魚介料理にワインを合わせる際に感じることがある「生臭み」は、「味」ではなく「におい」に由来している。メルシャン(東京都中央区)は15日、こんな研究結果を発表した。

 メルシャンはすでに、「生臭み」に影響を与えるワイン中の成分が「鉄」であることを特定しているが、「生臭い」という知覚が「味」からくるのか、「におい」からくるのかについては明らかではなかった。

 そこで今回の研究は、官能評価の際にノーズクリップ(鼻をつまむ道具)を使って実施。「生臭み」を発生しやすいホタテの干し物と、水にアルコールと酒石酸を加えワインに見立てたモデルワイン(試験用サンプル)を組み合わせ、ノーズクリップを装着した状態と、しない状態の両方で行った。

 その結果、ノーズクリップで鼻腔(びくう)を遮断して「におい」の影響をなくし、「味」だけで評価すると「生臭み」を感じなくなり、鼻腔を開放し、「におい」と「味」の両方で評価すると「生臭み」を感じることが分かった。このことから、ワイン中の「鉄」が魚介料理に作用して発生する「生臭み」は、鼻で感じる「におい」に起因していると結論づけた。

 メルシャンは「この発見は、魚介料理に油脂を使用すると『生臭み』成分が口中で拡散するのを抑制するため『生臭み』を感じなくなる、という昨年発表した研究結果を裏付けるもの」としている。

 ワインと料理の組み合わせは「マリアージュ(結婚)」と呼ばれ、ワインを楽しむための重要な要素といわれている。メルシャンでは「油脂をほとんど使用せず、素材を生かした魚介料理にワインを合わせる際には、統計的に『鉄』が少ないという調査結果がある日本古来のブドウ品種『甲州』などから造られたワインを選ぶといい」としている。

 今回の研究結果は、今月23日に開かれる米国化学会でも発表される。

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