qiaobaby count ten

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 8月下旬、友人と下北沢駅北口で待ち合わせをした。待ち合わせの時間は午後2時。

 井の頭線の久我山駅を過ぎたあたりで、車窓の先に広がる灰色の重たそうな雲に気がついた。

 あら、やだ。またくるのかしら。

 このところの豪雨が頭をかすめる。鞄に晴雨兼用の折りたたみ傘をいれてはいるが、なにしろ晴雨兼用。傘をもとめたときの、店員のことばがにわかによみがえった。

「晴雨兼用といいましても長時間の雨には対応できませんのでご了承くだい」

 まいった。わたしが電車の乗客でいるうちに電車と雨雲が行き違ってくれればいいのに。勝手なおもい虚しく、浜田山駅付近で降りはじめた雨が永福町では土砂降りになっていた。

 まいった。まいったとは思うもののどこか浮かれるわたしもいるのだった。

 ことしも集中豪雨、台風で、大変な思いをされている方もおられるのだから、浮かれるというのは配慮にかけるかもしれない。が、被害のでない程度の強い雨に、わたしは浮かれるような心持ちでいた。

 

 少し話はそれるが、つい先日のこと。

 降り出した雨があっという間に豪雨になった。しばらくしてザーザーの音にワーワーキャーキャー、子どもの声が混ざりだした。静かになったかと思うと、またワーキャーがはじまるものだから窓から下をみる(我家は4階)。

 声の主は下校中の小学生、それも低学年の子どもたちだった。降り始めに学校を出たのだろうが、雨は急激に強くなった。怖がっているのかと思いきや、その逆。友だちと土砂降りの中を歩く非常事態を面白がり、興奮しているようだ。通る子通る子、頓狂な声を発するものだから、笑ってしまう。

 

 恥ずかしながら、井の頭線の乗客だったあの日のわたしは、ワーキャーと叫びこそしないものの、この子どもたちと似たようなものだったにちがいない。

 午後2時少しまえ、降り立った下北沢駅も雨の勢いは変わらず、待ち合わせた北口改札は雨宿りの人で溢れていた。

 友人とふたり、雨宿りの群衆に加わるも、雨は一向にやむ気配がない。浮かれながら困ったあげく、濡れずに歩ける新宿に向かう。

 

「ひとそれぞれ見ているところがちがう」「意見を言わなくちゃいけないときは、誤解が生じないよう、やたらと注釈がついて結局、相手に伝わらない」「自分が見えているのは、部分的なもの」

 そうだようね、そうだよね。共感しているようで、微妙な違いを感じつつ、言い切ることが不得手な甘ちゃんのふたりで盛り上がる。

 3時間近くのおしゃべりは愉快であった。

 とっくに雨は上がっていたけれど浮かれたまま、帰りは中央線の乗客となる。
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