしクリスマスの賛美歌には文句を言わなかった。


・ネクタイが異常に長い、「人から見て長く見えるのはわかっています。でも自分ではまだ短いように思うのです。」 戦いに挑む闘志の現れ


・気合が乗ってくると膝立ちになりズボンをずり上げる。


・エアコンの音が気になるので消そうとしたら、間違えて部屋の照明を消した


・解説では、解説せずに一人で納得


・雨宿りをする猫4匹に「ハロー」と手を上げて挨拶。「君達も、将棋に興味があるのかい?」


・マイストーブを対局室へ持ち込み、対局者に向けて対局開始
・王位戦の昼食に、「すしにトマトジュース、それにオレンジジュースとホットミルク、天ざる」を注文
三時には「メロンにスイカ、ホットミルク三杯にケーキ、モモ」を注文


・将棋世界の紹介文「燃える闘魂 加藤十段」


・対局中は加藤は背広の両ポケットにうな重の上(対局時の食事はほとんどうな重)の代金2100円ずつを入れていて、注文時に嬉しそうに出す
・将棋とは「格闘技」、対局は「試合」
・NHK杯の紹介文「ちょっと行動がアレですが、いえかなりアレですが、なんとまぁ元名人です」
・対局中対戦相手と「熱い」「寒い」論争
・なんと師匠を逆破門


・バチカンから「騎士勲章」受章
「私は棋士ですが、このたびは騎士にもなりました。ヴァチカンに事件でも起きれば白馬にまたがってはせ参じなければいけません 」
・十段戦で、米長とのミカン食い決戦、記録係が「ミカン臭くて死にそうです。」と助けを求める。ミカン合戦に負けた米長が勝負にも負ける。
・テレビ中継のある銀河戦で待ったをして相手と言い争いの喧嘩、銀河戦出場停止となる。
・詰め将棋(注)のヒントを求められ 「まず王手をします」
   (注)詰め将棋は「王手をかけ続けなければいけない」ルール

・奥さんと一緒に四谷の教会でカップル相手に結婚相談を行っている
・加藤一二三氏からの手紙には、30枚くらい切手が貼ってある。
・勝負どころで飛車を両手で打ちおろしたら真中から割れた



どうでしょう、ガッツさんほどとは言いませんが結構(かなり)すごいと思いません?

加藤先生からは見ていて本当に「将棋が好きで好きでたまらないんだなあ」という気持ちが伝わってきます。対局中の集中力もすごいです。
伝説の中にはたしかに「対局マナーに違反している」と言われても仕方ないのもあるんだけど、それが将棋ファンに受け入れられているのは、全身全霊で将棋に打ちこんでいる姿の表れだとファンも理解しているからだと思います。


加藤先生は「神武以来の天才」ともてはやされ、若干二十歳で初めて名人戦に挑戦(最年少記録)しています。しかし他のタイトルは何度も獲得してるのに、なぜか棋界最高峰の名人位だけは何度挑戦してもなかなか手が届かず、結局名人になったのは42歳の時でした。年齢的にみて最後のチャンスをものにしたといえるでしょう。「加藤、名人位奪取」のニュースは当時の中年層に勇気を与えたと言われていましたが、まだ学生だった自分にとっても感動的な出来事でした。


現在加藤先生は66歳・・当然昔の様には勝てなくなってきてます。

将棋界は実力に応じて5つのクラスに分けられています。成績が振るわないとたとえ元名人でもどんどん下のクラスに落ちていきます。どんなに強い人でも歳をとってくれば、下から上がってくる若い才能あふれる人達には勝てなくなってきます。加藤先生も例外ではありません。現在は下のほうのクラスでリーグ戦を戦ってます。


これはなかなかできることではないと思います。修斗で例えれば、元世界チャンプがクラスBで戦うような物・・(あの羽生元名人もテレビ番組で、加藤先生のその姿に深く影響を受けたとおっしゃってました)
棋界を代表する他の棋士の中には、(プライドからか?)クラスが落ちる前に引退する棋士もいるんだけど、加藤先生は昔のような成績が収められなくても、下のクラスに落ちても指し続けています。
その昔と変わらぬ闘志あふれる対局姿は、時に将棋に殉じているかのようにさえ見える時もあります。


その奇行も手伝ってか(?)加藤先生は棋界でも人気の高い棋士だけど、ファンから愛される本当の理由はそんなところにあるんじゃないかと思ってます。

加藤先生、これからも体力の続く限り、魅力的な将棋を指し続けて下さい。一ファンとして切に願ってます。


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それでは長くなりついでに(笑)最後に「ひふみん名(迷)言集」を・・


・ウヒョー!
(第40期名人戦第八局で詰みを発見して)

・我が才能をもってすればなんとかなるはずだ
(敗勢になったときの独り言)

・生涯一度も風邪をひいたことはありません
(これを聞いた森内名人は大喜び)

・相手の注文はどんな戦法であれ、受けて立ちます。それを避けるようでは、負い目を感じるので、いけません

・35歳を過ぎると才能を十分に発揮できるのかという見方もあるが、私は賛成できません。人間的な深みが増すにつれ、将棋にも円熟味が出てくる。将棋をやる体力も30歳と60歳とではそれほど関係ないはずです。まだまだ私は、若い人たちと十分戦えると思っています


・私から闘いを取ったら何が残るといえよう。勝負師である限り、命が尽きるまで勝負に明け暮れるのが棋士のさだめだ