形が曲がるなどして通常は市場に出回らない「規格外野菜」。

 これを熊本県が大阪で売り出したところ反響を呼び、取扱店が約2年間で約50店舗に増えた。企画した県大阪事務所は「見た目よりも安さやおいしさを重視する大阪の主婦らに受けたようだ」と、さらに販売拡大を狙っている。

 大阪市北区のビルにある弁当店。店先に形が不ぞろいのナスやタマネギ、トマトが並ぶ。どれも熊本で前日収穫され、トラックで到着した新鮮な規格外野菜。市価より3割近く安いものもある。

 週に1度は買いに来るという40歳代女性は「安くておいしいので見た目は気にならない。もっと種類を増やしてほしいぐらい」。弁当店を経営する徳永徹社長(71)は「売り場を有効活用でき、収入も増えた」と喜んだ。

 発案したのは、熊本県職員の鳥居真臣(まさおみ)さん(33)。県大阪事務所に勤めていた2年前、かつて勤務した芦北地域のブランド野菜「サラたまちゃん」(サラダたまねぎ)について、地元の物産館関係者から耳にした話がきっかけだった。

 アクが少なく甘みが強いのが特徴で、都市圏では1玉200円ほどで販売される高級食材だが、出荷基準が厳しく、収穫量の約2割が規格外となる――。生協に安値で売るなどしていたが、売れ残って腐るものもあったという。

 そこで大阪で売ってみようと思い付き、大阪事務所が入居するビルに店を出している徳永社長に依頼し、10玉前後を180円で販売。すると3か月で約1・5トン、約20万円を売り上げた。同県八代市産の規格外トマトも約4か月間で5トン、120万円を超す売り上げに。安さと味の良さが評判となり、遠方から電車で通う常連客も現れた。

 手応えをつかんだ大阪事務所は昨年8月、「もったいないプロジェクト」と名付けて販売を本格化。県内の農業者グループなどに呼びかけ、出荷する約30団体を確保した。

 並行して大阪で約600の弁当店や総菜店に「空きスペースで野菜を販売しませんか」とダイレクトメールを送り取扱店を募集。今年3月には規格外農産物の見本市も開いた。売れ残っても弁当の具材として使えるためリスクが小さいこともあり、取扱店は増えた。

 八代市のトマト農家前田銀二郎さん(30)は「味の良さを認められてうれしい」。サラたまちゃんを生産する水俣市の田畑和雄さん(56)は「見た目や形を優先する流通システムが見直され、食べ物を無駄にしないことへの理解が広がってほしい」と期待する。

 県大阪事務所は「県産農産物のPRや農家の生産意欲の向上につながっている。今後はほかの地域にも広げ、規格外の野菜を並べた『小さな熊本物産館』が各地に出来るよう頑張りたい」と意気込んでいる。(大田裕一郎)

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